2017年10月11日
関西大、バチカン図書館と日本の大学で初めて研究協定を締結
関西大学東西学術研究所は6日、日本の大学で初めて、歴史的文献の重要コレクションを収容するバチカン図書館と、資料の研究を進める協定を締結したと発表した。
バチカン図書館とは、バチカン市国にあるローマ教皇庁の図書館で、15世紀に設立された世界最古の図書館のひとつ。カトリック関連の重要な資料を多数所蔵している世界に名だたる図書館で、コレクションの中には16世紀に展開されたイエズス会の宣教活動によってもたらされた東アジアに関する資料も見られる。
資料の中には、日本や中国にいた宣教師がローマ法王に宛てた書簡や報告書、また日中のドチリナキリシタン、日葡辞書や葡漢字典等、さらには日本の漆器の箱や印章等が所蔵されていることがわかっているという。
今回の協定締結は、これまで詳細が明らかにされてこなかった日本を含める東アジア関連資料の研究を進める目的で、関西大学・ローマ大学・北京外国語大学のチームとバチカン図書館との間でなされたもので、日本の大学としては同学が初の締結となる。
今年4月、同学は、東アジア文化研究の世界的拠点「関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)」を設立。バチカン図書館の資料のデジタルアーカイブ化とそれに伴う研究活動は、KU-ORCASが主体となって進めていく。今後バチカン図書館の秘められた資料から、日本の歴史観、さらには東アジアの歴史観に変化をもたらす世紀の大発見が出てくることも夢ではないという。
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