2014年10月8日
JAPET&CEC/近大附属高教諭が反転授業を取り入れた学習効果を語る
日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)は、「タブレット活用授業と反転授業セミナー」を東京・千代田区の富士ソフトアキバプラザで3日に開催した。
セミナーには小学高教職員や企業関係者140名が参加し、富士ソフトの総合教育ソリューション「みらいスクールステーション」とタブレットを活用した授業展開を体験した。また、タブレットを使った「授業支援」「反転授業」をはじめとした先進的な取り組みを行う教職員が講師となり、学習効果や課題について語った。
講演では、近畿大学附属高等学校の中西洋介教諭と芝池宗克教諭が、「反転授業」「授業デザイン」をテーマに登壇した。
近大附属高では、2013年度から新入生にiPadの購入を義務付け、デジタル教科書を導入している。さらにポータルサイト「サイバーキャンパス」を構築。これは生徒の履修状況の管理や理解度の確認ができるほか、「反転授業」のインフラ的な役割も担っている。このように生徒1人ひとりがiPadを持ち、家庭でのwi-fi環境も整い始めたことで、反転授業を取り入れた授業を提供できるようになったという。
英語科の中西教諭は、反転学習を取り入れた授業について、反転授業と一口に言っても決まったスタイルがあるものではなく、目的に応じて様々な形があると説明した。
中西教諭は10年以上前から、教育現場での一斉授業の果たす役割が徐々に小さくなる反面、動画による教育効果の可能性を感じ、その方法を模索していた。環境が整備されたことにより、1年半前から反転授業を取り入れた授業展開を本格的にスタートさせた。
ただ、中西教諭が受け持つ授業ではiPadを使用せず、プロジェクターに映し出したデジタル教科書とプリントなど活用することがほとんどだと語る。
目指したのは「英語を使用する時間を増やすこと」。サイバーキャンパスに講義ビデオをアップして授業前に視聴できるようにし、従来の授業の中心であった日本語訳と解説は授業前にすませる「反転授業」を取り入れることで、オールイングリッシュで授業を行えるようになった。それにより、デジタル教科書を使って何度も発音を行うなど生徒らへのインプットを多くし、内容に関わるビデオや話題を英語で視聴する時間を充実させることができるようになった。そうした取り組みによる効果は、様々なかたちで出始めているという。
中西教諭は、「反転授業によって空いた時間をどう使うかが醍醐味であり、教員の個性や創造性が発揮されるもの」であり、また「反転授業はこれからの教員のあり方を問うもの」だと語った。
「タブレット活用授業と反転授業セミナー」は、10日に福岡県教育会館で、18日に大阪駅前第3ビル17階でも開催する。
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