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2019年3月26日

鶴見大附属高、「自転車ながらスマホ」をVRでヒヤリ体感

KDDIとau損害保険は、「自転車ながらスマホ」の撲滅と「高額賠償の備え」に関する意識向上を図ることを目的に「自転車安全・安心プロジェクト第3弾」を19日から開始した。

両社は、自転車乗用中の交通事故が多い年齢の高校生に対し、「自転車ながらスマホを防ぐVR授業キット」を制作。神奈川県の自転車保険加入条例化に合わせ、同日、VR授業キットを活用した授業を鶴見大学附属高等学校で開催した。通常授業として実施されたその様子を覗いてみた。

自転車保険義務化の動向を語る水村氏

自転車保険義務化の動向を語る水村氏

au損害保険 営業開発部 営業企画室長 水村大祐氏は、2017年12月に神奈川県で「自転車ながらスマホ」による死亡事故が発生した事例を挙げ、加害者になった場合、民事上の責任、刑事上の責任、道義的な責任などが課せられることを解説。同社での損害賠償額実績では「500万円以上の請求は毎月発生。過去最高額は約1億円の賠償額もあります。高額であれば、加害者は支払えない、被害者は払ってもらえないといった事態にもなりかねません」と事故の重大性を説明した。

賠償事故件数は2016年度から約1.25倍と年々増加をたどっているという。2019年2月現在、自転車保険加入を「義務」とするのは9自治体、「努力義務」とするのは10自治体と全国で義務化の流れが広がっている。

KDDIとau損害保険が推進する「自転車安全・安心プロジェクト」の第1弾では、「自転車ナビタイム」アプリの音声ナビゲーションを使って「ながらしない運転」を体験する啓発キャンペーンを、第2弾では「自転車ながらスマホ」運転の危険性を検証する実証実験を大学生と連携して行うなど実施を重ねてきた。

VR授業キットを解説する鳥光氏

VR授業キットを解説する鳥光氏

第3弾を迎える今回の「自転車ながらスマホを防ぐVR授業キット」について、KDDI 総務部 サステナビリティ推進室長 鳥光 健太郎氏は、「VR授業キットは、自転車事故の危険性や高額賠償への備えの必要性などを伝える『スライドムービー』、自転車ながらスマホ時と通常の自転車運転時の視野やブレーキ反応速度の比較を疑似体験できるVRコンテンツ『STOP!自転車ながらスマホ体験VR』、自転車ながらスマホの防止アイデアを考える『ワークショップ』の全50分間で構成されます」と紹介した。

特長的なのは、企業の担当者が登壇する出張授業ではなく、同キットを貸出し、学校の教諭が通常授業の一環として指導するスタイルであることだ。

「スライドムービー」で事故事例などを視聴

「スライドムービー」で事故事例などを視聴

教室に移動すると、室内の前方に本物の自転車が設置され、3人1組のグループに1セットずつVRゴーグル等の機材が用意されていた。この日、授業を担当したのは、同校 情報化・入試委員の永澤一久教諭。はじめに授業の趣旨を説明。「ながらスマホ」の経験を訊ねると半数ほどの生徒が挙手をした。

VRゴーグルとヘッドフォンを装着

VRゴーグルとヘッドフォンを装着

続けて「スライドムービー」を視聴。「自転車ながらスマホ」の実態と事故事例、走行中の危険性、高額賠償への備えの必要性などを10分ほどの動画で学んでいく。「自転車ながらスマホ」をしている場合、歩行者の見落とし率が5割増になることや、歩行者を認識するまでの時間が1.0秒から1.7秒に遅れるなど具体的なエビデンスも提示され、いかに危険を伴う行為であるかが分かりやすく、コンパクトにまとめられている。

「自転車ながらスマホ」をVR体験

「自転車ながらスマホ」をVR体験

いよいよVR体験。はじめに生徒1名が代表でデモンストレーションを披露。VRゴーグルとヘッドフォンを装着し、左手にはスマホ、右手には自転車ブレーキをかけることができる付属のリモコンを持ち、両手をハンドルにそえ、実際に自転車に乗りながらVRを体験してみる。

映像と音声のガイダンスに従ってコンテンツを体験していく。途中、歩行者の飛び出しに対して、リモコンを押してブレーキをかけるというもの。自転車ながらスマホ時と、通常の自転車運転時の視野や反応速度の違いを確認することができ、ブレーキ反応速度が遅いと歩行者に衝突する画面が表示される。

自席で簡単にVR体験

自席でも簡単にVR体験

デモンストレーションの後、グループに分かれ他の生徒もそれぞれ自席で体験。誰もが集中して体験するなか、しばらくすると、「ひいちゃった!」と思わず叫ぶ声が方々で聞こえはじめた。自分が思うより「ながらスマホ」は歩行者への反応が鈍くなるようだ。

全員が体験を終えると最後に「ワークショップ」。動画視聴、VR体験を通じ、「自転車ながらスマホ」の問題点や危険性、この行為を減らすために自分たちができることなどを考えていく。

考えをシートに書き出す

考えをシートに書き出す

授業後、永澤教諭にVR授業キットの使い勝手を尋ねると「1回使ってみると使用方法はわかるので授業で戸惑うことはありません。誰でも簡単に導入できると思います。課題があるとすれば、キットに不具合が同時に起こることがあれば授業をストップせざるを得ないことでしょうか」と感想が返ってきた。

生徒にも話しを訊くと「VRは面白かったです。でも事故を起こしたら賠償責任が発生するし、自分がそうする側にもそうされる側にもなる危険を知って、意識が大切だなと。『自転車ながらスマホ』は他の人もやめてほしいと思いました」と率直な感想を語ってくれた。

同校ではこれまで生徒による自転車事故はないという。同校 理事・校長の亀山仁氏は、「危険な行為であるにもかかわらず、自分は大丈夫とどこか過信してしまう傾向があるのかもしれません。しかしこうした授業を通して、生徒は自分ごととして受け止めてくれている様子です。この体験を活かして安全な地域づくりにもつなげられたらと思います」と地域も含めた安全意識の高まりの醸成に期待を寄せた。

KDDIとau損害保険は今後も、全国の学校の依頼に応じてVR授業キットを貸与し、「自転車ながらスマホ」撲滅に向けた啓発活動に取り組んでいくという。

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