1. トップ
  2. ズームイン
  3. 1人1台+クラウド環境による「キュビナ」を活用した「生涯にわたって自ら学び続けられる」児童生徒の育成/愛知県春日井市教育委員会

2024年12月17日

1人1台+クラウド環境による「キュビナ」を活用した「生涯にわたって自ら学び続けられる」児童生徒の育成/愛知県春日井市教育委員会

【PR】
児童生徒1人1台情報端末とクラウド活用を前提とする「GIGAスクール構想」も第2期となるNEXT GIGAの時代に突入し、全国の自治体・学校で様々な取り組みが行われている。端末をどう使うのかネットをどう活用するのか、学習支援システムやアプリは何を利用するのか、その取り組みは様々だ。

今回は、1人1台情報端末とクラウド、そしてAI型教材「Qubena(キュビナ)」を活用して児童生徒が「生涯にわたって自ら学び続けられること」の実現に取り組む、愛知県春日井市教育委員会の事例を紹介する。

1人1台端末とクラウド環境で「生涯にわたって自ら学び続けられる」ため

愛知県春日井市は名古屋市の北東部に接した人口31万人、小中学校数54校、児童生徒数2万4500人の地方都市。AI型教材「キュビナ」は全校で導入・活用して3年目となる。GIGAスクール構想の一環として「キュビナ」を導入したことについて、春日井市教育委員会教育研究所の水谷年孝 教育DX推進専門官に聞いた。

「GIGAスクール構想で1人1台端末とクラウドが来て、どう利用するかに意識がいくのですが、大切なのは一体どんな学びが実現できるといいのかということです。春日井市では『生涯にわたって自ら学び続けられること』そして『一人ひとりを大切に』を大きな目標に取り組みを始めています。


4年前のコロナで100日間学校が止まって、プリントや動画を使って対応したのですが、学びがなかなか進まなかった経験から、1人1台端末とクラウドを使って、子どもたちが自分で学び続けられ、学校がなくても先生がいなくても、そして卒業しても学び続けられるということを大きな目標にして取り組んできました。

GIGA環境を利用して、情報活用能力、問題発見・解決能力を育成する学びに取り組んできました。教科書を使ってノートに解く、教科書とパソコンを使ってノートに解く、学習を振り返る、いろんなパターンで学びが進められています。」

自ら学び続けるために、多くの問題を用意したい

「簡単な問題、教科書のレベルの問題、さらに発展の問題も用意して取り組んでいますが、やっぱりもっともっと問題が欲しいし、自分で選んで自分で取り組んでいきたい。そこで、AIドリル『キュビナ』を採用することになりました。先生が問題を準備しなくていいので、負担軽減になります」


また、今までは紙のドリルを保護者に購入してもらっていたのが、公費負担にすることによって保護者の負担が減ることもあり、「キュビナ」の導入が決まったという。

「1人1台とクラウドを使うことによって、授業が変わってきました。とにかく各自で取り組むことができる仕組みが欲しかった。問題がもっと欲しかった。そんな時に、この『キュビナ』と出会って子どもたちの学びの姿をさらに進歩させることになりました。どのように活用されているか、出川小学校と高森台中学校の実践の報告をします」

春日井市立出川小学校の事例報告

六年生担任 堀光貴教諭の報告:
私からは児童が自ら学ぶ姿勢について報告します。教科は算数の「割合」という単元で、大まかな流れとしては、本時の学習の内容を子ども自身が学び、その学習のまとめをします。その後、補充学習として自分に合った学習を進めて学習の振り返りをする流れになっています。その中で活躍しているのが「キュビナ」です。計算ミスをなくしたり、問題を解いたり、自分で反復練習をすることで自信をつけたい子どもたちが「キュビナ」を活用しています。


24年6月の学習の状況です。こんなにも1カ月で問題をこなすことができています。宿題を特別に出したりはしておらず、授業の残りの時間や放課後の時間、家庭学習の時間で「キュビナ」を使っていいという指示を出したところ、1カ月で2時間21分も学習の時間を作ることができています。

教師は子どもたちが問題を解いたとき、どのように間違えたのかしっかりと見ることができます。そして解説が一問一問ついていますので、子どもたちはしっかりとその場で復習することができます。「キュビナ」があることで、習熟度の向上や学習時間の増加につながります。そして教師にとっては、子どもたちの学習の実態の把握と、プリント問題を作ったり、回収する手間の削減ができて、とても便利です。

特別支援学級 小林由弦教諭の報告:
昨年度、他の自治体から本校へ赴任してきたので、「キュビナ」を使い始めて1年と少しが経ちました。特別支援学級の国語での実践です。この図は、四年生の教材「一つの花」の単元構想です。担当する児童の多くが読み取りの部分に困難さを抱えていたので、まずは一斉授業形式で支援をしながら内容を抑えました。


その後、内容を理解できたかどうか、また、漢字などの知識・技能が身についたかどうかを確認する段階で「キュビナ」のワークブックを活用しました。ここでは、学ぶ内容を児童自身が「自己決定」できるように、次のような授業展開としました。

まずは、その授業時間にどの「キュビナ」のワークブックを行うか計画を立てます。必須のワークブック一つを除いては取り組む数も種類も児童へ委ねました。その後、計画したワークブックを実際に解いていきます。この段階では、個別の声かけをしながら児童の苦手に寄り添って声かけをします。そして、授業の最後に振り返りを行います。計画と振り返りは、グーグルのスプレッドシートに蓄積していきます。自分で立てた計画に対して、その時間でできたこと、事実を書いた後、振り返り、自分が考えたことを音声入力しています。

「自己決定した」学びを遂行できたこと、またその学びが自分のためになっているということを実感できる大切な時間なので、ポジティブなフィードバックを意識しています。

春日井市立高森台中学校の事例報告

一年生国語科担当 近藤彩乃教諭の報告:
一人ひとりがよりよく学ぶために、どのように「キュビナ」を活用しているのかを紹介します。

自分たちで学びを進めていく中で、自己調整のために「キュビナ」が活躍しています。早く進んでいる生徒は、どんどん「キュビナ」で演習を進めます。一方、学習が苦手な生徒は「キュビナ」の中から自分で問題を選択して進めることもあります。


文法の授業では、生徒に多くを委ねて教科書を自分で読んで進んでもらう形にしました。教師の説明を極力省いて、自分たちで演習を多く進めます。「キュビナ」を選択した生徒は、伸ばしたい範囲を自分で選択していきます。小学校の範囲も含めて、かなり広い範囲から選択ができますので、支援が必要な生徒には最適です。

授業中はグーグルのスプレッドシートで進捗を報告します。教師はそれを見て助言をします。「キュビナ」を導入したことで、こういった把握や助言の時間を多く取ることができるようになりました。さらに「キュビナマネージャー」で、一目で習熟度や進捗を見ることができます。授業中に個別に細かいところを見たいときはこちらで確認をします。

生徒の視点からはわからないまま進んだり、わかるから暇になることがないという声が上がりました。またゲーム感覚で解くことができるので、主体的に学習サイクルを定着させることができるのではないかなと感じています。

一方、教師の視点からは一人ひとりと向き合う時間が多くなるので、複線化した授業がしやすいなと感じます。また、プリントの管理がいらなくなるので、授業準備の時間を別のことに充てることができ、大変助かっています。

二年生数学科担当 武田尚大教諭の報告
私からは、生徒が自ら学びを進める授業での「キュビナ」活用について報告します。
「自ら学びを進めることができる生徒」の育成を目指し、日々授業づくりを進めています。年度の初めに学び方をしっかりと教え、教科書や動画チャットを活用しながら、自分たちで学習を進めていけるような授業スタイルをとっています。「キュビナ」は、ワークブックを授業の最後に配信する形で現在活動を進めています。

ワークブックを導入した経緯の1つ目は、生徒に「キュビナ」の良さを実感してもらいたいと思ったからです。以前まで「キュビナ」を学習状況に応じて自分で問題を選択して取り組むなど学習方法の一つとして活用してきました。しかし、授業を実際に見ていると、「キュビナ」を活用している生徒はあまり多くありませんでした。そこで、今回改めて「キュビナ」の良さを生徒に実感してもらいたいと思い、ワークブックの導入を始めました。

2つ目は、教員が生徒の学習状況をしっかり把握するためです。
「キュビナ」のワークブックを作成し、毎回授業の最後に確認の場として活用をしました。一人で取り組む生徒もいれば、生徒同士で相談しながら進めている生徒もいます。一学期の最後に「キュビナ」のワークブックについてアンケートをとりました。約9割の生徒が「キュビナ」のワークブックが役立っていると答えました。その理由として、「キュビナ」で正答率が可視化され、復習の際に役立つ、間違えたとしても問題の解説がすぐ表示されるので学習がしやすい、などの意見が得られました。


「キュビナマネージャー」では、生徒がどの問題を間違え、どの問題をやっていた、どのくらいの時間をかけたなど、生徒の学習状況を細かく把握することができます。さらにどのように間違えてしまったかまで把握することができ、これをもとに教員が適切なサポートを行うことができました。

キュビナを使って、自ら学びを進められるように

春日井市教育委員会教育研究所 水谷年孝 教育DX推進専門官
4人に共通していたことは、「キュビナ」を使って「自ら学びを進めることができるように」という大きな目標がきちんと共有されているということです。

今までの教材だと「個別最適」のために、クラウドでたくさんの情報を子どもたちに渡そうと頑張って用意するけれど、やりすぎると負担が多くなって準備に時間かかってしまう。そこで「キュビナ」が登場して、そういった負担を軽減する仕組みになりました。

学習記録も教師と児童・生徒の1対1の紙媒体でのやり取りから、クラウド上でみんなで共有できるようになりました。「キュビナ」を導入することで子どもたちの支援がしやすくなった、学習の状況も把握しやすくなったということが、4人からの報告から理解してもらえたと思います。

でも、こうやって「キュビナ」を使って学びを進化させることができたのは、「キュビナ」の良さもありますが、学び方をしっかり教えて「自分で学ぶことができる」ように、学校全体での実践を積み重ねてきたからだと考えます。

この先も「キュビナ」を使うのですかと聞かれますが、今なくなったら困ります。4人の発表からもわかる通り、「キュビナ」がなくなったら子どもも先生も困ってしまいます。たしかに費用はかかりますが、しっかり使っているからこそ、春日井市では今後も継続して使っていけると思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
春日井市のQubena活用を紹介するセミナーのアーカイブ動画・資料はこちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

関連URL

春日井市

活用ナビサイト「Qubena-Navi」

COMPASS

自律的な学習者への第一歩に 自己効力感の向上 活用事例多数紹介 すらら 活用事例のご紹介
株式会社TENTO

アーカイブ

  • ICT要員派遣はおまかせ! ICTまるごとサポート 詳細はこちら
  • 事例紹介作って掲載します。 ICT教育ニュースの楽々 事例作成サービス