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2024年12月17日

生成AIを活用した英作文添削サービス「ライップ」で生徒の主体性向上 / つくば市立みどりの学園義務教育学校

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つくば市立みどりの学園義務教育学校では、生成AI技術を活用した英語の自動添削サービス「ライップ」を中学3年生全クラスで試験導入しました。本ツールの活用により、生徒の主体的な学習姿勢の向上という大きな成果が得られています。本記事では、AIと教育の調和を図りながら、より効果的で魅力的な学習環境を創出していく先駆的なみどりの学園の「ライップ」活用・実践事例を紹介します。


みどりの学園では、従来からライティング指導に力を入れてきましたが、英語が苦手な生徒は1文を書くのが精一杯でした。ライップは、そのような課題を解決する可能性を秘めたサービスとして期待されました。

【ライップの特徴】
・質問機能による単語の意味確認から文章構成までをサポート
・AIによる正確な添削と良い点を褒めて伸ばす前向きなフィードバック
・教職員の負担軽減と効果的な指導の両立

ライップを活用した英作文学習の流れ

みどりの学園での「ライップ」を活用した英作文学習は、以下のような流れで行われています。

【授業の具体的な手順】
① 班に分かれて英作文を作成(プリント)
② 生徒がライップに質問や英作文を入力し、添削を依頼
③ ライップからのヒントや添削結果を基に英作文を修正
④ 作成した英作文を使い、班内でスピーキングを練習

【教職員のサポート】
・生徒の質問や英作文の内容をリアルタイムで確認
・苦手な生徒への重点的なフォロー

この日の授業では、冒頭15分でライップを活用しています。
まず4人程度の少人数グループに分かれ、「If you had a time machine, what would you do?」というテーマについて英作文に取り組みます。各自が考えを巡らせた後、グループ内で相談しながら文章を練り上げていきます。この時、分からない表現があればライップに積極的に質問を投げかけ、ヒントをもとに英作文をより良くしようとする姿勢が育まれています。教室内には活発なコミュニケーションが生まれ、生徒たちの真剣な表情が印象的です。

文の作り方や単語に関する質問を入力するとAIがヒントを提示

AIからのヒントを元に英作文を検討

次に、英作文の添削をライップに依頼します。ライップからの提案を受けて、より自然な表現への改善や文法的な誤りの修正を行います。また添削だけでなく、英作文の良かったポイントも生徒にフィードバックされます。この過程で新たな気づきや好奇心を刺激され、より良い表現を求めて何度も添削を依頼する積極的な姿勢が見られます。

AIからの添削結果とフィードバックをもとに、英作文を繰り返しブラッシュアップする主体的な姿が見られる

最後に、完成した英作文を使ってスピーキングを実施します。お互いの英文を読み合いながら、内容について英語で質問し合うなど、対話的な学習へと発展していきます。

教職員は、ライップの教職員用画面で生徒の質問や英作文内容をリアルタイムで確認しながら机間巡視し、個別にアドバイスを行います。特に苦手な生徒への重点的なフォローや、全体共有時の画面共有機能の活用など、きめ細かなサポートを行っています。

教職員画面を投影し、クラス全体にある生徒の英作文を紹介

全学習層に対応:中間層の躍進と意欲の向上

英語科の別井先生は「特にテストで4割から6割程度の中間層の生徒たちに顕著な効果が見られています」と語ります。「従来10語程度しか書けなかった生徒が、ライップの使用で20~30語程度書けるようになりました。県立入試や定期テストで求められる30語以上の英作文に向けて、着実な進歩を遂げています」

成績上位層の生徒たちにとっては、より高度な表現や豊かな語彙の習得機会となっており、英語学習への意欲を一層高める効果をもたらしていました。また、下位層の生徒たちも、ライップからの具体的なアドバイスを得ることで、間違うことへの抵抗感や英作文への苦手意識が徐々に軽減されているという良い変化がありました。

「生徒からは『翻訳アプリとは異なり、考えるヒントを提供してくれるので、実際の学習に役立っている』という前向きな声が多く聞こえます。このような生徒たちのさまざまな変化を受けて、生徒たちが自ら学ぶ姿勢が身についてきたのを感じます」と喜びを語りました。

教職員の負担軽減と指導の質的向上

ライップの導入により、従来のライティング指導が質的に大きく向上しました。
別井先生は「生徒の英作文量が増加し、学習意欲も向上しています。さらに、教職員の添削負担を増やすことなく、授業の質を向上させることができました」と評価しています。

特筆すべき点として、教職員がより効果的な個別指導に注力できるようになったことが挙げられます。生徒の自主的な学習を促進しながら、教職員は個々の進捗状況を的確に把握し、必要な支援を提供できる体制が整いました。

使いやすさと新機能への要望:現場の声から生まれる進化

ライップのシンプルな操作感が特に高評価を得ています。別井先生は次のように語ります。「いまのところ大きなトラブルはなく、様々な教育支援ツールがある中で、ライップのような直感的な操作が行えるサービスは、だれでも簡単に使いこなせます」

またOCR機能が備わっていることも特長です。この機能により、紙に手書きした英作文をPCで撮影するだけで、デジタルテキストに変換し、即座に添削を受けることができます。デジタルデバイスの操作に不慣れな生徒や、手書きでのアウトプットを重視する教育方針にも対応できる柔軟性を持っています。

生成AI活用がもたらす教育の未来

ライップの導入によって、中間層(4~6割)の生徒の顕著な成長、生徒の学習意欲の向上と英作文量の増加、そして教職員の業務効率化と質の高い個別指導の実現という大きな成果が得られました。

生成AI技術を効果的に活用しながら、従来の教室での学び合いとの調和を図り、より魅力的な学習環境の創出を目指すみどりの学園の取り組みは、教育現場におけるAI活用の好事例として、今後も注目されることでしょう。

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