2023年12月25日
保護者が明かす不登校の原因、35%以上が「人間関係のトラブル」=じゅけラボ予備校調べ=
じゅけラボ予備校は22日、子どもが現在不登校になっている保護者300人を対象に実施した、「不登校の状況に関する実態調査」の結果をまとめ発表した。
それによると、「不登校になった理由」を尋ねたところ、最も多かったのは「人間関係のトラブル・いじめ」35.3%で、学校内の対人関係の難しさや心理的なプレッシャーが子どもたちの学校生活に大きな影響を及ぼしていることが分かった。
以下、「わからない」17.0%、「先生との相性が悪い」10.3%、「朝起きるのが苦手」9.7%、「特に理由はない」9.3%、「給食が食べられない・苦手」4.3%、「授業についていけない」3.7%と続き、「学校の授業の他に学びたいことがある」2.7%と「学校の授業よりも高いレベルの勉強がしたい」0.3%という「積極的不登校」も挙げられた。
注目すべきは、現在不登校の子どもを持つ保護者の17%が、不登校になった理由が「わからない」と回答したこと。この高い割合は、不登校の背後には、明確に特定できない様々な要因が絡み合っている可能性と、子ども自身が「学校に行けない理由」を自覚できていない複雑な要因が存在することを示している。
また、「先生との相性が悪い」「朝起きるのが苦手」「特に理由はない」の3つの理由で約30%を占めたが、これらは、学校への適応問題が単一の要因ではなく、多様な要素によって影響を受けていることを示唆しており、特に「特に理由はない」との回答は、不登校の問題が複雑で、一律の解決策では対処できない現実を反映している。
「不登校になった時期」について質問したところ、最も多かったのは「中学1年」19.7%。この段階で不登校が増加する理由として、新しい学校環境への適応の難しさ、友人関係の変化、学業の負担増加などが考えられ、思春期の始まりと重なるこの時期は、心理的な変化も大きく、子どもたちにとって多くのストレス要因が絡み合う。
一方、「小学校高学年」、特に「小学4年生」では、不登校の割合が13.7%と急増。この時期は、学習内容の難易度が上がるとともに、友人関係や学校生活、学習面における期待が変わり始める。小学校高学年になると、自己認識や社会的な意識が高まり、それに伴い学校や友人との関わり方にストレスを感じることが多くなり、保護者や教育関係者のサポートが必要な時期であることが分かる。
注目すべきは、16.7%の保護者が子どもの不登校期間が「3年以上」に及ぶと回答していること。「1年以上」不登校の状態の生徒の割合は、実に43.7%にもなる。こうした長期不登校は、学校とのつながりを失い、教育システムから孤立するリスクを高める。
長期不登校の背後には、学校の環境、教育の質、家庭の状況、心理的な問題など、複数の要因が絡み合っていることが多いと想定され、対処するには、学校、教育関係者からの個別のニーズに応じたアプローチと、学校外のサポートネットワークの整備が重要。
「不登校になって悩んだこと」を聞いたところ、56.3%の保護者が「子どもの精神状態や健康面の問題」を最も大きな悩みとして挙げており、不登校生徒が抱えるストレスや心理的な問題が、家庭内で最も注目される課題であることが分かる。
また、17%の保護者は「子どもの将来の選択肢が狭まること」を悩みとして挙げており、教育の中断が長期的なキャリアや進学の機会に与える影響を不安に思っていることを示している。
不登校の経験は、進学や職業選択で不利な状況を生み出す可能性があり、保護者はこれらの将来的な影響について深刻な懸念を抱いていることが分かった。
この調査は、不登校の子どもがいる全国の保護者を対象に、11月28日~30日にかけて、インターネットで実施した。有効回答数は300人。
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