2024年7月23日
「画像で検索・画像でドリル」創造する礎を築く 小学校向け教育ツール「トルクレオ」 /ブリタニカ・ジャパン
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デジタル教材や教育ツールなど、ICT活用によって調べたり学んだりする方法はますますバリエーションの広がりを見せている。そこにまた1つ、新たな学びのツールが加わる。ブリタニカ・ジャパンから今夏リリースされる、小学校向け先端教育ツール「トルクレオ」だ。ブリタニカが誇る百科事典のデータベースをもとに、「画像から検索・画像からドリル学習」を行うことができる。解答・解説で学ぶだけではない、「トルクレオ」の新たなインパクトを紹介する。
興味関心がそのまま学びに直結する「トルクレオ」
ブリタニカ・ジャパンの小学校向けデジタル教材には、エキスパートにより執筆された16万以上の項目と外部ウェブサイトへのリンクを有するオンライン百科事典の「ブリタニカ・スクールエディション 小学生版」、著作権処理済みで自由に授業で使える画像(4万8000点以上)と動画(3000点以上)のデータベース「ブリタニカ・イメージクエストジュニア」などがある。
今夏リリースされる「トルクレオ」。その名称の由来は「トル(撮る)+creo(創る)」。撮影した写真(画像)から主体的な学びを促進するツールであり、学習者の興味関心をそのまま学びに直結させることができる。
百科事典をリソースに「カメラ×AI×ドリル」で学習
◆写真を撮るだけで検索できる
「トルクレオ」の特徴は、何と言っても検索や学びの入り口が「写真(画像)」であること。児童 ・生徒自身のデバイスで撮影した写真から解析・抽出されたキーワードをもとにブリタニカのオンライン百科事典にアクセス。これまでのデータベース検索(GoogleやYahoo!など)では、検索キーワードを自分で入力する必要があった。しかし、トルクレオでは、興味に応じて写真を撮るだけで様々な検索結果が得られる。そのため、予想外の面白い結果が得られることがある。「自分では考えつかなかったけれど、これがすごくおもしろそうだ」と感じることができるのだ。学習者の想像を大きく超える情報も得ることが可能。文字からの検索とは異なるアプローチであり、たとえば文字入力に不慣れな小学校低学年の児童であっても、探究的で深い学びを楽しくできるよう設計されている。
◆AIで生成された問題を引き出し、好きな教科でドリル学習できる
さらにもう1つ。写真から抽出されたキーワードに関連して、AIが生成した問題を引き出し、好きな教科でドリル学習することができる。ドリルの解説を見た後には、抽出されたキーワードをもとにブリタニカのオンライン百科事典にアクセスし、さらに学びを深めることもできる。「トルクレオ」は、これまでの検索ツールとは一線を画す「カメラ×AI×ドリル」の技術で、学習者の好奇心から課題を設定することができ、学習者に寄り添った授業展開を図ることができる。
New Education Expo 2024で「トルクレオ」発表
ブリタニカ・ジャパンは「トルクレオ」のリリースに先立ち、さとえ学園小学校(埼玉県さいたま市)と共に、2年生を対象とした実証授業を行った。生活科の授業の一環として、児童たちは「さとえ“ステキ”クイズをつくろう」をテーマに、「画像で検索」を利用。2人1組となって校舎内で撮影場所を選び、写真を撮影し、その写真をもとに関連項目を検索、内容をまとめて 3 年生に発表するという主体的で協働的な学びを体験した。身の回りの事象と興味関心を学びに結びつける理想的な学習が実現できたという。
また、教育関係者向けイベント「New Education Expo 2024 」東京会場で6月7日に開催された「フューチャークラスルームライブ」では、同校の山中昭岳教諭を講師に迎えた講演が行われた。当日は、会場と小学校をリモートでつなぎ、5年生と6年生による実践授業のライブ中継も実施された。
5年生は社会科で「トルクレオ」のドリルを活用。「埼玉県を北関東と南関東に分ける」を課題に、埼玉県に関する情報について、県の地図を撮影し、クイズ形式で解いていき知識の定着を図った。6年生は総合的な学習の時間で「トルクレオ」の検索を活用。ビオトーププロジェクトに「トルクレオ」をどう活かすか、その活用法を見出す授業が紹介された。
「トルクレオ」が児童・生徒にもたらすもの
講演後、山中教諭に話を訊いた。「写真を撮るだけで学びが起こる、そのシンプルさが良い」と山中教諭は話す。また、画像からさまざまな要素をすくい取り解析するAIの「曖昧さ」が良いと語る。
「児童にとってICT活用は何か正解が出てくるもの。でも『トルクレオ』は正解でないものがたくさん出てきます。2年生の子どもたちは最初それに唖然となっていましたが、2回目には楽しみ出しました。それがすごく大切で、たとえば『これを撮ったら、これが出てくる、なぜだろう?』と。私を撮ったら『教師』と出てきた、なぜだろうと。黒板が後ろにあるからか、スクールと書いてある文字に反応したからか、それを子どもたちが見つけ出していくわけです」。
「トルクレオ」は写真の撮り方によって出てくるキーワードが異なる。そこを発見したり試行錯誤したり。「自分が思っていたものと違う」という気づきが、子どもたちにとって創造の礎になっていく。気づきに自分がどう反応するか。「違う!」と文句を言うのか、諦めるのか、または別の視点で考えようとするのか。「トルクレオ」はまさにそこを与えてくれるものだと山中教諭は強調する。
AIとの付き合い方を知る、違和感を乗り越える
同校の目指すICT教育は、AIとの付き合い方、その仕組みもだという。同校では授業支援システムは入れず、1年生からフォルダやクラウドの概念を教えている。山中教諭は、「トルクレオ」は、AIとの付き合い方、仕組みを知る上で抜群に良いものだと低学年の授業を通して感じたという。
学校教育においては、教員は最新のテクノロジーをキャッチアップし、いかに学びと関連付けていくかが重要になってくると山中教諭は指摘する。一瞬でパッと正解に辿り着くのではなく、前述のAIの「曖昧さ」への不安をいかに学びに変えられるか。児童が自分に起きた違和感にどう対応し、その違和感をポジティブに転換していける修正力や、わからないということがわかってラッキーだと捉えられるような意識、そのような「どう解決したらいいかを楽しめる子どもを育てたい」と思った時に、「トルクレオ」は最適だという。
自分なりの課題発見が学びを面白くする
GIGAスクール構想の開始から4年が経過し、小学校でのICT活用も浸透してきた。端末やアプリの操作スキルに時間を要していたこれまでから、今はどう授業で使うか、本質的な教育を考えられる時代になったのではないかと山中教諭は言う。
WebサイトやSNSなどでは、自分が求めた情報に関連して “おススメ”が矢継ぎ早にやってくる。しかし、たとえば書店で自分が欲しかった本以外に、何か気になり偶然の出会いから手に入れた本にもまた価値があるように、思いがけない発見の妙味が「トルクレオ」を活用する最大の魅力と言えるかもしれない。
写真を撮ることで開く学びの扉。学びの出会いを増やすきっかけに、多くの教育現場で「トルクレオ」の活用が期待される。
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