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2026年5月29日

「遊んでいたら自然と速くなる」を学校へ ─ 大学1年生が個人開発した対戦型タイピング練習サイト「タイピング無双」

【寄稿】
横山 誠(都内大学1年生・個人開発者)

はじめまして。対戦型タイピング練習サイト「タイピング無双」を、ひとりで開発・運営している横山誠と申します。2026年4月12日に、ブラウザから会員登録なしで遊べる無料のWebサービスとして公開し、現在までに総ユーザー数は4500人を突破しました。

一部の学校では、クラスの中で少しずつ使われ始めているという声も届くようになりました。

ゲームとして遊ぶうちに、自然と上達する

「タイピング無双」は、タイピングの速度と正確性を、そのままゲーム内の攻撃力や勝敗に結びつけた練習サイトです。画面に表示される言葉を正確に打ち込むことで相手にダメージを与え、1対1で勝負します。サイバーパンクと侍を組み合わせた世界観の中で、キャラクターや奥義、ランキング、称号といったやり込み要素を用意し、「勉強させられている感覚」ではなく「もう1戦やりたい」と思える設計を目指しました。

タイピング練習画面

最初の入り口となるのが、初心者向けの「ホームポジション道場」です。全10ステージで、指の定位置を意識しながら段階的にキー入力を覚えられるモードで、サイト内のキーボードは「どの指がどのキーを担当するか」を色分けで示しています。いきなり難しい文章を打つのではなく、ホーム段の数キーから始め、上段・下段へと少しずつ範囲を広げ、最後はCPU対戦に挑む──ゲームのステージを進める感覚で基礎が身につくようにしました。全ステージを攻略すると「免許皆伝」の称号がもらえる仕組みです。

そして、慣れてきた人の「続けたい」を支えるのが、オンライン対戦です。世界中の誰かとリアルタイムで1対1のタイピングバトルができ、勝敗に応じてレート(段位のような指標)が変動します。初期レートは1,000で、勝てば上がり、負ければ下がる。レート帯の近い相手と自動でマッチングされるため、いきなり実力差のある相手に当たって心が折れる、ということが起きにくいよう調整しています。

他のタイピングアプリのように「自分のスコア」を測るだけでなく、「他の人と比べて自分が今どのくらいの実力帯にいるのか」が数字で見える──いわばタイピングの偏差値がわかるのが、対戦ならではの面白さです。

ランキング戦には2か月ごとのシーズン制も取り入れ、上位入賞者には「天下無双」「剣聖」などのシーズン称号が永続的に残るようにしました。

もう一つ、私が大切にしたのが、知っている相手と気軽に戦える「フレンド対戦」です。

6文字の合言葉(ルームコード)を相手に伝えるだけで、1対1の勝負がすぐに始まります。フレンド対戦はレートが変動しないので、「今のは事故」「もう1回」と、何度でもリベンジマッチを組めます。クラスメイトとの勝負や、休み時間・家庭でのちょっとした遊びとして使いやすい機能です。ログインは不要で、PC・タブレットのブラウザを開けば30秒ほどでマッチング画面に立てます。

設計で特にこだわったのは、正確性の扱いです。タイピング練習では速さばかりに目が向きがちですが、ミスを減らすことも同じくらい重要です。「タイピング無双」では入力速度だけでなく正確率も結果に反映され、「雑に速く打つ」よりも「正確に速く打つ」ほうが強さにつながるようにしています。

実際、公開後にもっとも多く遊ばれた練習モードは、速度を競うものではなく「正確性試練」でした。「ちゃんと打てるようになりたい」という思いを持った人が、想像以上に多かったのです。

「小中学生のうちに、楽しく」という目的

私がこのサイトを作った理由は、自分自身の体験にあります。中高生のころ、私は「寿司打」や「タイピンガーZ」といったタイピングゲームでひたすら遊んでいました。当時は練習しているつもりはまったくなく、ただ面白いから休み時間や放課後に開いていただけです。それでも気づけばタイピングが速くなっていて、いま大学生になっても、入力速度に困ったことは一度もありません。

PHOTO by PIXTA

その意味を痛感したのは、大学に入ってからでした。私が通うのは情報学部ですが、それでもタッチタイピングができない人や、入力が遅くて授業や課題に追いつくのがやっとという人を何人も見かけます。大学ではパソコンは一人一台が当たり前で、レポートも授業のメモもキーボード入力が中心です。タイピングが遅いと、その負担が毎日積み重なっていきます。そして、大人になってから速度を上げるのは、日々の忙しさの中ではなかなか難しいものです。

だからこそ、タイピングは小中学生のうちから少しずつ身につけておくのが、いちばん無理がないと考えています。「練習しなければ」と気合いで始めるのではなく、私自身がたどってきた「ゲームとして遊んでいるうちに、自然と上達していた」という道を、もう一度多くの子どもたちに歩いてほしい。それが「タイピング無双」を作り、運営している本当の目的です。タイピングは、文章を書く、調べ学習をする、プログラミングをするといった、あらゆるICT活用の土台になる力だと考えています。

今後は、学校で使ってもらえる形を本気で目指す

これからもっとも力を入れていきたいのが、学校への展開です。学校で使えるようになると、タイピング練習はさらに面白くなると本気で思っています。理由はシンプルで、クラスの中で対戦できるようになるからです。

PHOTO by PIXTA

私の大学にも、タイピング練習の時間があります。ただ、一人で黙々と「過去の自分のスコア」と向き合う練習は、どうしても飽きてしまいがちです。「タイピング無双」なら、隣の席の友達と画面越しに直接勝負でき、自分のミスが相手のチャンスになります。「あの子には負けたくない」という気持ちが、練習を続ける強いエンジンになります。過去の自分との闘いだけでなく、目の前の誰かとの闘いがあるからこそ、続けたくなる。これは、私自身が友達と速さを競い合っていたときに感じていたことそのものです。

一方で、学校に導入していただくには、個人で遊べるだけでは足りないとも感じています。先生がクラスの進捗を把握できたり、課題を出せたり、安全に運用できたりする──そうした学校向けの仕組みを、これからきちんと組み込んでいく必要があります。まだ構想段階ではありますが、児童生徒が楽しみながらタイピングに触れられ、先生方にとっても導入しやすい形を、本気で作っていきたいと考えています。

公開からまだ日が浅く、改善すべき点も数多くあります。それでも、子どもたちが「タイピング無双で勝負しようぜ」と言い合いながら、自然とタイピングが上達していく。そんな景色を、学校や家庭に広げていけたら、これ以上うれしいことはありません。ICT教育に関わる先生方で、少しでも関心を持ってくださる方がいらっしゃれば、ぜひ一度ご連絡をいただけると幸いです。

〖サービス概要〗
• サービス名:タイピング無双
• 公開日:2026年4月12日
• 種類:対戦型タイピング練習Webサービス(無料・会員登録不要)
• 対象:小学生・中学生を中心に、タイピングを練習したいすべての人
• 主な機能:ホームポジション道場、オンライン対戦、フレンド対戦、ランキング、キャラクター、武器庫

問い合わせ:musou@schoolbase.jp

関連URL

「タイピング無双」

公式サイト

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