2026年7月14日
ミスを見逃さない ー 全く新しいタイピング学習を学校へ届ける。「カケルタイピング」
【寄稿】 植松亮大郎 Melloworks(個人開発)
日本語タイピング学習サイト「カケル(KAKERU)」を個人で開発・運営している植松亮大郎と申します。
私は現在のタイピング練習サイトの常識的な形に疑問を持ち、この「カケルタイピング」というタイピング教育サイトを作成いたしました。
カケルには、多くのタイピング練習にはない、ひとつのはっきりした特徴があります。
それは、「打ち間違えたときに、勝手に先へ進まないこと」です。誤ったキーを押すと、Backspaceで戻して打ち直さないかぎり、次には進めません。
タイピング練習というと、1分間に何文字打てるかという速さに目が向きがちです。けれども、子どもが最初に身につけるべきは速さではなく、正しい指使いと、間違えずに打つ正確さだと考えています。
あてずっぽうにキーを叩いて次に進んでしまうと、「正しく打てた」という感覚が育たないまま、間違った指の動きだけが染みついてしまいます。カケルがあえて「戻して打ち直す」という一手間を求めるのは、ミスをそのまま通過させず、正確に打つ習慣を身につけてほしいからです。
そして、この「ミスを放置しない」という設計は、学校で使っていただくときにこそ活きてくると考えています。1人1台端末が当たり前になったいま、子どもたちがキーボードで文字を打つ場面は教科を問わず増えています。この記事では、そうした教室や家庭での「日本語入力」の練習に、カケルをどう取り入れていただけるかをご紹介します。
学校で使っていただきやすいように意識したこと
まず大前提として、カケルはブラウザで動く完全無料のサービスです。アプリのインストールも、名簿の事前登録も、管理者による申請も必要ありません。URLを開けば、その場でゲストのまま練習を始められます。記録を残したい場合だけGoogleアカウントで同期できる仕組みにしていて、「まず1人が試しに開いてみる」ところから「学級全体で使う」ところまで、同じ画面のままスムーズに移行できます。
もうひとつ意識したのは、画面づくりを静かに保つことです。派手な演出や気を引くような仕掛けは避け、練習そのものに集中できる見た目にしています。
冒頭でお伝えした「打ち間違えたら戻して打ち直す」設計は、教室ならではの利点にもつながります。1クラス30人以上が同時に画面に向かうなかで、先生が一人ひとりの指の動きを常に見て回るのは難しいものです。
カケルでは、間違えた入力そのものが先に進まない設計になっているため、先生が付きっきりで直さなくても、子ども自身が「戻って打ち直す」経験を積み重ねられます。速さで順位づけをして子どもを追い詰めるのではなく、それぞれのペースで正確さを積み上げていける点を、学校で使っていただく際の安心材料にしていただければと思います。
なお、日本語入力でありながらIMEを使わず、キー入力を直接判定する独自のローマ字入力エンジンを組み込んでいるため、「し」を `shi` でも `si` でも打てるなど複数のローマ字表記に対応し、「っ」(促音)や「ん」(撥音)といったつまずきやすい部分も自然な入力で通るようにしています。
授業・学校生活での具体的な使い方
カケルには複数の練習モードがあり、場面に応じて使い分けていただけます。
– 授業の導入:「今日のタイピング」というモードを用意しております。これは日替わり5文・1日1回という分量なので、始業前の数分間や、端末を開く授業のはじめのウォーミングアップにちょうど収まります。毎日同じリズムで取り組むことで、入力への抵抗感が少しずつ薄れていきます。
– 情報の授業のキーボード入力導入教材として:ホームポジション練習で指の置き方を確認し、左手・右手ドリルでどちらの指が苦手かを洗い出す、という流れで、キーボード入力そのものを初めて扱う単元の導入に使っていただけます。
– 一人ひとりの苦手克服に:左手・右手ドリルは特定の指だけを取り出して練習できるので、子どもによって異なるつまずきに個別に対応できます。エンドレスモードは体力制で反復練習ができ、練習後には正打鍵数を1分あたりに換算した記録と正確率が表示されるため、自分の伸びを数字で確認できます。
– クラスみんなで取り組む場面に:「みんなでタイピング」は最大6人で同じ課題に取り組めるリアルタイム練習です。みんなで同じ文章を練習します。楽しくモチベーションを保ちながらタイピングを続けることができるように工夫をしております。
家庭学習との連携
ブラウザだけで動き、インストールや登録が不要なので、家庭の端末でもすぐに始められます。Googleアカウントで記録を同期すれば、学校で取り組んだ続きを家庭でも、家庭で取り組んだ続きを学校でも、地続きの状態で練習できます。宿題として一律に課すというよりも、「もっと練習したい子が家でも続けられる」場として案内していただくのに向いています。
開発者として大切にしていること
私がカケルを作るうえで一番こだわったのは、「勝ち負け」ではなく「上達」を実感できる場所にすることでした。だからこそ、速さを競わせる仕組みよりも、正しく打てたという手応えと、毎日少しずつ続けられる仕掛けを優先しています。学校という、一度に多くの子どもが同じ画面に向かう場だからこそ、この静かな練習の場が役立つのではないかと考えています。
タイピングは地味な基礎練習ですが、この土台がしっかりすると、その先の学びの世界が広がっていきます。朝の数分間や授業の合間に、ぜひ一度お試しいただければと思います。学校でお使いいただく際のご相談やご要望がありましたら、下記の連絡先までお気軽にお寄せください。
問い合わせ先:kakeru.typing@gmail.com
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