2025年7月8日
東京藝術大学、修士課程「総合芸術としてのゲーム専攻」を来春新設
東京藝術大学は7日、大学院映像研究科修士課程の新たな専攻として、2026年4月に「ゲーム・インタラクティブアート専攻」を開設すると発表した。

同専攻は、先端技術や情報通信環境が高度化したデジタル社会の新しい芸術領域として、ゲーム分野に係る教育研究を開拓するもので、ゲームコースでの実績を発展させ、芸術分野のアプローチからゲームの多様性や可能性を拡大させるべく教育研究を展開していく。
カリキュラムは、ゲームおよびインタラクティブアートにおける表現を実践的に探究することを重視し、制作を通じた研究の深化を目指す。日常的な制作指導は少人数のゼミ形式で行い、分野を横断した協力関係を築く力を養う。また、定期的な講評会やプレイテストを行い、専攻全体から多角的なフィードバックを得る機会を設けるほか、成果を広く社会に発信するため、年2回の展示公開も実施。
ゲームを総合的・多角的に捉えるため、5つの研究領域(企画・ゲームデザイン領域/ゲームテクノロジー領域/映像表現領域/社会応用領域/文化・美学領域)を設定。1年前期はまず各研究領域のアプローチを知るための特別演習授業が組まれており、その後、学生はいずれかの研究領域に所属するが、講評会やプレイテストを通じて他領域の教員からも指導を受けることができる。
また、VRやイマーシブ環境などの表現技術や、空間AIやセンサー技術などの開発基盤技術、ゲームが辿ってきた文化的歴史や背景に関する授業を通じて、創作活動の基盤となる技術や知識を習得。
さらに、研究内容や専門分野に応じて、ゲームやインタラクティブアートを構成する各要素に関する技術・知識を追求するための選択科目群も用意。ゲームエンジン、インタラクティブミュージック、現代ゲーム文化に係る授業を新たに開設するほか、映像表現や演出、シナリオ構成などに係る理論や手法を学ぶ映像研究科共通科目も履修できる。
入学に際しては、ゲームやインタラクティブアートをはじめアニメーションや映画などの映像諸分野や、視覚芸術、デザイン、身体表現などの美術諸分野、演奏、作曲など音楽諸分野で創造的な活動を行ってきた経歴に限らず、情報・工学分野でのソフトウェア開発や研究活動の実績なども評価の対象にする。
同専攻が受け入れる者には、芸術系学部の出身者だけでなく、理工系学部や高専などのバックグラウンドを有する者も含まれ、いずれの場合も、これまでの創造的な活動の成果に加えて、修士課程での研究構想を総合的に評価して入学者の選抜を行う。
2026年度入学生の入学試験は2026年1~2月に実施する予定で、受験資格・出願方法・入試方法などの詳細は8月上旬に公開予定の募集要項で公表。
また、同専攻を深く知ってもらうため、7月24日に専攻開設発表会「藝大がゲーム専攻を作る理由」を開催するほか、8月30日には「入試説明会」も実施する。
「ゲーム・インタラクティブアート専攻」概要
英語名称:「Department of Games and Interactive Arts」
開設:2026年4月
入学定員:20人(収容定員:40人)
専任教員数:7人(教授4人、准教授1人、助教2人)
キャンパス:東京藝術大学上野キャンパス[東京都台東区上野公園12-8]
取得できる学位:修士(映像)
養成する人材像:
・ゲーム分野で、主体的な創作・研究活動を行える人材
・デジタル技術を駆使して、新しい表現の開拓や社会的問題解決に取り組むイノベーティブな人材
・他分野に関する専門性と、ゲームやインタラクティブメディアに関する専門性を併せ持ち、ユニークなコンテンツを生み出す人材
・グローバルな視野で創作・研究を捉えられる人材
専攻開設発表会「藝大がゲーム専攻を作る理由」
開催日時:7月24日(木)17:00~18:30
開催場所:渋谷404 Not Found – 404 PARK[東京都渋谷区桜丘町1-4 Shibuya Sakura Stage SHIBUYA SIDE 4F]
対象:ゲーム関係企業・教育機関など
参加費:無料(要事前予約)
申込期間:7月7日(月)~7月17日(木)
【入試説明会】
開催日時:8月30日(土)13:00~14:30
開催会場:東京藝術大学上野キャンパス美術学部中央棟 第1講義室[東京都台東区上野公園12-8]
対象:ゲーム・インタラクティブアート専攻入学希望者
参加費:無料
参加申込:8月4日受付開始予定(予約方法は追って藝大HPで案内)
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