2026年2月20日
中央大学、細胞診に即利用できるスタンドアローンAI診断支援システムを世界初開発
中央大学は17日、同大学理工学部 鈴木寿教授 、同大学院理工学研究科博士前期課程 学生 河村拓実氏、日本医科大学解析人体病理学 寺崎美佳准教授を中心とする研究グループが、子宮体がん検出を想定した子宮内膜細胞診へ適用可能な範疇において世界初となる、熟練病理医による診断思考の一部を実装した説明可能AI診断支援システムのプロトタイプの開発を発表した。
同システムは、細胞集塊の写っている画像が入力されると、(1)細胞集塊の辺縁形状を焦点合わせの良否にかかわらず鮮明化しつつ抽出し、(2)熟練病理医による細胞集塊辺縁形状への診断思考が簡明に数式化された形状特徴量を算出し、(3)形状特徴量に応じて細胞集塊が悪性判定のとき赤、良性判定のとき緑、保留判定のときは黄へと透過着色した画像を出力する。
同システムは、深層学習などの機械学習には必須の高負荷な撮像作業や事前学習を必要とせず、任意メーカーの細胞診用顕微鏡に、オプションのカメラ、通常仕様のPC、ゲーム用の高リフレッシュレートなモニターを追加したスタンドアローンの形態にて運用でき、処理速度は毎秒約30フレームに達する。原理上、サイバー攻撃は成立しない。
検出性能については、過半数の熟練病理医が良性と判定した画像に対し本システムも良性と判定する「特異度」(真陰性率)は約8割に及ぶ一方、過半数の熟練病理医が非良性と判定した画像に対し同システムも非良性と判定する「感度」(真陽性率)は約7割、すなわち「見逃し率」(偽陰性率)は約3割。これは、病理医が視点移動走査する際に一瞬静止して注視する頻度を勘案すると、標本スライド当りの見逃し率が文字どおり「万に一つ」に抑えられることを意味する。
同研究は、日本医科大学と中央大学の共同研究契約「人工知能(AI)を用いた婦人科悪性腫瘍の画像解析モデル作成と分子病理学的解析及び臨床データの統合研究」に基づいて実施したものであり、2025年12月に両法人は中核部分を保護するための特許を共同出願したという。
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