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2025年11月20日

ユーバーの「Scratchで小・中学校のプログラミング」Vol.33 <スクラッチでハト時計>

ユーバープログラミングスクールの中村里香代表による、小学校のプログラミング授業で使ってほしいプログラミング言語Scratch(スクラッチ)の学習動画第33回。

今回は<中級者>向け、Scratchでハト時計のプログラムを作成します。

ハト時計の機能を作る

今回は、前回のアナログ時計のプログラムをハト時計に改造します。毎時0分に、キャラクターを表示し音を鳴らすなどといった時刻を知らせるための演出を加えます。

アナログ時計の仕組み(振り返り)

スクラッチの「現在の(秒/分/時)」ブロックを活用して、秒針・分針・時針の表示する角度を変えることでアナログ時計を作りました。

秒針
60秒で1周(360度)するので、1秒の角度は「360度÷60秒 = 6度」です。
次の処理をずっと繰り返すことで秒針の動きを実現します。
・変数「秒の角度」に「げんざいの(びょう)」×6の計算結果を代入
・(秒の角度)どにむける


分針
60分で1周(360度)するので、1分の角度は「360度÷60分 = 6度」です。
次の処理をずっと繰り返すことで分針の動きを実現します。
・変数「分の角度」に「げんざいの(ふん)」×6の計算結果を代入
・(分の角度)どにむける


時針
「げんざいの(じ)」は24時間制なので『「げんざいの(じ)」を12で割ったあまり』を使って12時間制に変換した結果を変数「時_12時間」に代入します。

1時間に1回だけ一気に回転するのではなく、1分ごとに少しずつ向きを変えるために次のように角度を計算します。

12時間で1周(360度)するので、1時間の角度は「360度÷12時間 = 30度」です。
1時間(60分)で30度回転するので、1分の角度は「30度」÷60分 = 0.5度」です。

次の処理をずっと繰り返すことで時針の動きを実現します。

・変数「時_12時間」に 『「げんざいの(じ)」を12で割ったあまり』を代入する
・変数「時の角度」×30+「げんざいの(ふん)」×0.5の計算結果を代入
・(時の角度)どにむける


時刻を知らせる「うさぎ」を作る

ハト時計で時刻を知らせるキャラクターとして「うさぎ」のスプライトを追加します。
はじめにスプライトの位置(x:0、Y:0)を指定し隠しておきます。

毎時0分に演出を実行するために次の処理をずっと繰り返します。

・「げんざいの(ふん)=0」まで待つ
・表示する
・時刻(変数「12時間制_時」)を台詞で言う
・変数「12時間制_時」の回数、終わるまで音を鳴らす
・隠す
・「げんざいの(ふん)>0」まで待つ

*「げんざいの(ふん)>0」まで待つ は、1分になるまで処理を停止することで、同じ時刻に複数回ハト時計の処理を繰り返さないようにする対策です。


ハト時計の機能が追加され、アナログ時計の魅力が増しました。次回からは、デジタル時計の制作に挑戦します。

授業での活用

Scratchはゲームづくりだけでなく、子どもたちのアイデアの表現、発表、調べ学習など、さまざまな教育活動で活用できるツールです。

今回の「ハト時計づくり」は、繰り返しの処理の中で正時という条件に合った瞬間に自分の意図した通りの演出を実現する、プログラミングの楽しさが詰まっています。

制作を通して、子どもたちが楽しみながら学び、創造性を発揮して自分のアイデアを形にする喜びを体験してもらえたらと思います。

スクラッチの使い方

<筆者プロフィール>
ユーバー株式会社 代表 中村里香
2017年4月、すべての子どもが楽しく学べるプログラミング教育を目指し、ユーバー株式会社を設立。プログラミング教室運営、クラウド型学習サービス「うさプロオンライン」の提供、教材開発、講師育成支援、体験イベントの開催などを行う。環境に左右されない学びの機会を届けるため、教育現場や企業と連携し活動中。

ご質問・お問い合わせ info@yuber.jp 中村宛(ご質問は該当記事のURLを添えてください)

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