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2024年10月18日

【連載企画】 ICT教材「すらら」の「情報Ⅰ」来春リリース! 監修者 情報教育の専門家 若杉祥太先生に聞く(2) 「情報Ⅰ」のココが知りたい!

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2022年度から高等学校の必修科目になり、2024年度からの大学共通テストに加わる「情報Ⅰ」。現代の情報化社会に必要な学びとなる「情報Ⅰ」も、「すらら」の新コンテンツとしてすららネットから2025年4月にリリースされます。
そんな今注目の「情報Ⅰ」について、その展望やポイントをすららの「情報Ⅰ」を監修する若杉祥太先生にお伺いし、3回の連載でお届けします。第2回は情報教育の指導やメリットについてのお話です。

1986年生まれ大阪出身。大阪教育大学・同大学大学院で情報教育学や教科教育学(情報)の教育研究に従事するとともに、同大学附属高等学校で情報科の実践教育を担う。日本教育情報学会副会長、日本情報科教育学会評議員

他の教科とは全く違う 変化する内容と個別対応

文部科学省が毎年実施している「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」では、「教員のICT活用状況」についても報告されています。

その変化と傾向をまとめると、学校内のICT環境の整備は2020年のGIGAスクール構想の推進とコロナ禍の影響で、1人1台端末の整備が急速に進行。学校の無線LANの整備率が大幅に向上し、最新の「令和5年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査」では、ほぼ全ての公立学校で児童生徒1人1台端末が整備され、インターネット接続率はほぼ100%に達しています。

また同調査からは、当初一部の先進的な学校に限られていたICT活用授業が、教員のICT活用指導力を向上させる研修などにより、ほとんどの教員がICTを活用した授業が実施可能になったことも読み取れます。

このように、近年の教育現場は大きな変革期を迎えています。若杉先生は「まず、デジタル化の進展により、生徒たちは多様な情報源にアクセスでき、主体的に学ぶ力が求められるようになりました。そのため、単に知識を教授するだけでなく、生徒が情報を正しく選択・評価・解釈し、情報を効果的に活用しながら、問題の発見・解決に向けて自分の考えをまとめる力を育む指導や支援を行う教員が重要になっています」と述べ、オンライン学習やデジタル教材の導入で、生徒一人ひとりのニーズに合わせて個別最適化された学習指導と教員の柔軟な対応を求めています。

そして、「教員自身も新しいスキルや知識を習得する必要があります。情報技術の進化は非常に速く、すべてを追い続けることは難しいかもしれませんが、継続的な学習と自己研鑽に励むことにより、新たな情報技術の活用、教職協働と情報共有がこれからの指導支援の鍵になると思います」と教員の学びも強調しました。

大学共通テストで 「情報」の重要性を再認識

情報教育では学習状況をデータ分析し、改善を図るため「Excel」を活用することを教員におすすめしたいと書いた若杉先生の新刊。教育データの分析に不慣れな教員でも簡単に理解でき、実践に活かせる内容です。2024年11月25日発売。

環境整備と同時に進められてきた、児童生徒への情報教育ですが、その理解度を計るチェックポイントともいえる大学共通テスト「情報Ⅰ」が2024年度から大学の受験科目としてスタート。この共通テストの実施で、さらに大きな変化が生じていると若杉先生は示唆します。「カリキュラムの構築や授業計画に、もっと戦略的なアプローチが求められるようになったことです。教員は、生徒が大学入試で必要とされる知識と技能を確実に習得できるようにするため、指導内容の見直しや教材の選定に一層の注意を払うようになりました」。

「情報Ⅰ」はプログラミング、授業の質、限られた時間など、大学共通テストに向けた十分な指導に不安を感じている教員が多いともいわれますが、若杉先生は教育現場にとっての大きな挑戦であり、情報化社会に対応した教育の重要性を再認識するきっかけになると考えています。「情報Ⅰ」は受験科目という側面が強調されがちですが、将来に活きる自分のための学びであることを教員が生徒に示すことで、教育全体の意識が本質的な価値のある学びに向かうということなのでしょう。

情報教育で広がる 生徒の将来と可能性

若杉先生は、「情報教育を通じて得られるスキルや知識は、将来のあらゆる職業や生活の場面で大いに役立ちます。義務教育から段階的にこれらの力を養うことで、社会の変化に柔軟に対応し、自らの可能性を広げることができるのです」と、将来にわたって生徒にもたらされる情報教育のメリットを以下のように示しています。

第一に、問題解決能力と論理的思考力の向上です。プログラミングやデータ分析を通じ、物事を論理的に考え課題を解決する力が養われます。これは、IT関連だけでなく、あらゆる分野で求められる基盤となる能力です。

第二に、デジタルリテラシーの習得です。現代社会では、情報が生活のあらゆる場面で活用されています。デジタルリテラシーを身につけることで、情報の取捨選択や適切な判断が可能となり、日常生活での生産性や効率性を向上させます。

第三に、創造性とイノベーションの促進です。新しい価値を創造するための強力なツールとして、情報境域で得た知識は起業や新しいビジネスモデルの構築などに役立ちます。

第四に、グローバル競争に強くなります。プログラミング言語やデータサイエンスの知識は国や言葉を問わず利用価値が高いものです。海外の人々と協働する国際的なプロジェクトへの参加など国際社会で活躍する機会に恵まれる可能性も高まります。

第五に、情報モラルとセキュリティ意識の向上です。インターネットやSNSが普及する中で、情報の適切な取り扱いやプライバシー保護の重要性が増しています。デジタル社会を生きる世代にとって、倫理観や安全意識を身につける情報教育はとても重要です。

そして、これらメリットの他に、情報教育の特徴として職業選択の幅を広げる点を若杉先生は挙げられました。IT業界はもちろんのこと、医療、教育、農業、エンターテインメントなど、あらゆる産業で多様な将来への可能性が広がり、自分の興味や才能を活かしたキャリアを築くことができるようになるのです。

「筋肉と教育は裏切らない」と、教員という仕事にやりがいと楽しさを感じている若杉先生。授業も生徒の集中力を持続させる楽しい仕掛けが随所に隠されているそう。

新教科「情報」を担う 教員を支援するものとは?

「情報」という教科は、教える内容がITやAIの進化で日々変化していきます。他の数学や国語、英語のように教科書の内容が頻繁に変わらず、またページ順に理解を深めていくような教科ではありません。

情報を教える教員は、新しい指導要領の理解と授業への反映、プログラミングの基礎からPythonやJavaScriptなどのプログラミング言語の知識、授業の質を向上させるためのICT活用、データの活用や分析の理解、デジタルリテラシーの促進など対応することが多くあり、「面倒で時間がかかることが多いのは確かなのですが…」と、前置きしながらも若杉先生は「僕は『情報』が必修科目になったことを素直に喜びました。『国語』、『社会』、『数学』、『理科』、『英語』…と同じように、『情報』を全ての生徒が履修するのです。どの教科も大事であることは言うまでもありませんが、僕の専門教科が世の中に必要と認められたようで嬉しかったです」とその時の気持ちと、現場で同じように感じている「情報」の教員も多いことを教えてくれました。

その喜びの根底にあるのは、教育への熱意で、「教育の本質は『人を育てる』ことであり、その使命は時代が変わっても不変です。教育の手法や環境は常に変化していますが、教員は柔軟に対応し、生徒の成長を最優先に考える姿勢が望まれます。未来に向けた大きな力を、生徒たちは手に入れることができます。これは生徒個人の成長だけでなく、社会全体の発展にも繋がると信じています」と若杉先生はどこまでもポジティブに教育全体を捉えています。

そして、そのミッションを実現させるために必要なのが、生徒の理解度や進捗状況をより細かく把握し、一人ひとりに合わせた個別指導を実現させるためのAI教材や学習管理システムといったデジタルツールの活用なのです。若杉先生は、効率的かつ効果的な指導を実現するデジタルツールを使った取り組みで、教える教員の不安解消も、受験対策も可能であると現状を分析しています。

生徒の学びへの興味を、教員が最大限に引き出せるよう便利なツールを使って授業をサポートするべきという若杉先生の頼もしいお話には、まだまだたくさんの情報教育を向上させるヒントがあるようです。

忙しい教員にとって適切な学習支援ツールの使用は速攻で効果に直結「情報と筋肉は裏切らない」という若杉先生。

第3回は、そんな「情報Ⅰ」の教育実践に有効なツールについてです。

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