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2013年10月31日

図書館総合展/「武雄市図書館の検証」で熱い議論

30日、パシフィコ横浜で開催している図書館総合展の最も注目されたフォーラム「“武雄市図書館”を検証する」で、白熱した議論が展開された。

公共図書館のあり方で白熱したフォーラム

はじめに武雄市の樋渡啓祐市長が「開館から半年経ち、多くの来館者があり評価も高く、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)という指定管理者を使って非常に良かった」と評価したのに対し、論戦を仕掛けたのは慶応大学文学部の糸賀雅児教授。

多くの来館者を集め「本のある公共空間」を生み出したと評価しながらも、「来館者数が3.2倍になったのに比べ、図書館の利用は1.6倍と半分にとどまっている。これは、客は沢山集まっているが図書館としては成功していると言えるのかどうか」また利用内容では「図書館資料の利用者は2割程度で、持ち込み資料やパソコンを使っていたり、書店の本を使ったり、コーヒーを飲んだり、居眠りしたりしている人がいたり、そうした空間を図書館と呼んでいいのか。図書館と言うよりはブックカフェではないか」と疑問を投げかけた。

反論する樋渡市長

これに対し樋渡市長は「図書館法の理念に沿って設置・運営しており、図書館スペースは以前より拡張しているのだから「図書館」と呼ぶことに何の問題もない。公共図書館も多様性の時代。だから、武雄ではこれまでの図書館と比較してどうかではなく、来館者が期待する図書館とは何かを基準にすすめている」と反論した。スペースの利活用などについての糸賀教授の指摘に対しては、改善の余地があると認めた。

図書館の運営を任されたカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の高橋聡プロジェクトリーダーは、「他の図書館と比べてどうかというのは意味が無い。武雄市民にとってどうか、だけを考えている。あるべき図書館像はどうかではなく、市民価値にとって大事な図書館とはなにかを考えている。アンケートでは武雄市民は満足してくれているので、武雄にとっては良い図書館だ」と、計画段階からの「ぶれない考え方」を強調した。

立ち見も出た満席の会場

会場は立ち見が出るほどの満席状態で、注目の高さを伺わせた。コーディネーターは、立命館大学文学部の湯浅俊彦教授が勤めた。

図書館総合展は、全国の図書館員・行政関係者、図書館設備業界など2万5000人以上の来場者を集める図書館に関する日本最大の展示会で、システムや設備の展示ブースと約90のフォーラム等で構成する。

展示ブース

今年は、「都市計画と公共図書館を結びつけようというトレンド」や、「電子書籍の新展開としての図書館向け事業」など従来の図書館イメージを変えるトレンドが注目されている。

31日まで、パシフィコ横浜の展示ホールDとアネックスホールなどで開催している。

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