2014年1月15日
文教大学附属教育研究所/OSに依存しない教材アプリ開発の可能性を実践検証
文教大学附属教育研究所は11日、教育関係者を対象に、第81回「定例研究会」を文教大学越谷キャンパスで開催した。
ICT教育の分野では、光塩女子学院初等科理科主任の長田朋之教諭が、「iPadを用いた授業づくり-アプリ作成を中心として-」をテーマに、アプリ開発とその実践検証について発表を行った。
教育現場では、授業内容に沿った独自教材を作成しプリントを児童らに配布するといった活用が一般的だ。今後デジタル化が進む中で、同じように教員がデジタル教材を作成する可能性もでてくるが、そうした場合にデジタル端末やOSの種類などがネックになる、と長田教諭は語る。
いったんデジタル端末(とOS)を導入してしまうと、数年後の更新時、それまでのアプリを継続的に使用するために同じ端末を購入する以外選択肢がないことになる。転勤の際には勤務先でのシステム環境の違いにより、教員がこれまで活用してきたアプリが使えなくなるなど、柔軟な利用が妨げられることもある。こうしたことに疑問を感じたところから、長田教諭の取り組みはスタートした。
開発したのは、「アプリ配信用プログラム」と「写真・ビデオ配信」「資料配信」のアプリ。HTMLとJavaScriptを使用したもので、特徴的なのはWebブラウザを使うアプリとした点だ。個々のデジタル端末にアプリをインストールするのではなく、サーバ上にアプリを置いてWebページとして呼び出して操作する仕組みとしたことで、特定のOSに依存せずアプリを使うことができる。
開発した教材アプリの使い勝手を検証するため、長田教諭は勤務校である光塩女子学院初等科での授業で実践活用を行った。
小学6年生の理科の授業ではiPod touch12台を各班に1台配布、「燃焼」実験で観察した映像を撮影させ、大型ディスプレイに表示して全員で映像を共有した。その他の実践活用も行い、円滑な授業運営を行うことができたという。
取り組みのまとめとして、「特定のOSに限定されないタブレット端末用アプリの開発が可能なことを実証できた」と長田教諭は述べた。
文教大学附属教育研究所は、同学教育学部 今田晃一教授が所長を務める、教育に関わる幅広い研究の推進などを果たす目的で設立された研究会。3月1日には、第82回「定例研究会」を開催する予定。
問い合わせ先
文教大学附属教育研究所
電 話:電話048-974-8811(内線2620)
最新ニュース
- 金銭感覚を持ってほしいと思いながらも教える自信がない親は4割超=みずほポシェット調べ=(2025年4月22日)
- AI教材「すららドリル」、埼玉・ふじみ野市で中学校に続き小学校でも導入(2025年4月22日)
- COMPASS、学習eポータル+AI型教材「キュビナ」が東京都足立区で採用学年を拡大(2025年4月22日)
- 内田洋行、日本の高専初の AI 学習施設を石川高専に導入 「AI Career Tech Center」を構築(2025年4月22日)
- 跡見学園女子大学、「デジタル人材育成に係る協定」を静岡英和学院大学と締結(2025年4月22日)
- ELSA Japan、鳥取県の青翔開智中学・高でAI英語学習アプリを中学校全学年に導入(2025年4月22日)
- パナソニック コネクト、大阪大学附属図書館全4館に顔認証を導入(2025年4月22日)
- KPMGコンサルティング、東京・兵庫の小中高6校で「サイバーセキュリティの特別授業」を実施(2025年4月22日)
- 不登校オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」、2度目の卒業式を対面とオンラインで開催(2025年4月22日)
- 神奈川工科大学、画像情報処理システム研究室が読話トレーニングアプリ「読話クラブ」公開(2025年4月22日)