2017年5月30日
JAPET&CEC、プログラミング教育やICT活用を考えるセミナー
日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)は26日、「自治体の実践事例に学ぶ、ICT活用!-基礎学力向上、プログラミング、協働学習-」と題したセミナーを開催した。
教育ICT機器やデジタル教材の導入計画の立案、導入済みの機器の有効活用に向け、教育委員会・学校関係者をはじめ多くの来場者の姿があった。会場内にはデジタル機器や教材の展示のほか、模擬授業も実施された。
基調講演には、文部科学省生涯学習政策局 情報教育課 情報教育振興室の安彦広斉室長が登壇。これからの教育を考える上で重要な社会の変化として、IoT・AIの進化や市場規模の拡大をあげ、こうした第4次産業の時代を子どもたちは生きていかなければならないが、今の子どもたちは知識があっても使えていない傾向が日本の教育で気がかりな点として分析していると論じ、大学が求める人材と初等中等教育とのミスマッチが課題と言及。知識・情報を活用する能力、適切に扱うリテラシーも必要だとした。
小学校段階でのプログラミング教育は、手順を考えたり、間違えを取り除いたりして正しいゴールを目指す論理的思考を育むのに効果的。山を登ることでも身につくだろうが、端的に学べるのがプログラミングで、物事の仕組みやその中身を知って使いこなせる人間になっていけるように学ぶこと、そうした資質・能力を育成するのがプログラミング教育と解説。教員はそんなに心配しなくても大丈夫と加えた。
続いて「公教育におけるプログラミング教育」と題し、広島工業大学 情報学部 竹野英敏教授と新宿区立落合第六小学校 竹村郷校長が講演。
竹野教授は、「Think Pair Share」をキーワードに、他者の役に立ち感謝されること、また、考えたことを説明・発表する「根拠を示して話す力を付ける授業」など、お互いを育て合うのが学校であり、そこに課題解決やプログラム教育を持ち込むことの意義を解説した。プログラミング先進国のイングランドではプログラミグ教育は「生活していく上で必要不可欠」としており、日本にもその考えが必要だと語った。
竹村校長は、同校で実践している農業学習を例に、同様にプログラミングも体験を通して見えてくるものがあるとし、ソフトインストール型のデジタル教材の使用を紹介。学校でソフトが開発できなくても、ネット常時接続が難しくても、既存の教材で有効活用できることを解説した。
別室で行われた模擬授業にも参加してみた。ここでは、学校向けプログラミング教材を実際に体験。キャラクターが宝箱を見つけるためのアルゴリズム(方法や手順)を考えようという学習だった。
同教材は、低~高学年まで段階的に学べるパッケージ教材ソフト(CD-ROM)。スキルに依存せず、経験のない教員でも指導ができ、PC教室など現有のICT環境をフル活用できるという。
最後に、東京都教育委員会が事業推進している「デジタル版東京ベーシック・ドリル」について、立川市立第一小学校、武蔵村山市立村山学園、中央区立阪本小学校の各校の実践事例が紹介された。「デジタル版東京ベーシック・ドリル」は東京都が開発したデジタルドリル教材で、従来の自治体ドリルをデジタル化した新たなタブレット活用モデルだという。
ファシリテーターに、放送大学 オンライン教育センター 中川一史教授が登壇。総括では、ICT活用のメリットを、超原型(試行錯誤がしやすい)、超空間(共有・双方向が可能)、超時間(リアルタイムに使える、保存ができ履歴もとれる)と表現した上で、同ドリルのメリットや評価、期待などを論じた。こうしてICT活用の事例がさまざまに出ているなか、自身の学校や自治体ではどのように展開ができるか考える機会にしてもらいたいと締めくくった。
現場の教員の実践内容やそこから得られた見解などは、導入するICT機器やデジタル教材の検討材料に役立つだろう。提供する企業もまた、次期学習指導要領の方向性に沿って、現場の意見や要望をよりしっかりと受けとめた提案がますます求められていくだろう。
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