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2021年5月19日

ICTで学びを保障する“合理的配慮”シリーズ第10回 通常の学級の子どもの“つまずき”

「通常の学級に在籍する子どもたちの生活面や授業での“つまずき”の特徴と気づく大切さ」

最初にみなさんにお伝えしたいことは、子どもたちの発達には差があって当たり前、ばらつきがあって当たり前、ということです。学年で分けられている学校の中では、同じ学年ならば同じようにできるはずと思い込んでしまいがちです。そのことを念頭に置いて読んでいただければ幸いです。

1.学校での生活~学校ではなにをするの?~

(1)生活面
学校では、子どもたちは学年によって違いはあるものの、学習以外にも係活動や掃除、給食の配膳・片付けなど生活に関する様々な活動をします。子どもたちの中には、手先が器用な子や体を動かすことの好きな子、家でお手伝いをしている子、弟や妹の面倒を見ている子もいます。でも、そうではない子どももいます。要は活動経験の多い子も少ない子もがいる、ということです。

しかし、経験の多少に関わらず学校ではいろいろな活動をします。生活面でいえば、机の中やロッカーの整理整頓(実は机の中は結構狭く、ロッカーもランドセルを入れるだけで一杯な場合もある)、体育の際の着替え(もちろん、これには着替えた服をたたんでしまうことも入ります)、給食当番の配膳(汁物の配膳は緊張しますし、トングで挟む場合も「落としたら…」と緊張します)、掃除(学校ではほうきやちりとり、T字のほうき、ぞうきんなど、家庭では使ったことのない道具を使います)など、これだけでも例えば不器用な子どもはうんざりしそうではないでしょうか。

これらの活動は、もちろん1年生の頃からうまくできるわけではありませんが、担任の先生がしっかり指導しますので多くの子どもは徐々にできるようになります。しかし、「いろいろな子ども」の中にはこれらの活動が苦手な子どももおり、そういった子どもたちはその特徴に応じた支援がないと、他の子どものように上手にできるようにはなりませんし、練習を重ねても「何とかできる」レベルでとどまる場合もあります。

このことは、一見「当たり前」のことのように思えますが、最初に述べたように学年の中では、多くの子どもができてしまうので、できないと「練習が足りない」「努力不足」「怠けている」などと思われがちです。もちろん、練習しようとしない子どももいますが、ひょっとしたら何度かやったけれどうまくいかないせいであきらめているのかもしれません。他の子どもはできるのになぜできないのか?どうしてやろうとしないのか?という「なぜ?」の視点を忘れないで欲しいと思います。

(2)学習面
では学習面はどうでしょうか。
まず、最初の学習は、「文字を読む」ということでしょう。多くの子どもたちは入学前に自分の名前程度のひらがなは読めるようになっています。ただ、これも「多くの子ども」で、読めない子どももいます。子どもたちの中には「読むことの困難」のある子どもがいるのです。「学習障害(LD)」といわれる子どもたちが中心となりますが、入学前は読むことは必須ではないため気づかれません。また、入学してからも「幼い」とか「文字を覚えるのがゆっくりな子」等と思われ、「がんばればできる」と言われてしまいます。本人は、最初はみんなも自分のように読めなかったはずがいつの間にか上手にすらすらと読めるようになっている、自分はがんばりが足りないのかな、と自分の責任のように思ってしまうこともよくあります。

これは「文字を書くこと」も同様です。前述のLDのある子どもや体の動きに困難がある子ども、不器用な子どもなどです。最初は似たり寄ったりの形の整わない文字だったものが、1年生の後半にはぐんぐん書けるようになります。しかし、「書くことの困難」のある子どもは、やはりなかなか上達しません。そして、何より困ることは、学校での学習は「読み書きができること」が大前提になっていることです。算数も生活も社会も理科も、高学年になれば音楽でも体育でも図画工作でも読み書きを使います。こんなに大切な読み書きですが、1・2年生だと「読み書きが遅れている」という判断は難しく、「様子を見る」ことにとどまってしまう場合が多い現状です。

では、算数はどうでしょうか。算数の基礎となるのは、数処理や数概念です。物の量がわかり数字や数詞と結びつく、5の合成分解ができる、100まで数えられる、量を表す数と順番を現す数があることがわかる、など入学前にできるようになっていることは多いのではないでしょうか。でも、算数にもつまずきのある子どもはおり、2年生になるのに数の合成分解がぱっとできない、暗算ができない等という場合もあります。他の場合と同様に、本人はがんばっていますので、「がんばっているのにみんなと同じようにできない」ことに傷つきます。

2.「気づき」の大切さ

今回、あえて落ち着きや注意集中、社会性の無さなどの行動上の問題ではなく、読み書きの困難のある子、算数のつまずきのある子、不器用な子など「支援が必要!」とすぐに気づけないような特徴を挙げてみました。挙げたものの多くは、低学年であればあっても不思議ではないつまずきで、学年が進む内に「できるようになる」という場合もあるでしょう。

しかし、身の回りの始末、係活動等は毎日行うことで違いが目立ちます。また、「読み書き」は全ての学習の基礎となるため、ここにつまずきがあれば学習全体が遅れます。違いが目立ってしまってから、遅れてしまってからでは、差を縮める、挽回することは困難です。「もう少し様子を見よう」ではなく、「今できること(支援)はないか」と考えて欲しいのです。

できるまでがんばらせるだけではなく、違う方法だとできないか?何か道具を使うことはできないか?など工夫することが必要です。努力や練習が必要ないというわけではありません。ただ、「できて当たり前」ではなく、できない子どももいる、そういった子どもには早くからの支援が必要で、それは当然行うべき支援と考えていただきたいのです。何より、困っているのは子ども自身です。そのことに気づき、教師(自分)に何ができるのかを考えることが大切だと考えます。

イラスト:Atelier Funipo

《執筆者プロフィール》

梅田 真理
宮城学院女子大学教授
(社)日本LD学会常任理事、 (財)特別支援教育士資格認定協会副理事長、特別支援教育士スーパーバイザー、日本特殊教育学会代議員。
文部科学省「教科書デジタルデータを活用した拡大教科書、音声教材等普及促進プロジェクト」評価会議委員、文部科学省「発達障害の可能性のある児童生徒等に対する支援事業」審査評価委員。仙台市教育委員。

主な著書に、「特別支援教育をサポートする読み・書き・計算指導事例集」(ナツメ社)「みんなが輝くために1~2」(学びリンク)、「発達障害のある子の学びを深める教材・教具・ICTの教室活用アイデア」(明治図書)「〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第3集」(明治図書)など。

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