1. トップ
  2. データ・資料
  3. 新卒の生成AI研修、9割超が実施も評価基準に課題 =GUGA調べ=

2026年9月4日

新卒の生成AI研修、9割超が実施も評価基準に課題 =GUGA調べ=

生成AI活用普及協会(GUGA)は1日、企業で従業員向けの生成AI活用の指導・教育に携わる担当者1014名を対象に実施した「新卒社員向け生成AI研修に関する実態調査」の結果を発表した。

それによると、2026年度の新卒社員向け生成AI研修の実施状況について質問したところ、実施率は93.5%に達した。しかし、「全員を対象に実施」と回答した割合は38.5%にとどまり、「特定の部署・業務を対象に実施」、「試験的・一部を対象に実施」の合計は55.1%と半数以上に至り、限定的な実施の傾向が明らかになった。生成AI研修は、一部の先進企業に限られた取り組みではなく、企業の新卒研修における標準的なテーマとして定着しつつある一方、全社的な普及には課題が残る。

生成AI研修を実施した企業を対象に、具体的な内容について質問したところ、1位「リスク」(49.6%)、2位「基礎知識」(48.7%)、3位「社内ルール」(48.2%)と続き、AIリテラシーに関する内容が上位を占め、AIスキルよりも重視されている傾向が明らかになった。企業が優先しているのは、部門や職種、業務での実践的な活用力の向上ではなく、安全に活用するための知識やマインドセット、判断基準の整備。まずは「安全に生成AIを活用できる人材」を育てようとする企業の姿勢がうかがえる。

新卒社員が業務で生成AIを活用するリスクに対する懸念について質問したところ、「特に懸念していない」と回答した割合はわずか3.2%で、リスク懸念を抱いている割合が高いことが明らかになった。具体的には、「著作権・知的財産の侵害」(45.7%)、「誤情報(ハルシネーション)の鵜呑み」(43.0%)、「機密情報・個人情報の漏洩」(42.7%)が上位を占める。これらは地域別・企業規模別でみても大きな差がなく、全企業に共通する基本的な懸念となっている。

一方、地域や企業規模による差が共通してみられたのは「シャドーAIの発生」(会社が把握・許可していない外部AIツールの無断利用)への懸念で、首都圏(1都3県)とその他の地方では6.0pt差で首都圏が高く、大企業と中小企業では6.2pt差で大企業が高い結果となった。また、最も大きな差がみられたのは、企業規模別の「論理的思考力や問題解決能力の低下」への懸念で、大企業が9.0pt高いことが明らかになった。生成AIの活用を進展させた企業ほど、定着後の副作用ともいえる一段先の課題に向き合い始めている傾向がうかがえる。

研修後の手応えとして、新卒社員の生成AI活用レベルに対する評価を質問したところ、AIリテラシーでは「非常に高い」が17.3%、「やや高い」が48.1%で、合計65.4%に達した。AIスキルに対する評価も同様の傾向であり、多くの企業が研修の成果を実感している様子がうかがえる。

また、研修を企画・運営するうえでの課題を項目別に質問したところ、全体ではいずれの項目も「非常に課題に感じている」との回答は24.0~28.8%にとどまった。一方で、研修後の生成AI活用レベルを「非常に高い」と評価した層においては53.1~67.7%と大きな差がみられ、「研修内容の設計」においては約3人に2人(67.7%)が強い課題意識を抱いている実態が浮き彫りとなった。このような逆説的な事象は「AIネイティブ・パラドックス」という、AIネイティブ時代ならではの新たな人材育成の課題だといえる。

新卒社員の生成AI活用レベルを把握する手段について質問したところ、「トレーナーのフィードバック」(52.9%)、「レポートや課題の提出」(47.8%)が上位を占める結果となった。これらの手法は定性的な観点が多く、評価が属人化されやすい傾向がある。「社内独自のテスト」や「外部の資格試験」といった手法を取り入れる割合が相対的に低いことから、企業における評価基準が標準化されていない様子がうかがえる。新卒社員の生成AI活用レベルを適切に評価できているのか、ということから見直す必要が示唆されている。

新卒社員の生成AI活用レベルを客観的に証明・評価する手段として、生成AI関連の資格・検定の活用に対する関心を質問したところ、「非常に関心がある」が34.8%、「やや関心がある」が53.9%で、合計88.7%に達した。特に、研修後の生成AI活用レベルを「非常に高い」と評価した層では「非常に関心がある」との回答が7割超と突出し、AIネイティブ世代を客観的に評価する基準を強く求める切実な需要が浮き彫りとなった。

調査概要

調査名称:新卒社員向け生成AI研修に関する実態調査
調査対象:下記3つの条件をすべて満たす回答者
①従業員数10名以上の職場に勤める20代~60代の経営者・役員・会社員(正社員)
②業務で生成AIを利用できる環境にある人
③従業員(社内)に対する「生成AI活用の指導・教育」に携わる人
有効回答数:1014名
調査時期:2026年6月16日~17日
調査方法:インターネット調査

関連URL

生成AI活用普及協会(GUGA)

自律的な学習者への第一歩に 自己効力感の向上 活用事例多数紹介 すらら 活用事例のご紹介
株式会社TENTO

アーカイブ

  • ICT要員派遣はおまかせ!ICTまるごとサポート 詳細はこちら
  • 事例紹介作って掲載します。 ICT教育ニュースの楽々 事例作成サービス