2023年5月29日
パーソル総合研究所、「就業者の社会貢献意識に関する定量調査」を発表
パーソル総合研究所は25日、ベネッセ教育総合研究所、立教大学中原淳教授と共同で、就業者の社会貢献意識(ソーシャル・エンゲージメント)に関する調査結果を発表した。
企業活動においてSDGs、ESG投資など、持続可能な社会づくりが強く求められている一方で、一般の日本人の社会課題への意識や行動は、国際的に極めて低いことが指摘されている。働く人々の社会貢献や社会を変える効力感といった意識の実態と影響する要因について調査した。
同調査では、「はたらくことを通じて、幸せを感じている」などの7項目を「個人の主観的な幸せ」として測定し、「顧客や関係者に任された役割を果たしている」「担当した業務の責任を果たしている」などの5項目を個人のジョブ・パフォーマンスとして測定した上で、全体分布の中でともに高い層を「幸せな活躍層」として定義した。
それによると、就労形態では「公務員・団体職員」、業種では「教育・学習支援業」、職種では「クリエイティブ職」「事業開発・商品開発・研究職」でソーシャル・エンゲージメントが高いことがわかった。
ソーシャル・エンゲージメントが高い層は、低い層と比べ幸せな活躍をしている人の割合が2.9倍だった。
ソーシャル・エンゲージメントが高い層は、低い層と比べ環境配慮や人権配慮行動を行っている割合が高い。また、学びへの前向きな行動も2.3倍見られた。
また、「手触り経験」「見渡し経験」「踏み出し経験」が多いほど、ソーシャル・エンゲージメントが高いことがわかった。性年代別に見ると、仕事に関する「手触り経験」「見渡し経験」において、中高年になるほど男性のほうが経験率が高くなっていた。
また、ソーシャル・エンゲージメントが高い若年層は、学生時代に積極的に行動し、多様な人と交流する「ネットワーク行動」や「内省行動」を行っていた人が多い。
また、「視野の広さ」と「仕事上の余裕」が、ソーシャル・エンゲージメントにプラスの影響を及ぼしていた。人事管理における「キャリア目標の明確さ」「多様な人材の活躍支援」が視野の広さにプラスの影響を与えている。一方で、「異動転勤の多さ」や「新卒偏重の人員構成」などはマイナスの影響が見られた。
同調査では、こうした傾向を受けて、就業者の「ソーシャル・エンゲージメント」を高めるための提言もまとめている。
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