2014年7月31日
先生のための初級ICT教育講座 Vol2「ロイロノート・スクールって何?」
《初級ICT教育講座》Vol.2
「ロイロノート・スクールって何?」
LoiLo 代表取締役 杉山浩二
いま、政府は、2020年をめどに、全国の小中学校に1人1台、教育用タブレットを配る目標をかかげています。今年は2014年。あと6年後です。意外ともうすぐですね。
しかし、タブレットを使ってどういった授業を行えばいいのか、どういったことを教えていけばいいのか不安に思っている先生方は多いのではないでしょうか?
ある調査によると、ICT導入に関して、50%以上の先生が不安に思っているそうです。
でも、安心して下さい。ロイロノート・スクールは、パソコンが苦手な先生にも直感的に使えるタブレット用の授業支援アプリです。きっと、どんな先生でも授業をより効率的にすすめるツールとして使いこなせると思います。
今回は初級講座として、ロイロノート・スクールを使いながら、将来の授業像をイメージしてもらえたらうれしく思います。
ロイロノート・スクールとは?
ロイロノート・スクールは、iPadなどのタブレットを使うことで先生の負担を軽くし、子どもたちの主体性をのばす授業を作るためのツールです。
先生と生徒のやり取りを活発化させることで、「21世紀スキル」といわれる「思考力」「判断力」「表現力」を育てることを目標としています。
まずは、難しいことは置いておき、概要がつかめる動画をご覧ください。
発表が好きになる子どもたち
ロイロノート・スクールでは、カードとして表示されるいろいろな情報をつなげていくことで、発表資料(プレゼンテーション資料)を作ることができます。
自分の考えを人に伝えるときには、見せる順番やストーリーの流れを工夫して、伝えたい内容を相手にイメージしてもらいやすくすることがとても大切です。
テキストや手書き文字、Web検索や地図、写真、動画など様々な情報が、「カード」として表示されます。
そのカードを矢印線でつなげることで、見せる順番を決めることができます。
自分の考える道筋がアプリ上に可視化されていくので、作業を進めながら考えをまとめていくことができます。
いままでのICTを使った授業では、ソフトの使い方を教えるだけで授業の終了時間がきてしまうことが、しばしばありました。
プレゼンテーションの本質的な課題である、どんな工夫をすればうまく相手に伝えることができるのか、という部分まではなかなか踏み込めなかったと思います。
ロイロノート・スクールは、操作が直感的ですぐに使えるようになるので、授業内容に踏み込む時間を増やすことができます。
クラス全員の考え方を共有する
小中学校の教室ではいまも、先生の質問に対して一人の生徒を当てて答えさせるという風景がよく見られると思います。手を挙げさせたり、出席番号で当てたりする「あれ」です。
ロイロノート・スクールを使うと、こうした授業風景がガラリと変わります。先生の質問に全員を当てて、全員に答えさせることができるのです。
この写真をご覧ください。クラス全員の答えを一覧で表示することができます。
生徒はカードを使って先生の質問に応えるので、テキストや手書きだけでなく写真や動画まで使うことができます。
また、特定の生徒の回答だけを選択して比較表示することもできます。位置を変えたり途中で消したり自由自在です。
生徒も他の子どもの別の答えがわかるので、色々な考え方や解き方をクラス全員で共有することができるのです。
また、この回答一覧の中から1人の子どもを選び、その子に発表させるということもやられています。
発表する資料とともに話すことができるので、言葉だけで説明するより相手に伝わりやすくなります。
その影響か、ロイロノート・スクールを導入している小学校では面白い現象が起きているそうです。ある小学校の先生からは、子どもたちが進んで発表したがるようになったという報告がとどいています。タブレットを導入する以前では考えられなかったことだとおっしゃっていました。
これまでは、一人だけ指される恥ずかしさや、間違えたら嫌だという思いから、手を挙げられなかった子どももいました。思い出せば、私も答えがわかっていながらまったく手を挙げない子どもでした。
全児童(生徒)の回答を一覧表示する機能を兼ね備えたロイロノート・スクールを使った授業では、クラス全員がそれぞれ、人前で発表することが当たり前といった雰囲気になります。日常的に発表する習慣付けをすることで、自分の意見を人に伝えることが恥ずかしくなくなっていくのです。
学び合い
先生と生徒のやり取りだけでなく、先生が許可すれば生徒同士でカードを送り合うことができます。
班で1つのテーマについて調べて発表を行うような協働学習で、班のメンバー同士でカードをやり取りする時などに威力を発揮します。
他人に教えることは、記憶の定着をはかる上でとても効果があると言われています。
ロイロノートを使ってジグソー学習という協働学習を行った生徒の感想によく表れていたのでご紹介します。
「自分だけが分っていても、教えてあげられないと自分も人もわかったことにならない」
「授業を通して、今までは何も感じていないことに気付いた。」
「先生が言っていることを書いたり覚えたりするだけじゃ授業をやっている意味がない」
(ジグソー学習の詳しい授業内容はこちらの事例集をご覧ください。中学校 理科 https://n.loilo.tv/ja/case )
授業準備もカメラで簡単
タブレットの良いところのひとつにカメラがあります。タブレットでは写真や動画を撮るのがとても簡単です。
カメラで撮影することで、実物をタブレットの中に取り込めます。
実物投影機など使ってらっしゃる先生も多いと思いますが、それと同じようなイメージです。
デジタルはコピーが得意なので、一度タブレットの中に取り込んでしまえば、それを全生徒のタブレットに配ったり、先生に集めたり、他の生徒に渡したりすることが簡単にできます。
例えば、いままでプリントとして紙に印刷して配っていた授業資料なども授業中にタブレットで撮影し、すぐにクラス全員へと配ることができます。
また、子供たちも朝顔などの自然の観察や社会科見学などでも実物をカメラで撮影することで自分の発表に簡単に組み込めます。
PDFで資料を用意するなどすべてデジタルで完結させようとすると、大変で不安に思うことも多いと思います。
まずは既存の学習方法ともうまく共存しながら、より効率的に授業に使える部分からタブレットを使うということでも十分効果を発揮していくと思います。
ロイロノート・スクールが実現する授業スタイル
ここまでロイロノート・スクールは、子供たちが簡単に発表できるツールと、授業に最適化された双方向の通信機能が備えられていることを説明してきました。
すでに1人1台タブレット環境でロイロノート・スクールを導入している学校でどのようなスタイルの授業が行われているのか動画でご紹介します。近畿大学附属中学校での事業風景です。
●いますぐ無料で試せます!
なんとこのロイロノート・スクール、先生など教育関係者の方であれば無料でご体験頂けます。
パソコンは苦手だというベテランの先生でも、ロイロなら使えるという声をたくさん頂きます。
興味をもった日が吉日です!とりあえず、こちらからご体験ください!
●ロイロノート・スクールは、教育現場に育てられて進化していきます。
先進的な取り組みを行っている学校ではすでに1人1台タブレットを導入した教育が始まっています。
すでにロイロノート・スクールはそれら多くの学校に導入が開始されています。タブレットに必要不可欠なツールとなるべく、先生方の意見を取り入れながら日々改良を重ね、より良い形へと進化していきます。
株式会社LoiLo
代表取締役 杉山浩二
1977年、静岡県生まれ。バンダイナムコゲームスでゲームプログラマとして従事。2006年、リアルタイム動画編集ソフトがIPA未踏ソフトウェアに採択される。これをきっかけに、07年、株式会社LoiLo設立。
主な製品は動画編集ソフトLoiLoScopeなど。趣味は料理。
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