2016年2月23日
デジタルアーツ調査、未成年者のスマホ所有率は過去最高の70.6%
デジタルアーツは22日、第9弾となる未成年者と保護者の携帯電話・スマートフォンの利活用に関する実態調査を実施し、調査結果発表会を開催した。調査対象は、携帯電話・スマートフォンを所持する全国の小・中・高校生男女618名と、0歳から9歳の子どもを持つ保護者層597名の合計1215名。
まず同調査の結果について、デジタルアーツ経営企画部の吉田明子氏が発表。スマートフォン所有率とフィルタリング使用率に関する調査では、現在何らかの携帯電話を持つ未成年者(10歳~18歳)のスマートフォン所有率は過去最高の70.6%となった。学齢別にみると、小学校高学年(10歳から12歳)が37.9%、中学生では76.2%、高校生では97.6%となった。
フィルタリング使用率については全体で52.3%となり、前回調査(2015年6月)と比べ4.1ポイント増加した。学齢別で目立ったのは、男子中学生の58.7%。
また、携帯電話・スマートフォンの1日の平均使用時間では、子ども全体で3.0時間と前回から0.5時間増加した。特に、女子高校生の使用時間が5.9時間となった。
使用頻度の高いアプリについては、「LINE」66.3%、「YouTube」53.4%、「ゲーム」40.9%の順となった。これは前回同様だが、今回目立ったのは写真共有アプリ「写真袋」の8.6%。特に高校生が14.6%と高い結果となった。
ネット上の友達との距離感・関係性についての質問に対して、「会ってみたい」「会ったことがある」などリアル化を希望する回答が全体で49.4%となった。特に女子高校生はその傾向が強く、68.5%となった。
さらに、ネット上での小遣い稼ぎの実態についての調べでは、全体の30.7%が経験ありと回答。特に男子高校生が79.6%、女子高校生が68.5%と高い結果となった。稼ぎ方の内容については、「ポイント交換」が76.8%、「中古品の販売」が12.6%、「写真・動画の投稿で再生・閲覧数で」が8.9%。毎月平均収入については86.8%が「1万円未満」と回答した。
次に「未成年者の家庭環境とデジタルリテラシーの関連性」と題して、慶應義塾大学SFC研究所 渡辺真由子上席所員が講演を行ったのち、渡辺所員とデジタルアーツ経営企画部 工藤陽介担当課長がクロストークを行った。
ネット上での小遣い稼ぎで高校生の7割が経験ありとの結果に関して、渡辺所員は「ゲーム等の『ポイント交換』によるものが多く、また、小学生が20歳と偽りモニターとして参加したといった事例もある」と述べた。さらに、デジタル援助交際を行う子どもについて、「経済的に切迫しているというよりも興味本位ではじめてしまう例が多く、その背景には寂しさや承認欲求がある」と語った。
また工藤氏は、性的なトラブルに関して「教育現場ではあまり聞くことが少ないが、表面化していないだけかもしれない」と問題が起きている可能性を示唆した。こうした問題に対して、引き続き保護者のリテラシー向上を支援するほか、フィルタリング機能や設定など機械に任せられる部分は任せてもらい、保護者が子どもに寄り添うといったことに注力できるようにしたい、と述べた。
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