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2014年5月16日
立命館守山とISID/アダプティブラーニングの実践プロジェクトをスタート
立命館守山中学校・高等学校と電通国際情報サービス(ISID)のオープンイノベーション研究所(イノラボ)は15日、クラウドとSNSを使ってアダプティブラーニング(適応学習)(*1)を実践する「RICS(Ritsumeikan Intelligent Cyber Space) プロジェクト」をスタートしたと発表した。SNSとアダプティブラーニングを使ったICT環境を教育プログラムに取り入れる試みは、全国で初めてのことだという。
「RICSプロジェクト」では、ISIDイノラボが研究開発を進めるアダプティブラーニング・プラットフォームをベースに、クラウド上に問題単位で蓄積されたデジタル教材を、生徒一人ひとりの習熟度に合わせて、教師や生徒自身が選択して学習する仕組みを授業に取り入れる。
「学力・理解度」と「学ぶ対象」をシステム上で紐付けることにより、個々の生徒に合った最適な学習コンテンツの選択を可能にし、次世代の教育手法として注目されるアダプティブラーニングの実践を目指すという。
またSNS機能を活用して、生徒同士が教材を評価・推薦し合ったり、分からない部分を教師や他の生徒に質問しながら解決するなど、生徒たちが仲間と協働しながら能動的に学習できる環境を実現する。
立命館守山では、プロジェクト初年度の今年、中学校・高等学校1年生全員と担当教師、あわせて約500名がiPadを持ち、英語と数学の2教科からスタートする。教材は数研出版から提供を受ける。対象教科や教材提供元は、段階的に拡充していく計画。
「RICSプロジェクト」を導入した授業のやり方としては、これまでの授業で使われていた紙の教材をiPadを使ったデジタルベースに変更するところから始め、その後反転授業などへの活用も検討していくという。
7月以降の本格的な利用を目指し、5月から教員のiPad研修、生徒への情報モラル研修、iPadの機能や操作方法の学習、教員のRICS講習などステップアップしながら慎重に導入を進めていく。
今回のプロジェクトにアドバイザリースタッフとして参画する、文教大学教育学部の今田晃一教授は、会見の最後に「RICSプロジェクトは、個別学習と協調学習を同時に展開できるシステムで、学習ツールとSNSの活用が有効に機能することを期待する」と、プロジェクトへの期待を述べた。
立命館守山では、未来を担うグローバル人材の育成を目指し、「確かな学力を育てる学び」「体験を通じた学び」「社会に触れる学び」に取り組んでおり、これまでの知識伝授型座学授業から学習者が主体的に学習に取り組む新しい学習スタイルへ転換のため、PBL(問題解決型学習)などのアクティブラーニングも取り入れている。
*1:アダプティブラーニングとは、適応学習=個々の生徒の学習進行度に合わせて、適切な問題を最適なタイミングで提供する教育手法のこと。
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