2015年2月10日
Asuka Academy/海外でのICT教育の最新動向伝えるセミナー開催
Asuka Academy は1月30日、セミナー「グローバルな学びの最前線-教育現場および企業におけるICT活用教育の現状と未来-」を内田洋行ユビキタス協創広場CANVASで開催した。
グローバルな現場での多くの最新事例やリサーチを元に、海外でのICT教育の最新動向や、「コンピテンシーに基づく学習(COMPETENCY-BASED EDUCATION)」という新しい学習の考え方についての報告などを行うもの。
Asuka Academy 福原美三理事長による開会の挨拶の後、上松恵理子理事が「海外におけるICT教育の最新動向」について講演した。
続いて、コンピテンシーに基づく教育(CBE)の可能性をテーマに、放送大学教授でもある青木久美子理事が講演を行った。
コンピテンシーに基づく教育(CBE)とは、特定の知識や技能、態度(コンピテンシー)を学習者に合った方法・期間で習得し、それを認定するもの。コンピテンシーに基づいて学位や資格を得ることを示し、単に教材を提供するのではなく、評価に重点を置いた教育であるということが特徴だという。
現在の単位制度は、19世紀後半に米国で生まれ、1906年に設立されたカーネギー財団が大学教員の退職金資格に導入したことで一般的に広まったと言われている。教材を提供し受講時間を基準に単位を与えるという仕組みだが、昨今、教育現場での教育内容と職場で要求される知識や能力とのギャップが生じる等弊害が出てきていると、青木理事。
単位という概念から脱却し、自らがこんなコンピテンシーを取得したいという選択ができる学習者の立場に立った教育がCBEであり、注目を集めていると語る。
現在、Lumina財団が研究支援するDQF、そして全米大学連盟が提唱するLEAPといったコンピテンシー枠組みがあり、研究が進められているという。こうした取り組みが進めば、公式な教育機関から取得した単位や学位だけでなく、学校以外の職場での研修や経験等といった非公式な学びも評価し認定することができる様になる。
青木氏は最後にCBE導入によって起きるであろうこととして、「通学生と通信制の種別や学費制度等大学組織の枠組みも大きく崩れる様になり、教育側ではなく学習者が指導権を握る様になり、オンラインでの学びが支流となり、大学の存在意義も問われることになる」、と語った。
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