2015年7月28日
CA Tech Kids/新宿区の教員向けプログラミング学習の研修会を実施
CA Tech Kidsは24日、新宿区教育委員会からの委託を受け、新宿区内の教員を対象にしたプログラミング学習の研修会を実施した。
研修会は、新宿区教育委員会の教員向け夏季研修の中で、情報教育を選択した教員向けに実施。教員向けの夏季研修にプログラミング学習を取り入れるのは、新宿区ではこれが初めての試みだ。
夏季研修では、これまで情報モラル教育の研修を実施してきた。しかし、情報モラル教育だけでは、どうしてもICTの負の側面に偏ってしまう。光の側面も取り上げ、ICTを両面から理解するために、先進的な取り組みとして注目の集まるプログラミング学習を今回取り上げたと、新宿区教育委員会の波多江誠指導主事は語る。
研修会では講義と模擬授業を実施。区立の小中学校、特別支援学校の教員13名が参加し、プログラミング学習に対する理解を深めた。
講義は、「世界で広がるプログラミング」と題し、CA Tech Kidsの上野朝大社長が、プログラミング学習をめぐる世界の情勢とその意義について語った。
世界ではプログラミングを義務教育段階で必修化する流れが始まっており、日本でも導入に向け議論が本格化していると紹介。
さらに、ICTの進歩が進む 中で、ICTを駆使して新しい価値を生み出せる人材が求められている。プログラミングについて学ぶことで、そうした人材に必要となる、空想力・実行力・論理的思考力・粘り強さなどのスキルを身につけることができると続けた。
模擬授業では、引き続き上野社長を講師に、教育用のプログラミング環境「Scratch(スクラッチ)」を使いながら、プログラミングについて学んだ。
「Scratch」は、命令が書かれたブロックを組み合わせて、プログラミングを体験できる。研修の参加者たちは、「旗がクリックされたとき」「10歩動かす」などのブロックを組み合わせ、ネコのキャラクターを動かすという課題に挑戦した。
プログラミングの概念を理解する上で重要なブロックを使用する際には、講師の説明に加え、身近なものと関連付けて考える時間を設けるなど、プログラミングを親しみながら理解するための工夫が盛り込まれていた。
最後の15分間は応用問題に挑戦した。模擬授業のはじめには、慣れないプログラミングに戸惑う参加者もいたが、最後には、テキストを見ながら、独力、あるいは周囲と協力し、ほとんどの参加者が応用問題まで解けるようになっていたのが印象的だった。
参加した教員からは、プログラミングに初挑戦して楽しかったものの、自分が教えるには難しそうだという声も聞かれた。
しかし、CA Tech Kidsの上野朝大社長は、教員の「抵抗感と実際のできる、できないは別なのではないか」と語る。さらに、今回のような「Scratch」を使った比較的優しい レベルのものであれば、「例えば、英語よりも、プログラミングの方が教えるのが簡単だと考えている」と続けた。
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