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2015年12月11日

オンライン英語学習サービスを活用したトライアル授業/勇舞中学校

使える英語力を学校教育の中で育成するために、現行の学習指導要領では「聞く」「読む」「話す」「書く」という英語の4技能をバランスよく指導するよう明記されている。

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講師との会話を楽しむ生徒

しかし、特に「話す」部分の指導に関しては、現状の限られたコマ数、教師1人に対して生徒が数十人という授業形態では、生徒が英語を話す機会は限られており、難しさもあるという。そうした課題を解決するために、ICTを活用した取り組みが出てきている。

北海道千歳市立勇舞中学校が開始したトライアル授業もそうした取り組みもの1つ。

同校では、中学校3年生を対象に、オンライン英語学習サービスを活用した英語のトライアル授業を実施している。

オンライン英語学習サービスを使い、生徒が遠隔地にいるネイティブスピーカーの英会話講師とコミュニケーションをとる中で、ヒアリングやスピーキングの力を育成することがこの授業の狙いだ。

オンライン英語学習サービスには、中学校の指導では模範的な発音が指導することが重要になるため、英語が母国語の講師、日本人のバイリンガル講師をそろえた、NTTラーニングシステムズの「バーチャル英会話教室」を採用した。

同校は、NTTラーニングシステムズの協力のもと準備を進め、9月28日に1回目のトライアル授業を実施した。

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授業に向け生徒が個別に会話表現を練習

同校英語担当の大畑洋平教諭によると、授業を実施する上で、「英語の語彙が限られていて複雑な言い回しも習得していない中学生にどのような学習課題をセットするか」という課題があったという。

そのため、英語での会話が円滑に進められるよう、生徒たちは、これまで習った英語を駆使して質問を事前に作成し、授業に臨んだ。

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授業冒頭、講師と生徒が挨拶

授業では、まず「Hold on a second, please.(少し待ってください)」「It’s time to go now. (終了時間になりました)」など、会話を円滑に進めるための表現を教室の生徒全員で確認するところから開始。

その後、生徒は4名ほどの班に分かれ、1人1台のタブレット端末を使い、オンライン英語学習サービスにログイン。生徒は講師の名前や趣味、住んでいる場所などを質問。聞き取った内容をワークシートに書き込んでいった。

講師と一対一で会話を行うため、英語が苦手な子でも名前を呼ばれたら話すしかなく、一生懸命頑張っていたという。

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イヤホンの分岐端子を使い、端末1台を2人で使用

10月に実施した2回目の授業では、生徒たちは講師へ質問しながら、既習事項の文法や単語を実際に使用していった。

また、前回1人1台で使ったタブレット端末を、2人で1台を使うように工夫。英語が得意な生徒と苦手な生徒をペアにすることで、苦手な生徒が講師と会話するときに、得意な生徒が一緒に考えるという生徒間での教え合いが生まれたという。

11月の3回目となる授業では、生徒を講師がフリートークを行い、さらに発展した内容を実施した。

同校のトライアル授業は12月まで実施する予定。大西智彦主幹教諭は、「生徒の目の色が変わってきた。伝わることがうれしいというのが、周りから見ていてもよくわかる」と今回の取り組みについて語る。

トライアル授業の終了後には、ピアソン・ジャパンの英語コミュニケーション能力テスト「Versant」の学生向けサービス「Versant Junior English Test」で、実施前と後の英会話力を測定し、今回の学習効果を検証する。

関連URL

千歳市立勇舞中学校

バーチャル英会話教室

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