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2016年8月30日
KDDIとHAKUTO、月面レースに向けローバーフライトモデルのデザインを決定
ispaceが運営する月面探査チームHAKUTOとKDDIは29日、ロボット月面探査レース「Google Lunar XPRIZE (グーグル・ルナ・エックスプライズ)」で月面を走行することになるローバーフライトモデルのデザインが決定したと発表した。
「Google Lunar XPRIZE」は民間組織による月面無人探査を競う国際レース。レースのミッションは月面に無人探査機を着陸させ、着陸地点からローバーで500m以上走行し、搭載されたカメラで動画や静止画データを撮影して地球に送信すること。通信技術もまた重要な役割を担っているため、auがHAKUTOを技術的にサポートしている。
今回のフライトモデルでは、コストの削減とパフォーマンスのバランスが最適になるよう、様々な改良が施され設計がなされている。
コスト面では、従来のモデルで約7kgあったローバーの重量を約4kgに小型化・軽量化することで、1kgあたり約120万米ドルかかるローバーの打ち上げ費用を削減した。また特注品の代わりに、過去に実験用・工業用として開発され使用実績のある製品を活用することで、コストを抑える工夫をしている。
パフォーマンス面では、過酷な宇宙空間に対応するための「耐震設計」「熱対策」「電力」「耐放射線」など様々な観点から工夫が施されている。また「通信」の技術に関しては、100パターンを超えるアンテナ位置の検証を行い、2.4GHzと900MHzの2つの帯域を活用することで、通信を途切れさせない工夫がなされているという。
今回決定されたデザインをもとに、2017年1月までに月面を走行する実機を製造し、同年中に月面へ向けて打ち上げる予定となっている。今回のローバーのデザイン決定には「HAKUTO」に協力する民間企業からも期待の声が上がっている。
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