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2017年2月10日

西新井小、「算数」「総合的な学習の時間」でICT活用した公開授業

東京都足立区立西新井小学校は3日、5年生の「算数」と「総合的な学習の時間」でICTを活用した公開授業と教育ICTセミナーを開催した。

この公開授業は、東京都教育庁が実施している「東京都公立小中学校ICT教育環境整備支援事業」の一環として行われた。

同事業は、東京都教育庁が2015年度から3年間、毎年度、事業を実施希望する都内区市町村の中から6自治体を採択し、当該区市町村教育委員会が指定する小学校2校と中学校1校をモデル校として、ICT機器を付与し、授業支援などを行うもの。

採択された学校は事業期間中、約1年間をかけてICTを活用した授業を実践するほか、活動報告を兼ねた公開授業を実施。これらで得られた知見を都内の自治体に普及し、ICT教育環境整備を促進していく。

同事業には、NTT東日本が、タブレット端末やWi-Fi環境、教材コンテンツなどのICT環境に加え、学校のサポートとしてICT支援員などの提供、運営までをトータルで支援している。

アンケートの数値でグラフを作成

アンケートの数値でグラフを作成する

「算数」の授業は「百分率とグラフ」をテーマに、5・6年生にアンケート調査した結果を、帯グラフや円グラフを使って詳しく調べてみようというもの。グループに分かれた児童の手元には1人1台タブレットがある。事前に集約したアンケート回答をデジタル教材の「グラフ作成ツール」を使ってグラフに表していく。

慣れた操作の子どもたちのタブレット画面をのぞくと、表組みから一転、色鮮やかな帯グラフや円グラフが現れた。その様子は教員側にあるスクリーンに映し出され、各児童の進捗状況を一斉に確認することができる。

作成したグラフは児童同士で見比べて、分かったことや特徴をノートにまとめていく。デジタルと紙、それぞれの利点を活かした授業だ。

一方「総合的な学習の時間」は「防災」をテーマに、大地震での避難行動について調べてまとめていく。3人グループに1台のタブレットと紙の付箋、意見をまとめるワークシートなどが配られている。教室には3台のモニターがある。

デジタルとアナログを使った授業展開

デジタルとアナログを使い分ける

タブレットでは学習支援ソフト「コラボノート」を使い、他グループがまとめた考えを読んで、「自分だったらどうするか」などを付箋に書き、ワークシートにペタペタと貼っていく。こちらもデジタルと紙の特性を活かしたスタイルだ。

その後、3つのグループに分かれて、それぞれがタブレットとモニターを接続。モニターに映した画面を全員で共有しながら、グループごとに受けた付箋の質問や意見への答えを伝えたり、それに対してまた質問したりと意見交換が進んでいく。最後に、学習の振り返りとして紙のシートに各自記入をした。

公開授業には、見学に訪れた多くの学校関係者が熱心な視線を注いでいた。こうしたモデル校による経験やノウハウ、今見えてきた課題などが、今後、他校へも水平展開され、ICT教育の導入に向けた環境整備が着実に進んでいくことが期待されている。

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