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2018年1月1日
2018年 年頭にあたり
読者の皆さま、明けましておめでとうございます。
正月早々暗い話で申し訳ないのですが、成人式を前にマクロミルが新成人500人を対象に行ったインターネットリサーチで「将来の夢がある新成人は、2008年の調査開始以来過去最低の54%」という結果でした。
また、日本の未来について尋ねたところ、「明るいと思う」が34%、「暗いと思う」が66%でした。*調査結果の記事
若者が未来に夢が持てない、日本の未来も明るくない。そんな、社会でいいのでしょうか。気がつけば、子どもたちの6人~7人に一人は貧困家庭で充分な教育が受けられないという社会になってしまいました。
金が欲しけりゃ死ぬほど働け、それが嫌なら非正規社員になれ、明日金になる研究をしろ、それが嫌なら外国に行ってやれ・・・生産活動よりも経済活動が重要視され、「Win-Win」だとか「勝ち組」だとかいって挫折や負けを認めない社会。「夢なんか見ているやつはバカ」という時代。夢が無いんじゃなくて、夢を口にできないのかもしれない。戦後2番目の経済成長が続いているというのに、「閉塞感」という表現は相変わらず時代を象徴する言葉になっています。
同じくマクロミルの調査では、将来就きたい職業の1位は会社員で31%、2位公務員で20%。そして、分からないは28%を占めています。
AIの活用が現実化してきて、2045年のシンギュラルティもSF世界だけのものでは無くなってきています。
例えば2045年にシンギュラリティが現実となった時代、どのような社会になっているか想像してみました。職業という観点で言えば、3分の1は「AIを使いこなしたり、AIに出来ない新しい仕事をしている人」、3分の1は「いまと変わらない仕事をしている人」、そして残りの3分の1は「働かなくても生きていける人(年金やセーフティネットで)」でしょう。「働かざる者、食うべからず」の時代は終わりです。
社会全体としては、「いい社会」であって欲しいと願っています。その象徴は、「スポーツ」や「音楽」、「芸術」が評価され人間の職業として「いまと変わらない仕事をしている人」がいることです。
学校教育には、教科として「体育」と「音楽」があります。将来プロのスポーツ選手やプロの音楽家を目指すわけでは無いのに、必修科目です。健やかな体や豊かな感性を育むことも目的でしょうが、スポーツや音楽を楽しむことを学ぶのも目的のはずです。
プログラミング(コンピューター・サイエンス)を学ぶのは、人材不足と言われるIT技術者やプロゲーマー、プロのeスポーツ選手を育てるのが目的ではありません。人の暮らしや社会基盤を支えるプログラミングやコンピューター・サイエンスを理解し活用して、人とコンピューターが共生する社会を生き抜けるようにすることです。学問でも教養でも無く、生き抜くスキルです。
体育で学ぶとか、音楽で学ぶみたいに不自然な「プログラミングで学ぶ」に止まることなく、でしっかり「コンピューター・サイエンス」を学んでほしいものです。そのためにも小学校では、プログラミングを目一杯楽しんで学んでほしい。
私の夢は、15歳の中三から63歳の現在まで、「芸術家」と「小説家」になることです。63歳になって叶えられない夢が叶うわけが無い、かもしれませんが、日々の営みはこの夢の実現に繋がっていると信じています。
みなさん夢を語りましょう。子どもたちにも夢を語ってもらいましょう。
ICT教育ニュースは2018年も、子どもたちが夢を語れる社会の実現のため、「ICT活用」、「STEM・プログラミング」を推してまいります。宜しくお願いいたします。(編集長・山口時雄)
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