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2019年7月29日

小学校6年算数「関係を見つけて」をプログラミングで学ぶ/相模原市

相模原市教育センターは26日、市内の全小学校72校が、4年生、5年生、6年生の算数でプログラミングの授業を2学期に一斉実施するために、6年生担任教師向けの研修会を開催した。

その教員研修会は、政府広報Webサイト「Society5.0」の動画「あなたのところにもこんな未来が!?」を視聴することからスタートした。それは、講師を務めた相模原市教育委員会の渡邊茂一 指導主事の、プログラミング教育のねらいや目的を参加者に知って欲しいという思いからだ。昨年の同じ研修会では「プログラミングってなんだろう」から始めていたが、今年は参加者のほとんどがプログラミング講習の受講経験があることから、プログラミングを学ぶ意味を考えることから始めたのだ。

sgm-1渡邊さんは研修会の冒頭で、「Society5.0の時代を見据え『どのような職業に就くとも必要な、テクノロジーを活用した問題解決に必要な資質・能力を育成すること』、それがプログラミング教育の狙いです。子どもたちが社会人になる頃には、半分以上が現在存在しない職業に就くとも云われています。子どもたちに『先生になるにはどうしたらいいの』、と聞かれれば答えてあげられますが、今ない職業に就く方法は教えてあげられません。しかしそんな未来では、ほとんどの問題解決にコンピュータなどのテクノロジーが関係することは間違いないでしょう」と、コンピュータサイエンスやプログラミングを学ぶ事の意義を語り、コンピュータを問題解決のために利用できるようなプログラミング授業づくりを行って欲しいと強調した。

sgm-21回目のワークショップでは、Scratchの復習のために「正多角形の作図」におけるプログラミングを体験。やり方を覚えるよりも失敗しながら「なぜだろう」「どうしてだろう」と試行錯誤しながら、筋道立てて考えることの重要性を確認。

いよいよ、今回の研修会のメインテーマである6年生算数の「関係を見つけて」のワークショップをはじめる。

ワークシート

ワークシート

単元は、並び方と組み合わせ方の「関係を見つけて」。本時の目標は「伴って変わる二つの数量を見いだして、それらの関係に着目し、表や式を用いて変化や対応の特徴を考察すること」。この段階で、記者にはなんのことだかさっぱり分からない。めあてとして示された「2つの数が変わる法則を見つけだし、その特徴を考えよう。」で少し分かった気がした。

課題は、「図のようにマッチ棒を並べて、ピラミッドをつくります。100段のピラミッドをつくるには、マッチ棒が何本必要ですか?」というもの。

ワークシートには、図とともに下記の表があり、5段目まで順にマッチ棒の数を求めましょう、とある。

段の数 x (段目) 1 2 3 4 5
マッチ棒の数 y (本) 3 9

図を見ながら計算して、5段目までの本数を記入する。

段の数 x (段目) 1 2 3 4 5
マッチ棒の数 y (本) 3 9 18 30 45

ここからいよいよ、「段の数とマッチ棒の数の関係を調べましょう」となる。
1段が3本、2段が9本、3段が18本、4段が30本、5段が45本。
増えている本数は、6本~9本~12本~15本。
増えている数が3の倍数だということに注目。
マッチ棒の本数は、3段目になると2段目までのマッチ棒の合計に加えて3×2本増える。
5段目になると4段目までのマッチ棒の合計に加えて3×5本増える。
つまり、段の数が1段増えるごとに、3×その段数の数が増えるということ発見する。

ワークシートではこの過程を
□3段目になると、2段目までのマッチ棒の合計に加えて
(  )×(  )増える。
□5段目になると、4段目のマッチ棒の合計に加えて
(  )×(  )増える。
□つまり、段の数が1増えるごとに、(  )×(  )増えている。
と「数の関係」をまとめる。

このやり方で、100段で使用するマッチ棒の数を出すには、99段の数が分かれば簡単だ。99段までに使用するマッチ棒の数+(3×100)でよい。しかし、99段の数を出すには98段までの数が必要で、98段の数をだすには・・・と遡るととんでもない時間が掛かりそうだ。

そこで、この計算をScratchでプログラミングしてみる。

プログラム作成の流れは、「段の数が1増えるごとに、3×その段数のマッチ棒の数が増えていく、という計算の手順を確認する」というもの。

プログラミングを始める前に、[変数]の(変数を作る)で[段の数(x)]と[マッチ棒の数(y)]を作成しておく。[変数]で[段の数(x)]と[マッチ棒の数(y)]のブロックが使用できるようになる。この設定を児童自身に行わせるか、あらかじめ用意しておくかはこれまでの学習経過と授業のレベル設定次第だ。

ここからは、使用するブロックを示して、並び替えたり数値を入力することによって、100段を計算するプログラムを作っていく。

作成したScratchの画面

作成したScratchの画面

記者が、ワークシートを参考に作成したプログラミングがこれ。

最初は、単元の目標の意味も十分理解できなかった記者だが、順を追って学ぶ事で「関係を見つけて」の意味も、「関係」をコンピュータでプログラミングして膨大な計算を一瞬で出来てしまうことも少し理解できたような気がする。

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計算の答をつぶやくネコ

渡邊さんによれば、子どもたちがプログラミング体験を通して学ぶのは、Scratchの使い方やプログラミングのやり方ではなく、間違ったり失敗したことの解決方法を試行錯誤しながら考えることなのだという。

それが、プログラミング教育の目的である「どのような職業に就くとも必要な、テクノロジーを活用した問題解決に必要な資質・能力を育成すること」につながっていくのだろう。

相模原市のICT環境整備は、規模が大きいだけになかなか進んでいない。しかし、授業コンテンツの開発や教員研修には積極的に取り組んできた。教育用のサーバーには、プログラミング授業研修用の動画や資料はもちろん、市内の学校で実施した事例紹介なども多数収容して教員サポート体制を整えている。

そして相模原市ではいま、2020年度に小学校1年から中学校3年まで、すべての学年でのプログラミング授業が実施できるようなプランを作成しているという。今年度中を目標に作成されるこのプランは、一般公開もする予定だというから、他の自治体でも大いに参考にして欲しい。

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