2020年3月12日
大阪大PDBj、新型コロナウイルスの蛋白質構造データベース(PDB)を正確に発信
大阪大学蛋白質研究所の日本蛋白質構造データバンク(Protein Data Bank Japan:PDBj)は、アジアの代表機関として、新型コロナウイルス(Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2:SARS-CoV-2)の新しく解析された蛋白質構造情報を蛋白質構造データベース(Protein Data Bank:PDB)に登録。3月11日の定期データ更新に合わせて、新型コロナウイルス特集ページを作成し、関連するPDBデータを研究者が利用しやすいように集約して公開した。特集ページには、毎週水曜日(日本時間9:00am)に最新エントリーが追加される。
世界中の研究者が構造解析した蛋白質の構造情報は、必ず全て日米欧のいずれかのサイトで事前にデータベースに登録する約束になっている。通常、登録済みPDBデータは、該当の情報を含む研究が論文として発表されるまで非公開とされ、実験のオリジナリティーが担保される仕組みになっている。しかし、蛋白質の構造情報は、立体構造に基づいた創薬研究に積極的に活用される基盤情報であり、新型コロナウイルスの構造情報も、できるだけ早い構造データの蓄積と公開が期待されていた。
抗インフルエンザ薬として有名なザナミビル(商品名リレンザ)やオセルタミビル(商品名タミフル)は、PDBに登録されている立体構造を用いて開発されたもの(参照: https://numon.pdbj.org/mom/113 )。ウイルスがもつ蛋白質の天然基質をまねて薬剤設計することで、創薬研究が加速された例として広く知られているという。
新型コロナウイルスの蛋白質構造情報を正確に集約して伝えることにより、創薬研究が加速することが期待される。また、感染症に対する薬がウイルスの蛋白質を対象に、どのように開発されるのか、一般向けのホームページも準備。これにより、感染症薬の開発に対する理解が非専門家にも理解して頂きやすくなることが期待されるという。
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