2020年3月31日
伝統校が ASUS Chromebook と G Suite for Education で始める学び改革/湘南白百合学園中高
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江の島を遠望する小高い丘の上、深く濃い緑の森に守られて湘南白百合学園中学・高等学校は建っている。キリスト教の精神に基づいて中高一貫の女子教育を行っている歴史ある伝統校。もちろん、伝統に根ざした「学びの改革」へ、ICTを活用した教育へも積極的に取り組んでいる。
学校資産として Chromebook 200台以上を導入し、Wi-Fi、プロジェクターといったICT環境も整備した。来年度には中学3年生と高校1年生で、BYOD(生徒所有の端末持込)による1人1台 Chromebook もスタートする。新しい学習指導要領が求める、「ICTの活用」や「アクティブラーニング」による「学びの改革」を推進するために奮闘する2人の教師に話を訊いた。
Chromebook の決め手は「起動が早い」「キーボード付き」「安価」の3点と、保守管理のしやすさ
2020年の4月から、中3、高1にひとり1台の Chromebook を導入することにした湘南白百合学園中高。以前から一部の授業で G Suite for Education の活用はしていたものの、ひとり1台の導入は2020年度が初めて。文部科学省が発表したGIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想では、Microsoft Windows端末、Google Chrome OS端末、iPadOS端末のいずれかの使用が望ましいとされているが、その中でなぜ Chromebook を選ぶことにしたのだろうか。
石原寛子教諭は、「1人1台の端末が本当に必要なのかということも含め、2018年度から検討を始めました。まずは、学校が所有するのではなく、各個人が所有するBYODで進めることに決定。その後、端末を決める際には他のICT先行導入校へ視察にも行きました。Windows端末で最も気になったのは軌道の遅さやOSのアップデート。そのために授業がスムーズに進まないという懸念があったんです。また、iPadは物理キーボードが備わっていない。結果、起動が速くキーボード付き、かつ安価であることから Chromebook にしました」と語る。さらに、管理がしやすいことも決め手になったという。
「Chromebook は Windows や iPad に比べ、Chrome Education Upgrade で学校側が簡単に生徒の Chromebook を制御できます。生徒が自宅に持ち帰った場合も学校の管理下の状態ですので安心です」と、太田裕美教諭。
Chromebook の中でも、デジタイザーペン付きの2in1タイプ(ASUS Chromebook Flip C214MA-BW0028)を選択した事について、太田教諭は、「国語の書き取り問題などは、手で書いて提出できるようにしたかったんです。また、美術や理科でも丸で囲んだり絵を描いたりと、ペンがあったほうがいいですね。先日、中3の生徒に Chromebook を体験させる授業をしたところ、スマホで慣れているからか、ペンをマウスの代わりに使ってクリック操作している生徒もいました。生徒たちは適応が早いですね」。
「通学中は使わない」「授業に関係のない YouTube は閲覧しない」といったルールを設け、フィルタリングも適宜設定する予定。動画やSNSの閲覧はできるが、投稿はできないようにして、成人向けコンテンツは閲覧できないようにする。
授業の活用はアイデアを出し合って柔軟に
導入に向け、2019年度には環境を整えることに力を注いだ。体育館を含めてすべての教室にWi-Fi環境を整え、各教室にプロジェクター、各階には大型ディスプレイの BIG PAD などを設置している。2020年度に新設される図書館には、ブラウジングゾーンを設け、Google Jamboard を3台用意した。アクティブラーニングに取り組むためだ。アプリには G Suite for Education に加え、理科の問題集アプリを導入することは決まっているが、その他の学習コンテンツアプリは今後、各教科教員の希望や意見を取り入れながら検討を進めていくという。
「教員が Chromebook に慣れるための期間が必要だと感じましたので、2019年度の2学期に教員向けに各自が希望する Chromebook を配布しました。端末は複数の種類(ASUS Chromebook Flip C214MA-BW0028、ASUS Chromebook Flip C101PA-FS003、ASUS Chromebook Tablet CT100PA-AW0010)の中から教員各自で選択できるようにしました。約7割の教員が実際に生徒が使う2in1タイプの Chromebook(C214MA-BW0028)を選んでいました。Chromebook はすべて ASUS の製品に統一しました。他のPCメーカーでも湘南白百合が生徒用に採用した同類の製品はありましたが、ASUS はラインナップが他のPCメーカーよりもとても豊富。さまざまな画面インチの Chromebook からタブレットタイプまで。選択の幅が広いことはさまざな利用シーンに合わせてモデル選定できます。
来年度の授業担当者が決まっていない状態でしたが、『この教科でこんな使い方ができる』とアイデアを出し合いました。どの教科にも共通することとしては、資料をデータで配布し、ペーパーレス化を促進するという部分で導入価値はあるはずです」(石原教諭)
自主的に慣れてもらうだけでなく、太田教諭が主体で教員向けのスクールを定期的に開催している。「敷居を下げてもらうために、放課後などに実施しています。まずは、Google フォームによるアンケートやワークシートの配布や回収が簡単なことを知ってもらいました。他に、例えば英語なら YouTube が活用できるといったことを提案しています」(太田教諭)
大学や社会での使用は必須。導入は教育者の使命
BYODであれば家庭で負担することになる。保護者からの反対意見などはないのか尋ねたところ、「1月の保護者会でアナウンスさせていただきました、保護者の皆様からは理解を示していただいており、生徒たちからも好意的な意見が多いです。あと本体がどれだけ安価だとしても物損故障にも対応できる延長保証には必ず加入した方が良いと考えていて、その分、各ご家庭に負担いただく費用は上乗せになってしまいますが、その点も保護者の皆様にはご理解をいただいています。
「現代はコンピューターを避けて生活していくのは難しい時代です。今後は大学入試制度もコンピューターが導入されますし、大学生になればキーボードでレポートを作成する機会も増えるでしょう。それらのシーンで操作に時間がとられてしまってはロスが大きいため、今の段階で学習することはとても必要なことだと考えています。他の学校を視察する中で、女性の方がデジタルを使いこなせる、とおっしゃる方もいました。生徒には、PCを使って素早く問題解決をするようなプレイヤーに育ってほしいと思っています」と、太田教諭。
既に湘南白百合の生徒たちはPCに慣れ親しみ、キーボード操作などもそれなりにできる。ひとり1台となれば、すぐにでも活用できるようになるだろう。石原教諭、太田教諭の2人も、実はそこに期待をしている。
「生徒から教員に対して、『 Chromebook や G Suite for Education を使って授業をしてほしい』という声が上がるだろうと思うんです。その結果、教師同士はもちろん、生徒とも一緒に助け合えるような体制になることを期待しています」(石原教諭)
生徒が主体的に行動することで、生徒が積極的に活動できるアクティブラーニングを進めていきたいと考える両教諭。精神は“伝統的”だが、学びは“革新的”な学校を目指し、教師と生徒が共に学びあえるような環境の構築を目指していく。
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