2022年5月16日
奨学金、「必要度」は8割以上も実際の「受給学生」は40%=SCHOL調べ=
SCHOL(スカラ)は、同社の奨学金サイト「ガクシー」が、大学生とその保護者1941人を対象に実施した、「奨学金受給の必要不可欠度と利用目的に関する実態調査」の結果をまとめ、5月12日付で発表した。
それによると、奨学金を「受給した(したことがある)層」は777人で全体の40.0%、奨学金を「検討または興味を持ったが受給に至らなかった層」が454人で23.4%、奨学金に「まったく興味がないまたはそもそも知らなかった層」が710人で36.6%だった。
学力別で受給状況をみると、奨学金を受け取ったのは、「低学力層」(高校偏差値40未満~50未満)が48.5%、「中学力層」(同50以上60未満)が45.7%で各層の中で最も多く、約半分を占めた。
「高学力層」(同60以上)も31.6%が奨学金を受け取っていたが、奨学金を受け取ったのが最も多い層は、高校偏差値が「40未満」の層で、過半数越えの52.5%だった。
受給者に、奨学金の必要度について聞いたところ、「必要不可欠」が最も多く43.9%、続いて「できれば必要」が38.1%だった。
一方で、「あまり必要でない」14.4%、「まったく必要でない」3.4%という層は合わせて17.8%で、約5人に1人は奨学金受給の必要性の低い学生および保護者であることが分かった。
奨学金受給の必要性について、学力ごとに聞いたところ、「進学のために必要不可欠」と回答したのは、低学力層が最も多く過半数の54.6%。中学力層でも「進学のためには必要不可欠」の回答が最も多く44.1%で、高学力層は「できれば必要」が最も多く43.9%だった。
また、必要度が最も高い「必要不可欠」と回答した層は「進学するためには必要不可欠」との利用目的が80.6%、「できれば必要」と回答した層は「必要不可欠というほどではないが、あったら家計が助かる」との利用目的が56.6%で、各々の必要不可欠度のなかで最も高い利用目的だった。
一方で、「あまり必要でない」「まったく必要でない」と回答した層の利用目的は、「部活に集中したいため」10.9%、「研究や学業に集中したいため」8.8%、「アルバイトする時間がもったいないため」8.8%、「海外進学のため」5.5%、「趣味の活動に専念したいため」2.6%、「海外留学のため」1.7%、といった学費のためという理由以外の項目が多くを占めた。
奨学金の利用目的を学力別でみると、低学力層は、「進学するには必要不可欠なため」が最多で半数の50%、以下、「学費が高い進学先のため」35.2%、「必要不可欠というほどではないがあったら家計が助かるため」32.4%と続いた。
特徴的なのは、低学力層では「アルバイトだけでは足りないため」が28.2%と4番目に多く、他の学力層と比較しても多い割合を占めていた。
高学力層では、「研究や学業に集中したいため」15.3%、「アルバイトする時間がもったいないため」11.5%、「海外留学のため」8.5%、「趣味の活動に専念したいため」3.1%、「部活に集中したいため」2.5%、「海外進学のため」1.9%、といった学費以外の理由も多く、「金銭的な理由以外」が42.7%と半数近かった。
高学力層の中でもさらに「偏差値70以上」の層に絞ると、「研究や学業に集中したいため」22.4%、「アルバイトする時間がもったいないため」19.7%、「海外留学のため」9.2%、「部活に集中したいため」5.3%、「海外進学のため」2.6%、「趣味の活動に集中したいため」5.3%となり、海外進学・留学や学業に専念するための用途が64.5%を占めた。
この調査は、 全国の大学生とその保護者を対象に、2021年12月27日~2022年1月12日にかけて、インターネットで実施した。有効回答数は合計1941人。
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