2023年10月20日
Edv Future、全国の中高生の夏休み前後の「非認知能力」を調査・分析
Edv Futureは19日、同社の成長型支援サービス「Edv Path」(エデュパス)の利用データをもとに、全国の中学・高校生の夏休み前後の「非認知能力」の変化について調べた結果を発表した。
それによると、全国の中・高生の夏休み前後のアセスメント結果を比較すると、「SEL/EQ」(心の知能指数)のカテゴリでは、「自己理解」「社会/他者理解」「責任ある意思決定」の項目で、夏休み前よりも夏休み後に成長が見られた。
長期休暇中には独立した時間が多く、自分自身について考える時間・機会が作りやすいこと、また自分自身で1日のスケジュールや行動を決める点などから、「自己理解」「責任ある意思決定」に伸びが見られたと推測できる。また、学校外・外部でのアクティビティなどに参加することで「社会/他者理解」が身に付いた生徒もいると考えられる。
やり抜く力を指す「GRIT」のカテゴリでは、中・高生ともにいずれの項目も大きな成長は見られなかった。普段、学業や部活動で忙しい生徒にとって、貴重な長期休暇を使用して、何か新しいチャレンジを行うことで「GRIT」の成長も期待できる。
「周辺環境」のカテゴリでは、中・高生ともに、通学期間と休み期間に応じた対人関係の違いが顕著に出た。学外でのコミュニケーションが増え、家族・保護者や友人との関係性に伸びが見られた。
「自己肯定感」のカテゴリでは、高校生の結果からは夏休み前後であまり差は生まれず、一方で中学生は「充実感」「自己実現的態度」「自己受容」に成長が見られた。「充実感」が増した要因として、保護者・友人関係の数値からもみて取れるように、家族や友人と過ごす時間と中身の質が濃かったことが推測できる。
また、「自己受容」「自己実現的態度」では、SEL/EQの自己理解・社会他者理解向上の相関からみて取れるように、自由な時間の中で自分の興味関心があることに時間を割くことができたためと考察できる。
夏休み前よりも後で落ち込んでいる「被評価意義対人緊張」は、過度に人からの見られ方を気にするか否かを示す項目で、1学期の成績が出た後、かつ教師との関係性が下がった背景もあり、このような結果に繋がったと考えられる。
また、「被評価意義対人緊張」は、責任ある立場・上級生になると、今までよりも他者から見られている意識が強くなるため下がる傾向にある。
こうした結果を踏まえると、夏休みをはじめとする生徒の長期休暇は、特に「SEL/EQ」で成長が出やすいことからも、非認知能力の向上に重要な期間だと言える。また、新しいチャレンジや非日常体験など、長期休暇中に何かを遂行する計画を立てておくことで、「GRIT」の成長も期待できる。
「Edv Path」は、非認知能力の把握、探究学習の効果測定などを行うためのツールとして、全国の多数の学校が導入。生徒は、独自のアセスメントにアンケート形式で回答していき、その結果を「SEL/EQ」「GRIT」「周辺環境」「自己肯定感」の4カテゴリに分類されたグラフで確認できる。
調査概要
調査期間:「夏休み前」7月1日(土)~25日(火)、「夏休み後」8月20日(日)~9月10日(日)
調査方法:成長型支援サービス「Edv Path」
対 象:「Edv Path」を利用している全国の中学生・高校生
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