2024年4月30日
AIツールは研究キャリアに有利に影響 =カクタス・コミュニケーションズ調べ=
カクタス・コミュニケーションズは25日、自社メールマガジン会員、外部組織に所属する研究者計452名を対象に行った「AI ツール利用に関するアンケート」の調査結果を公開した。
2023年8月、文部科学省科学技術・学術政策研究所が発表した「科学技術指標 2023」によると、日本は注目論文数で世界13位と前回よりも1つ順位を落とす結果となった。
ChatGPTをはじめとする生成AIが社会で広く利用されるようになったのと同様に、論文執筆における環境は近年変化の最中にあり、カクタスの2023年7月発表第1回調査では、研究者の2人に1人は週に複数回、あるいは毎日の高頻度でAIツールを利用して論文執筆等を行っていることが分かっている。
同調査では、アカデミアにおける最新のAIツール利用の実態把握と、キャリア形成や研究活動におけるAIツールの貢献度を明らかにした。

その結果、研究者の75%以上は1年前と比べて論文執筆におけるAIツール活用の頻度が増えた(とても増えた、やや増えた)こと、さらに、「AI ツールを使いこなせると、研究キャリアに有利になると思うか」という設問で 90%以上が、有利になる(とても有利になる、やや有利になる)と考えていることが明らかになった。AI ツールはアカデミアにとって日常的に活用するツールであり、使いこなせるか否かがキャリアに影響しうる段階にあるようだ。
調査結果サマリは以下のとおり。
①AIツールだけを利用して論文投稿をしたことがある人は 8.8%とまだ少ないが、投稿経験者の4人に3人は論文がアクセプトされた経験を持つ。
②一年前と比べて、論文執筆におけるAIツール利用度は、75%の人が増えた(とても増えた、やや増えた)と回答し、この一年でも急速にAIツールの利用が浸透した。
③92.9%の人がAIツールを効果的に使いこなせると研究キャリアの形成において有利になる(とても有利になる、やや有利になる)と回答。
④AI ツールを利用することで、6 割以上の人が「論文の質が良くなる」、「論文本数が増える」、論文執筆の「スピードが上がる」、「心理的ハードルが下がる」、「研究にかかる時間が削減できる」など作業効率・生産性の面でポジティブな影響を感じている。一方で、「投稿できるジャーナルのレベルが上がるか」かを問う設問では、「そうは思わない」、「わからない」が 7 割を超え、研究内容そのものの価値への影響はそれほど大
きくはないことが分かった。
⑤[ユーザーボイス] AIツール活用においては、複数のAIツールを利用する、盗用・剽窃になっていないかの確認、英文の精度を上げるなどの意図・期待などから利用されている。
⑥[ユーザーボイス] AIツールの利用有無が論文執筆にもたらす影響について、「日本語にない用語を英語で言語化できたので言語のハードルを越える以上の意味がある」、「非英語圏の研究者からの論文投稿がさらに増える」、といったポジティブな声があった。また一方で、「AIが書く論文が氾濫して、論文自体の価値が下がりそう」、「論文数が増大しキャッチアップの効率化に追いつけないと二極化がますます進みそう」、といった懸念を抱えるユーザーもいることが分かった。
関連URL
最新ニュース
- システム ディ、秋田県教育委員会が「School Engine Web出願システム」を導入(2025年12月5日)
- ICT教材「すらら」、不登校支援で導入自治体数・ID数ともに過去最高を記録(2025年12月5日)
- ガイアックス、石川・富山・福井の小中高校に起業家教育の講師を無償派遣(2025年12月5日)
- 計算力は高いのに自信のない日本の子どもたち、小4・中2国際調査からわかった意識と実力のギャップ =スプリックス教育財団調べ=(2025年12月5日)
- 就活生の67.4%が「資格は就職に有利になる」と回答 =Synergy Career調べ=(2025年12月5日)
- 保護者の4割以上が学童保育に「勉強」と「安心」の両立を要望 =NEXERとHokally調べ=(2025年12月5日)
- 大学受験、保護者が最も不安を感じるのは「高3の秋~冬」=塾選調べ=(2025年12月5日)
- テックタッチ、早稲田大学が独自の出張申請システムに「テックタッチ」導入(2025年12月5日)
- 次世代ロボットエンジニア支援機構、「女性エンジニアの増加」目指しロボット・AI教材普及のクラファンを開始(2025年12月5日)
- 小中生向けプログラミング教室「CodeCampKIDS」、Scratchプログラミングコースをフルリニューアル(2025年12月5日)













