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2024年11月15日

「すららドリル」で課題をやりきる達成感、学ぶ楽しさと学力向上を実現/うるま市立兼原小学校

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児童一人ひとりに応じた学習を通じて学力向上を目指す沖縄県うるま市。2022年度にEdTech補助金の採択を受け、AI搭載のアダプティブラーニング教材「すららドリル」の利用を開始した。学期ごとにまとめと復習に活用したところ学力向上の成果が認められ、本格導入を果たした。うるま市立兼原(かねはら)小学校における「すららドリル」の活用実践を紹介する。

うるま市立兼原小学校

児童の「すららドリル」活用がどんどん上達

沖縄県うるま市の中央部の高台に位置するうるま市立兼原小学校。授業像に「個別最適で協働的な授業」「ICTを効果的に活用した授業」などを掲げ、主体的に学ぶ力と実践力がある児童の育成を目指す中で、「すららドリル」の活用を推進している。

「すららドリル」導入時、同校の宮城希美教諭(4年生、2023年度)は児童が個別に学習できて良いと感じたという。同校が利用する端末の手書きパッドが認識されない難しさもあったが、使ってみたところ子どもたちはどんどん上達し、それも気にならなくなった。「低学年からの導入が良いと思いました」と話す。

うるま市立兼原小学校 宮城希美教諭

島袋大地教諭(5年生、2023年度)は、「当初どう使ったらいいかわからないところがあった」と振り返る。しかし1年、2年と継続して使う中で、配信の仕方や使いたいと思う活用法など、子どもたちともお互いに問いかけをして時間をかけながら進めてきたという。

うるま市立兼原小学校 島袋大地教諭

学校全体で揃えた足並みと教育委員会との協働

同校では、朝学習、昼学習、家庭学習と一連の流れを作り、学校全体で足並みを揃えて「すららドリル」の活用を推進。学習効果の創出を実現している。

推進のポイントの1つは、学年単位で「すららドリル」の活用法を決めて実践していること。 学校全体を通して実施できていることの効果は大きい。

もう1つが、うるま市教育委員会から「すららドリル」の導入背景 や目的を管理職だけでなく現場の先生方に何度も伝えることで、学校側の理解が深まり実践に落とし込めたこと。教育委員会による毎月の活用状況のモニターや働きかけも活用実践に重要な役割を果たしている。

復習課題の達成率が学力向上のカギ

同校での「すららドリル」の基本の運用法は、「ビフォーテスト」+「家庭学習/朝学習」→「アフターテスト」の流れだ。具体的には、はじめに学力診断テストを実施(ビフォーテスト)し、判明した弱点個所の復習を宿題(家庭学習/朝学習)として進捗管理を行い、ビフォーテストと同じく学力診断テストを実施(アフターテスト)し、テスト結果の変化を測定していく。

「すららドリル」の基本の運用法

同校では、小学1年生~3年生までは小テスト機能を活用し、20分間のテストを実施。小学4年生~小学6年生までは「すららドリル」に搭載されている学力診断テストを実施している。

この実践を通して、1回目と2回目のテストの平均点を比較したところ、復習課題の達成率が高いクラスにおいて平均点が向上。最も得点の伸びが大きかったクラスは、復習課題の達成率が100%で平均点が26点向上する成果が確認できた。

テストの平均点比較と目標達成率

「すららドリル」の活用当初は教員から子どもたちへ声掛けを行っていたが、活用を続けるうちに課題をやりきることの達成感を子どもたち自身が感じるようになり、家庭学習や休み時間など、教員から指示がなくても自ら学ぶようになってきたという。

学力に応じて個別にサポート、自ら学べる児童が増えた

テスト後の課題配信の量には個人差があり、早く終わる児童とそうではない児童がいる。宮城教諭は、個別で児童と一緒に課題に取り組んでいるという。ここからだったらできそうという問題を選び、そこから先に解いていくことで問題数を減らしていける。「目標を達成できた」という思いが児童の意欲につながっている。

そうした中、4年生については、課題が多く配信されても個別で対応するケースが少なかったという。宮城教諭が「なぜできるのか?」と訊ねると、児童からは「やった分だけできるようになったから」「自分の為だから」といった言葉が返ってきたという。

子どもたち同士での学び合いも生まれた

課題の提出期日に間に合わなかった児童には、休み時間や放課後を利用して教員が寄り添って問題をクリアしていき、最終的には全員がゴールに向かえるよう学年で意識を揃えて指導しているという。

島袋教諭は、「学力が個々で違うので、基礎の部分からしっかり押さえたいと学年で話し合いをしています。『すららドリル』の良さは過去を振り返られるところ。今進めている部分を単元テストの前に配信もしますが、それ以前の部分も話し合って配信しています」と説明する。

さらに、「すららドリル」は個別学習ということもあり、課題についてわからなかった児童が、わかった児童に聞く学び合いが見られるようにもなったという。「授業の中でも学び合いをしますが、『この問題どうやって解くの?』と聞き、正解した 児童は『こうやって解くんだよ』と。その児童自身もアウトプットできることが良いと感じます」。

島袋教諭は、わからなかった児童には答えではなく「解き方」を習ってみてと声掛けするという。「子どもたち同士ですから答えを教えるほうが簡単です。教える子も答えを教えたいけれど解き方を伝えるのは難しい。『そこを言葉にしてごらん、自分の勉強になるから』と毎日指導しています」。

<小学4年生(2023年度)コメント>
「わからない問題にはもう一度取り組む」

小学4年生のAさんは、間違えた問題をもう一度解き直せることに「すららドリル」の良さを感じている。「たとえば、割り算だったら、掛け算の最初の位置に戻ってしっかり復習して、また問題に取り組んでいます」。

Bさんは、テスト前に「すららドリル」で学習したことで100点が取れた。出題された課題でわからない問題があれば、ノートに書いてさらに勉強したという。「得意になった教科は算数です。『すららドリル』のテストで全部正解できなくて。勉強をしたら前のテストより良くなっていました」。

<小学5年生(2023年度)コメント>
「わかることが嬉しい、学ぶことが楽しい」

小学5年生のCさんも算数が得意になった。「解けなかった問題が、何回も解くようになって得意になりました。解説を読んでできるようになるまで問題を解くようにしています」。「すららドリル」は、平均タイムや正解率を比較でき、自分の苦手な単元がわかる。計算ミスがなくなり全体的に5~10点は上がったという。「今までわからなかったことをわかるようになれることが嬉しくて、楽しんで学習できるようになりました」。


Dさんは、最近追加された「すらら英単語」で英単語を楽しく学んでいると話す。「宿題として出された課題を基本的にやっています。朝の時間と家に帰ってから学習します」。その他の教科も楽しく取り組めているという。

個別学習に適した「すららドリル」。レベルを下げた学習内容の定着も、難度の高い問題へのチャレンジも可能。児童自ら計画して家庭学習に取り組むめることも魅力だと、宮城教諭は「導入して良かった」と改めて語る。児童それぞれに応じた学習と学力を高めるサポートを「すららドリル」とさらに前進させていく。

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うるま市立兼原小学校

「すららドリル」

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