2026年5月1日
遊びの中に学びを!ユーバーの幼児・低学年向けScratchプログラミングVol.2 <順番が大切!『はみがきしよう』>
プログラミングの抽象的な概念を、いかに直感的な体験に落とし込むか。本シリーズでは、ユーバープログラミングスクール代表の中村里香が、子どもたちの「驚き」や「発見」につながる楽しい教材のヒントをお届けします。
今回のテーマは、プログラミングの基本要素の一つである「順次(じゅんじ)」。ものごとを適切な順番で一つずつ実行していくという考え方です。大人には当たり前のことも、子どもたちにとっては新鮮な発見です。毎日の生活習慣である「はみがき」をテーマに、手順のブロックを組み立てることで、楽しく処理の順番を実感できる教材例をご紹介します。
スクラッチで「はみがきしよう!」
◆「定義ブロック」で手順を準備しよう
今回はあらかじめ、以下の3つの「定義」を用意しておきます。
『はみがきこをつける』
『みがく』
子どもたちへ伝えるルールは、この3つのブロックを1回ずつ、全部使ってはみがきを完成することです。このように「1回ずつ、全部使う」というルールを設けることで取り組みも容易になりますし、失敗パターンが正解の1通りを除いた5通りとシンプルになるのも教材制作上のポイントです。
◆あえて「失敗」を面白がる演出を
この教材の魅力は、順番を間違えた時のリアクションにあります。
例えば、「はぶらしをもつ」前に「はみがきこをつける」と、直接手に粉がのってしまったり、「はみがきこをつける」を忘れて「みがく」と、「あれれ?あわがでないよー!」とキャラが困った表情をうかべたりします。

「正解」を教えるというよりは、「順番が変わると結果が変わる」というコンピューターの反応を面白がることで、「順番の大切さ」への気づき、そして論理的思考を育む第一歩へと繋げる狙いがあります。
【先生向け解説】裏側の仕組み
◆変数に「状態」を記録する
内部では、変数を使って実行された順番を記録しています。
各定義の中では、変数「じゅんばん」に「1」「2」「3」と工程ごとの数値を記録(追加)していきます。
数字、文字列、計算式などの値に名前をつけて保持し必要な時に再利用できる仕組みです。
このように各工程を「どの順で行なったのか」を記録します。

「はぶらしをもつ」→「はみがきこをつける」→「みがく」の順に実行した場合、変数「じゅんばん」には、「123」が格納され、「はみがきこをつける」→「みがく」→「はぶらしをもつ」の順なら、「231」という具合です。この「じゅんばん」の値を参照することで演出や判定を行ないます。
◆はみがきが終わったら「じゅんばん」の値を参照し判定を行う
「はみがきスタート」につなげた3つのブロックの実行が終わったら、変数「じゅんばん」の中身を参照します。
「123」が正解で、他の組み合わせ(132、213、231、312、321)は失敗なのでそれぞれに応じた「リアクション」と判定結果を実行します。
「じゅんばん」の値が「123」の時には、定義「123」で「コスチューム:絵など見た目」やセリフ、音などを制御して正解の演出を行なっています。
「じゅんばん」の値が「123」でない時にも、それぞれの定義「132」「213」「231」「312または321」でそれぞれのパターンに合わせたコスチューム、セリフを表示し、最後に失敗の演出を行います。
次の図は「132」の場合の例で、はみがきこがない状態で歯を磨いています。

他にもメッセージ機能を使って 「はみがきこ」スプライトの動きを連動させるなど視覚的な楽しさを加えるのもおすすめです。
「手で歯を磨いてしまう」「歯磨き粉がない」といった、子どもたちが思わず試したくなるような「楽しい失敗」を用意することで、「コンピュータは命令された順番通りにしか動かない」というプログラミングの真理を理解する近道になるのではないかと考えています。
順次を教える教材アイデア
プログラミング教室では、順次という言葉は知らなくても、プログラミングでは「順番が大事」と子どもたちはしっかり理解しています。はみがきのようなシミュレーション作品以外にも、お料理、道順など、「順番の大切さ」を学ぶ方法は見回すとたくさんあります。大切なのは、失敗した時の面白さ、興味深さにあると感じています。あえて失敗をしたくなるような演出で子どもたちを夢中にさせ、学びの効果や意味をしっかりと浸透させます。
ユーバーのオンライン教材では、さらに発展させた「ハンバーガーの調理」も人気です。
◆「ハンバーガーの調理で順次を学ぶ?」
「楽しい失敗」も「楽しいお絵描き」も子どもたちの自信に
子どもたちがとにかく遊び学べる教材
<筆者プロフィール>
ユーバー株式会社 代表 中村里香
2017年4月、すべての子どもが楽しく学べるプログラミング教育を目指し、ユーバー株式会社を設立。プログラミング教室運営、クラウド型学習サービス「うさプロオンライン」の提供、教材開発、講師育成支援、体験イベントの開催などを行う。環境に左右されない学びの機会を届けるため、教育現場や企業と連携し活動中。
ご質問・お問い合わせ info@yuber.jp 中村宛(ご質問は該当記事のURLを添えてください)
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