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2019年3月8日

圧倒的に不足する「イノベーティブな人材」を育てるプログラミング教育の必要性

~ソニー・グローバルエデュケーションセミナーより~

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ソニーグループの教育系会社であるソニー・グローバルエデュケーションは、2019年2月25日に「プログラミング講座研修会」を開催した。前半は、「なぜプログラミング教育は必要なのか?」と題し、同社代表取締役社長の礒津政明氏がプレゼンテーション。後半には、参加者が実際に手を動かして同社のロボット・プログラミング学習キット「KOOV」を使ってみる演習の時間が設けられ、参加者がプログラミング教育の実感をつかむ貴重な機会となった。

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300年先の未来を見据えて

イベントのスタートを切るのは、礒津政明代表取締役社長によるプレゼンテーション。礒津氏は最初に同社が目指しているものを「とことん未来志向で考え、新しい教育を作り、世の中をイノベーションで埋め尽くすことを狙っている」と説明した。そんな同社のビジョンは次の通りだ。

“300年先の未来を作る教育”

「それに伴い、会社のミッションを『来るべき社会の教育インフラを創造する』と定めています。21世紀型スキルの育成や、STEAM教育を視野に入れ、AIやブロックチェーンを使った実証実験を進めています」(礒津氏)

また、親会社のソニーからも、2018~2020年度の中期経営方針で「広義での教育に取り組む」との意向が発表された。ソニー・グローバルエデュケーションだけでなく、ソニーグループ全体として、教育に対する取り組みに力を入れていく。

労働人口が減るものの、イノベーティブな人材は不足に

礒津氏は、プログラミング教育が求められる背景として、近い将来における労働人口の推移を紹介した。2025~2035年には、日本の労働人口の49%の職業が、人工知能(AI)やロボットで代替可能になると言われている。労働人口が減る中で、AIやロボットは労働力を補完するよいニュースだととらえることもできるが、「AIに仕事を奪われる危機感」が叫ばれているのも確かだ。

「2022年くらいまでは、生産職、販売職を中心に圧倒的に人材不足となりますが、2020年の後半には人材過剰にシフトすると言われています。10万人ほどが余剰になる一方で、イノベーティブな人材は170万人も不足するとの予想。マニュアル的な仕事やルーティン業務ではなく、独創性や社交性が必要な業務が求められるようになります」(礒津氏)

このような社会背景を踏まえると、個人として能動的に学び続ける人材を育てることが急務となる。プログラミング教育は、創造的なビジネスや業務に挑戦する人材の発達、育成に大いに役立つと礒津氏は考えている。

さらに、エコノミスト誌による「世界で最も価値のある資源はデータだ」という発表や、インターネット黎明期にウェブブラウザ―のMosaicを発明したマーク・アンドリーセンの「あらゆる産業はデジタル化し、あらゆる企業はソフトウェア企業になる」という言葉も紹介。また、企業の時価総額ランキングが、近年では軒並みソフトウェア会社で占められていることなども含めて、プログラミングの重要性を説いた。

プログラミングとは、国語と算数をつなぐもの

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教育の分野では、プログラミングが注目を集めているものの、現在の日本では学校よりも民間の学習塾が進んでいる。船井総研は、2018年から2023年にかけて、教室数で2倍以上の成長率だと予想している。2023年にプログラミング教室が4500弱、ロボット・プログラミング教室は6600ほどになるだろうとの予測だ。

ただし、礒津氏は、プログラミング教育がこれまでの教育とまったく違うものだとは考えていない。

「プログラミング教育は今までの延長。日本らしい教育で、世界にも通用するものだと考えています。教育の本質は、『言語』と『数学』に集約されるのではないでしょうか。プログラミング教育は新しいように見えて、この2つの理念に密接に関係しているのです」(礒津氏)

同社は2014年より、「Global Math Challenge(世界算数)コンテスト」を開催している。日本語のほかに、英語と中国語に翻訳し、80か国以上からの参加者が集まる。算数のパズルのような日本的な問題は、思考力に通じると評価も高い。この活動を通して、コンピューターを活用して問題を解決するComputational Thinking(CT:計算論的思考)の要素である「Decomposition 分解する」「Pattern Recognition法則を発見する」「Abstraction 抽象化する」「Algorithm Design 解法を設計する」が、世界算数にエッセンスとして含まれていると実感し、その関連性には確信を持っているという。

2020年から必修となるプログラミング教育

文科省の学習指導要領に従い、2020年から小学校でプログラミング教育が必修化される。礒津氏も出席した有識者会議では、「プログラミング的思考の育成であるべき」だと明確に示され、学習指導要領にも書かれている。

「『プログラミング的思考』は文科省で定義していますが、いわゆる『全部入り』になっており全貌がわかりにくい面もあります。私なりに定義すると『物事の仕組みを深く分析、理解し、新しい物事を創造的に生み出す思考方法』ということになります」

一方で、プログラミングとは、「プログラミング言語」を使って記述するもの。その特徴は、次の通り。

・あいまいさを排除した、厳格で論理的な言語
・記号に意味を持たせ、少ないルールで簡潔な記述が可能
・周辺テクノロジーとともに進化する記述力・表現力

これらの特徴により、プログラミング言語は自然言語である国語とは違いがある。とはいえ、言語ととらえることで抵抗感が減り、国語と算数の橋渡しをするものだと考えられる。特にビジュアルプログラミング言語は、日本語で記述できるものもあり、国語に近い表現も可能だ。

さらに礒津氏は、プログラミング教育のあるべき姿として、次の4Cが適切であると考えている。

・創造的イノベーション Creativity & Innovation
・批判的思考&問題解決 Critical thinking & Problem solving
・コラボレーション Collaboration
・コミュニケーション Communication

広義のプログラミング教育により、この4つのCが自然と育成されるだろうと考えているという。

プログラミング教育における課題を解決していく

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最後に、ソニーの取り組みとして、プログラミング教育の課題である「教員不足」「教材不足」「学習時間不足」を教材やサービスで解決していきたいとした。ソニー・グローバルエデュケーションでは、ロボット・プログラミング学習キット「KOOV」により支援している。

KOOVが目指しているのは単なるプログラミング教育だけでなく、その先にある創造力の教育である。創造力の教育とは、ある状況を改善する新しい方法を生み出す力であるという。
また、創造力の教育を評価する方法として、KOOVでは次世代のeポートフォリオに着目している。

これからの教育は「テスト評価」ではなく、日常の活動や実績などを蓄積して評価につなげる「ポートフォリオ評価」に移行していくと言われており、それをシステムにより記録するのがeポートフォリオだ。KOOVでは子供たちが制作した作品や学びの記録を専用のアプリ内にアップして公開できるようになっているため、自然とeポートフォリオが実現できる。また、翻訳機能が付いており、海外の子どもたちと活発なコミュニケーションもなされている。

礒津氏は、最後に次のように述べた。
「これからの時代に向けて『自分が作る未来を創造できる人材、未来にワクワクできる人材の育成』するために、子どもが自分たちのアイデアを形にして、自分たちの未来を作るような教材を提供していきたい」

KOOVの授業用パッケージの紹介と授業の体験

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プレゼンテーションの後は、聴講者も参加するKOOVを使って実際の授業を体験するワークショップが実施された。KOOVにはエンタープライズ向けに授業用パッケージと呼ばれる教材が用意されており、その体験となる。まず、子どもたちに体験してもらった映像を紹介する。

課題は『雪かきゲーム』で、テーブルの上に載ったブロックを、プログラミングを通してひとつでも多く落としたチームの勝ちとなる。パーツとして車を与えてそれを改造してもらうがが、使わなくてもいい。作るものは指示せず、課題だけがあるというコンテスト形式の教材だ。

初めてプログラミングを体験する子供たちにKOOVの電子パーツの説明をしたり、プログラミングで想像した動きを実現させようと、子どもたちが試行錯誤する様子などが流れた。うまくいかない理由をそれぞれで考え、悔しがったり楽しがったりしている。

一方で、KOOVにはレッスン形式のカリキュラムも用意されている。今回参加者が体験するのはレッスン型で、KOOVの基本的な使い方などを講師が説明するのではなく、アプリが担う。タブレットのアプリ画面の基本的な説明をしただけで、その後はブロックの説明やつなぎ方など、3D画像を通じて、アプリが親切に教えてくれる。

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今回のワークショップでKOOVに初めて触れる参加者も、画面の指示に従って手際よく組み立てられていた。完成が近づくにつれ、うまくいかないチームが出てくる。ブロックのつなぎ方を間違えていたようなケースで、画面を戻って修正していく。このようにすれば、ひとりの講師が複数人を見ることができるので効率的だろう。

課題は、ブロックで作成した「みみずく」の首を、プログラミングで指示した角度に動かすというもの。角度を変更したりして、多少の変更を加えてプログラミングを楽しんでいる様子がうかがえた。このような授業用パッケージのレシピはいくつも用意されており、学習塾などの集団学習・個別学習ですぐに使うことができる。

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KOOVはブロックの色に透過性の高い明るめのカラーを使用しており、男女ともに親しみやすいデザイン。アプリは直感的に操作でき、ビジュアルプログラミング言語のScratchに似た画面を採用している。KOOVは法人向けに3月22日まで「もう1台無料!キャンペーン」を実施しており、5台を購入するともう1台が無料となる。本プログラミング講座研修会に参加できなかった人向けに、個別に資料送付や講演動画の配信も行っている。また定期的に東京で法人向けに少人数制のセミナーも開催しており、KOOVを使ったワークショップ、事例紹介、個別相談なども行っている。

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