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2021年8月13日

続・iPadではじめる!先生のためのICT入門講座 【第5回】「勉強」vs「遊び」

【第5回】榎本 昇先生(森村学園初等部)
「勉強」vs「遊び」!ICTでつくる主体的な学び

「わが校でも今年から1人1台のタブレット端末を導入します」突然の発表に驚いたのもつかの間、教員用ということで1台のiPadが配布されました。「急に言われても、いったい何からはじめていいのかさっぱり・・・」。本連載では、そんな困った状況におかれた先生たちのために、学校でタブレット端末を使うためのポイントを解説。iPadを活用した学びを実践している先生たちの活用事例をもとに、ICTが苦手な先生でも取り組める具体的な活用方法をご紹介します。

主体的な学びのヒントは「遊び」の中にあり!

学習指導要領が改訂されて1年。「主体的・対話的で深い学び」は実践できていますか?こんな質問をすると「新型コロナの対応でそれどころじゃない」という声が聞こえてきそうです。実際、この1年は授業時間を確保するだけでも大変でした。学びを止めないことで精一杯だったかもしれません。

まずはICTで「遊ぶ」ことからはじめてみる

そもそも「主体的な学び」ひとつをとっても、それを実現するのは容易ではありません。主体的かどうかはあくまで子どもたちしだい。「主体的に勉強しなさい!」と言ってそうなるわけではないですよね。そこで一度、「授業」という枠を取っ払って子どもたちと向き合ってみてはいかがでしょうか。

例えば「ゲーム作ってみたい人?」「みんなで動画づくりしてみない?」と声をかけてみる。つまり、授業以外の時間で子どもたちと「遊ぶ」時間をつくってみるわけです。今回はICTを使って、そんな「遊び」と「学び」を融合した取り組みをしている森村学園初等部の榎本昇先生にお話を伺いました。

「よく学び、よく遊べ」がモットーのICT先進校

森村学園初等部は神奈川県横浜市にある共学の私立小学校。幼稚園から高等部までの一貫校で「よく学び、よく遊べ」をモットーとしています。小学校にはめずらしくICT専科の先生を配置。総合的な学習の時間を使って、1年間から6年生まで発達段階に合ったプログラミング学習が行われています。

子どもたちが制作した映像作品が世界一に

2017年からはiPadの導入が進められ、現在では640台を保有。3年生以上は1人1台の環境でさまざまな学習に活用しています。また教室には電子黒板とApple TVが常設。東京ドーム2つ分の広大な学園内どこからでも使えるよう、セルラーとWi-Fiのハイブリッドなネットワーク環境が整備されています。

榎本先生はそんな森村学園初等部のICT担当教諭。10年ほど前から映像制作を通じた教育実践に取り組み、パナソニック主催の映像コンテスト「KWN Japan」では2年連続で最優秀作品賞を受賞。2020年の「KWN Global」では世界一に輝くなど、「映像制作×学び」のスペシャリストです。

夏休みに開催した3日間のプログラミングイベント

「ふだんのプログラミングの授業は一方的な教え込みになっていないか?」そんな疑問から、榎本先生が企画したのが「Festival of Coding」というプログラミングイベント。夏休みの補習期間に18名の枠で参加者を募集したところ希望者が殺到。60人近くの応募者の中から抽選で参加者を決めたそうです。

午前の部は、「micro:bit」(マイクロビット)を使ったプログラミング。「micro:bit」はイギリスのBBC(英国放送協会)が主体となって開発された教育向けマイコンボードで、LEDやボタン、センサーなどが搭載されています。iPadなどでプログラミングすることでいろいろな作品をつくることができます。

・micro:bit(マイクロビット)

・「micro:bit」:App Store

「micro:bit」で作った音に反応するランプ

用意したテーマは、LEDで気温を表示させる温度計づくりや、音に反応するランプづくりなどさまざま。子どもたちのアイデアでアレンジを加えるのも自由で、「出席番号が表示される自動指名プログラム」では、自分の出席番号だけ表示されないような工夫をする児童もいたそうです。

線に沿って「Root」を自動で動かすプログラミング

午後の部では、iRobot社の「Root」というロボットを使ったプログラミングに挑戦。「Root Coding」というiPadアプリでプログラムを書き、与えられたテーマを解決していきます。初めて「Root」に触れた子どもたちも、2時間でほぼすべてのセンサーが使えるくらいに上達していきます。

・プログラミングロボット Root | Rootでできること | iRobot Education

・「Root Coding」:App Store

一番人気だったのは「ホワイトボードにマーカーで描いた線に沿ってロボットを自動で動かす」というテーマ。最初はずっと同じ場所で回転していた「Root」が、子どもたちの試行錯誤を通じて、最終的には大人が作ったプログラムよりもスムーズに動くようになったそうです。

【本日のワーク】「Vrew」で字幕付き動画を作ろう!

AIの音声認識で字幕動画がつくれる「Vrew」

「非常にシンプルかつ短時間で編集できるので、解説動画や児童・生徒による動画編集にはかなり便利」と映像制作のスペシャリストである榎本先生もおすすめするのが「Vrew」(ブリュー)という動画編集アプリ。AIによる音声認識の技術を使って自動で字幕をつけられるのが特徴です。

・「Vrew ブリュー」:App Store

まずは新しいプロジェクトを作成し、素材動画を取り込みます。「+ 新しいプロジェクト」をタップして、あらかじめ用意した動画(セリフ付きのもの)をインポートしてください。「次へ」を押すと言語を選択のダイアログが表示されますので「日本語」を選択。するとAIによる音声分析が開始されます。

動画を取り込むだけで音声を自動解析

分析が完了すると、「動画」と「テキスト(セリフ)」が並列で表示されます。再生ボタンを押して動画を確認してみましょう。字幕付き動画が一瞬でできあがりました。うまく音を拾えていない部分や誤って認識している箇所は手動で修正します。字幕のスタイルやフォントを変えることも可能です。

字幕を他言語に翻訳表示することも可能

ほかにも動画にBGMをつけたり、字幕を他言語に翻訳したり、さらには無音部分をカットして動画時間を圧縮する「ジェットカット」などおもしろい機能が満載。フィルターやトランジションといった映像自体を装飾する機能はありませんが、短時間でかんたんな字幕付き動画を作ることができます。

完成した動画を書き出すには、画面右上の「↑」をタップ。動画の解像度やファイル形式(MP4 / MOV)を選択して「エクスポート」を押すと写真アプリ内に動画が保存されます。なお、動画ではなく「字幕」(テキスト)だけを書き出すこともできるので、文字起こしアプリとしても便利です。

子どもたちが4時間没頭できる学びの時間

「驚くことに午前と午後の計4時間、飽きてしまったり途中休憩したりする子は一人もいませんでした」。榎本先生は「Festival of Coding」を振り返ってそう感想を漏らします。「勉強しよう」ではなく「遊びましょう」と声掛けをする。子どもたちのアイデアを絶対に否定しない。そんな工夫は、きっと学習者主体の授業を実現していく上での大きなヒントになるはずです。

【実践者プロフィール】
森村学園初等部
ICT担当教諭
榎本 昇 先生

1999年4月より森村学園初等部に勤務し、2010年頃より映像制作を通じた教育実践に取り組む。パナソニック株式会社主催の映像コンテストKWN Japanにおいて、2019,2020年最優秀作品賞受賞、2020年のKWN Globalでは世界一となるKids Awardを受賞した。2019年よりApple Distinguished Educatorとして活動し、2021年5月にはAppleのApp Storeにて授業が紹介された。

【筆者プロフィール】
教育ICTコンサルタント
小池 幸司

教育現場におけるICTの導入・活用を推進すべく、講演や執筆活動を通じて導入事例やノウハウを発信している。2013年3月にiPad×教育をテーマにした国内初の実践的書籍「iPad教育活用 7つの秘訣」を出版。2020年10月より、YouTubeチャンネル「TDXラジオ(https://www.youtube.com/c/TDXRadio)」を開設し、「Teacher’s [Shift]〜新しい学びと先生の働き方改革〜」のメインパーソナリティを務める。NPO法人 iTeachers Academy 理事・事務局長。

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