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2022年9月26日

MEXCBTとEdTechの連携で本格的な教育DXへ 教育DXの柱となるMEXCBT ── クラウド技術で日本の教育が変わる

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文部科学省 総合教育政策局
主任教育企画調整官・教育DX推進室長
桐生崇氏

多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む昨今、日本国政府も学校や教育行政の現場における「教育DX」を推進している。企業のDXは、単に紙の業務をデジタル化するにとどまらず、さまざまな新しい働き方やビジネスを生み出している。それと同様に、教育DXも、単に紙の教材をデジタル化するものではなく、デジタル技術を活用して学習の手法や教職員の業務やプロセス、学校という組織や文化を革新し、すべての児童・生徒がよりよく学べる新しい教育を確立することを目指すものだ。

中でも文部科学省は段階的に教育DXに取り組んでいるところで、タブレットデバイスを用いた教材のデジタイゼーション(電子化)から、デジタル技術を応用したデジタライゼーション(最適化)へとステップアップしていく時期にある。その中核的なシステムとして同省は、児童生徒が学校や家庭において、学習やアセスメントができる「文部科学省CBT(Computer Based Testing)システム(MEXCBT)」を構築した。今後はMEXCBTを中心に、さまざまな教育機関や研究機関、民間企業が提供するデジタル教材がそれと連携することで教育DXの推進を加速していくことが期待されている。

MEXCBTが日本の教育基盤としてどのような目標をもって開発されているのか、教育現場や民間企業はどのようなメリットが得られるのか、そうした視点を踏まえた技術的ポイントなど、プロジェクトをリードする文部科学省 総合教育政策局主任教育企画調整官・教育DX推進室長の桐生崇氏に詳細を伺った。

日本の教育DXは電子化から最適化、新しい価値の創出へ

日本の教育DXは、大きく3つのステップで進められている。第1段階はデジタイゼーション、すなわち電子(デジタル)化だ。2019年に始まったGIGAスクール構想により、全国のほぼ100%の小中学校で1人1台のデバイス配布が進んでおり、デジタル教科書を活用した授業も広がりつつある。現状では紙の教科書を電子化したものがほとんどだが、動画・音声を用いた教材やインタラクティブなテストなど、デジタル技術を生かしたものも増えていくはずだ。

第2段階は、デジタル化によって得られる「教育データ」を基に、教務や教育行政を効率化したり、指導の効果を高めたりするデジタライゼーションである。そして第3段階には、教育現場における集合知の活用や個別最適化された教育方法の確立など、新しい価値を創出していく「デジタルトランスフォーメーション」が本格化していく。

桐生氏は「教育DXの第3段階を見すえて、第2段階のデジタライゼーションの具体化を検討したり、実際の取り組みを推進したりしています。デジタル庁・総務省・経済産業省および文部科学省が策定した『教育データ利活用ロードマップ』では、教育データをフル活用して学習の最適化を図るなど、第2段階から第3段階にかけての“学校像”を描いています」と述べる。最終的には“誰もが、いつでもどこからでも、誰とでも、自分らしく学べる”世界を目指していくとのことだ。

この未来に向け、文部科学省では“3つの柱”を掲げ、具体的な取り組みを推進している。1つは「教育データの標準化」、データの意味やことばを定義して、誰もが共通して管理・利用できるようにすることである。2つ目は「基盤的ツールの整備」、県や国という大きな単位で誰もが安全・安価に利用でき、かつ個々の学校や自治体の特色を反映できるプラットフォームであることがポイントだ。3つ目は、得られた教育データを分析・研究し、学校や行政の現場で役に立つ新しい知見として還元する取り組みである。

この第2の柱──基盤的ツール/プラットフォームの一つとして開発されているのが、文部科学省CBTシステム(MEXCBT)である。

小さな負担で多様な学力調査を実現するCBT

MEXCBTは、「CBT(Computer Based Testing)」をベースとしている。CBTとは、従来のペーパーテスト(Paper Based Testing:筆記型調査)に対し、コンピュータを使用した学力調査を行う仕組みのことだ。国際的にも普及しつつあり、OECD(経済協力開発機構)の学習到達度調査(PISA)では2015年から移行、国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)でも2019年から一部に導入されている。また米国・フランス・スウェーデンなどの諸外国でも、CBT形式の学力調査が実施されている。

CBTにはさまざまなメリットがあり、まずペーパーテストでは測るのが難しい学力が測れるという点が挙げられる。動画や音声を用いた出題が代表的だが、多数の資料(WebページやPDFなど)から回答を導く方式や、ある設問に回答するとそれに応じた出題があるアダプティブな方式など、さまざまなものが考えられる。また、回答にかかった時間を集計することで、児童生徒の得手・不得手や学習の進行度などが推定できる

「運用面でも大きな効果が期待されています。例えば、正解/不正解によって次の設問が変化する形式であれば、限られた設問数で精度を高め、テストにかかる時間や経費を短縮する効果が得られます。特別な支援が必要な児童生徒に対して、画一的な紙のテストでは難しい多様な対応が可能になる点もメリットです。さまざまな問題を蓄積して共有したり、自動採点技術を用いたりすることで、作問や採点といった教職員の労務負担を大幅に軽減できます」(桐生氏)

文部科学省では、こうした国際的な潮流やGIGAスクール構想の推進といった流れを踏まえて、全国学力・学習状況調査のCBT化を進めており、またコロナ禍での教育に関する課題も鑑みて検討・検証を開始し、2020年度からMEXCBTの開発に着手している。

事業者と政府が連携して創る新しい学習の世界

2022年6月現在、MEXCBTには全国学力調査の問題や自治体特有の学力調査で作成された問題など約2万5,000題が搭載されており、希望する全国の学校が自由に活用することができる。ペーパーテストの問題を電子化したものに加えて、国立教育政策研究所などが作成した動画などを活用した“CBTならでは問題”も搭載されており、活用が可能だ

またMEXCBTには問題だけでなく、アダプティブな出題システムなど学力調査を支援するシステムも追加されていく。例えば自動採点については、理化学研究所 革新知能統合研究センターと共同で開発している機械学習技術を応用した「記述式自動採点システム」が準備中のほか、手動採点システムや問題バンクシステムなどの追加・拡充も進められている。

MEXCBTは国有のシステムであり、児童生徒の個人情報を保有することはできない。そこで学校や児童生徒・保護者は、民間事業者がWebサービスとして提供する「学習eポータル」を通じてMEXCBTを利用する形式が採られる。学習eポータルは国際標準規格に則った汎用的な仕組みとして構成されるため、学習eポータルを窓口として、さまざまなデジタル教科書や学習ツールと連携することが可能だ。また、引っ越しなどで事業者を変更しても個人の学習データを容易に移行できるような方策についても検討がされている。



MEXCBTの大まかな利用方法は次のとおりだ。教員は設置者や学校が契約している学習eポータルへアクセスしてMEXCBTに登録されている問題(一問一答形式/複数問題解答形式)を選び、児童生徒に出題する。児童生徒も、配布された端末を利用して学習eポータルへアクセスし、MEXCBT上で設問に回答する。調査結果も学習eポータル上で管理されており、教員がクラスの学習結果を俯瞰したり、生徒児童が自分の成績を確認したりできるようになっている。別途申込みを行えば、MEXCBTで活用できる問題を教員が作成することも可能だ。


「2021年12月から全国の小・中・高等学校を対象に運用を開始し、2022年8月現在で約11,000校、約360万人が登録しています。授業中や放課後、家庭学習などでも活用され、児童生徒の意欲喚起や教員の業務効率の向上が効果として報告されています。学習eポータルがハブとなることで、さまざまな事業者が参画して多様な教育コンテンツを生み出せるようになり、教材の在り方が変わっていくと期待しています。このような世界を実現するには相応の時間やコストがかかるため、各省庁や事業者が協働していくことが重要だと考えています」(桐生氏)

さまざまなデータ連携/システム連携を担うクラウド技術

MEXCBTと学習eポータル、さまざまな学習ツールとの連携は、技術的な要素も非常に重要だ。その要となるのがクラウド技術である。クラウドはデータ連携/システム連携を前提として設計されており、そのための機能や技術に特化した技術であるためだ。

「さまざまな学習支援システムや教育データが連携する世界を、クラウド技術なしで創ることはできません。いずれか固有の閉じたシステムでは、このような仕組みを構成することは不可能です。クラウドサービスを活用しなければ、教育DXを第2段階より先に進めることはできないと考えています」と、桐生氏は述べている。

そうした考えの下、文部科学省では、MEXCBTのインフラとしてクラウドサービス ── アマゾン ウェブ サービス(AWS)を採択した。MEXCBTは、基本的に24時間365日稼働し続けることが想定されている。MEXCBT自体に個人情報が格納されることはないが、全国学力・学習状況調査に用いる問題など重要な情報を扱うため、安全性も非常に重要だ。AWSは実績が高く、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度の登録を受けており、安全性・可用性の面でも安心して選択できるサービスと言える。

また桐生氏は、将来的な教育工学(ラーニングアナリティクス)──動画など非構造化データを含む教育データのさらなる活用という視点においても、AI/機械学習技術との親和性が高いクラウドサービスが最適だったと述べている。

「セキュリティやプライバシーの保護は重要な要素で、さらなる議論を進めていく必要があります。しかし、漠然とした不安のみで、せっかくのデータ等を活用しないというのはもったいないことです。学校・教職員や児童・生徒、保護者が安心して利用できるように、どのような留意点があるか、何に注意すれば安全に利用できるのか、しっかりとまとめる予定です。地方自治体、学校等や、新しい教材を開発・提供する民間企業にとっても重要な領域ですから、各省庁との連携を強化し、皆で協働していきたいと考えています」と、桐生氏はまとめた。

AWS担当者コメント

すでに多くのEdTech企業様が、AWSを活用したソリューションを展開しています。MEXCBTのインフラとしてAWSを採択いただけたことで、今後もより多くのEdTech企業の皆様と広く深い連携を進められるものと考えています。AWSは、サーバーやストレージなどのインフラだけでなく、多様なデータモデルをサポートするデータベースやAI/機械学習などEdTechに適したサービスを提供しています。ご興味があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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