2014年2月26日
iOSコンソーシアムほか/相談者が主役の公開質問セミナーを開催
iOSコンソーシアム文教担当とデジタルハリウッド大学大学院 佐藤昌宏研究室(EL研究室)は22日、第1回 反転セミナー「プレゼンターは相談者」を、デジタルハリウッド大学院大学で開催した。
「新しい時代の教育」を考えるための参加型イベントで、「教育とICT」「反転授業/アクティブラーニング」「EdTech」の3つをテーマに参加者が相談・質問を投げかけ、会場内の他の参加者がコメントする方式。
約45人の参加者のうち教員、企業関係者が半々の構成で、初めての試みにも関わらず、自由闊達な意見交換の場となり、司会を務めた佐賀県公立学校の中村純一教諭とクレオテック 学びデザイン室の和田理恵氏の楽しいやり取りもあって、終始和やかな雰囲気で会は進行した。
また、イベントの模様はUSTREAMの中継により全国に配信された。
第1部は、会場参加型の「クエスチョンタイム」。ICTツール「Clica」上に参加者が投稿した相談・質問を事務局が選び、その投稿者が相談・質問を発表した。
開成中学・高等学校の生物教員からの質問は、「ワークシートとNetCommonsのシステムで反転授業的な活用を行っているが、教科書を見ながら自分で考えてワークシートを解かせるという狙いに反して、取り組む生徒が少ないがどうしたらよいか」というもの。
これに対して、参加者から様々な意見が寄せられた。2部のゲストでもある、葵の石井貴基社長は民間企業の営業活動を例に挙げて、「タスクを課すだけではトライしてくれない。ゲーム感覚で挑戦させるようなスキームが必要」と延べ、またNetCommonsで学習ページを運用しているという高校の英語教員は「掲載された英作文の文例のうち参考になったものに対して、生徒同士が互いに票を入れ合っている」と、生徒自らが楽しみを見出していること
を示した。
続いて第2部では、事務局で事前精査した代表相談者の質問に、デジタルハリウッド大学大学院の佐藤昌宏教授、広尾学園中学・高等学校の金子暁教諭、千葉県立袖ヶ浦高校の永野直教諭と葵の石井社長の4名のスペシャルゲストが回答。
最初の質問者である関東第一高校の横山教諭は、1人1台iPad導入に向けての相談を行った。
関東第一高校では、2016年度の新入生600人にiPad1人1台環境を実現すべく、無線LAN等の環境整備に取り組もうとしている。質問は、多様な年齢・スタンスを持つ各教員を“巻き込んで”いくにはどうすればよいか、というもの。
タブレット導入を検討している学校や自治体の担当者にとって、大変気になる問題であり、Clicaにも関心を示すコメントが寄せられた。
すでにiPad導入を行っている、広尾学園の金子教諭は、使われないのではないかという不安に対して、「年齢は関係なく、ベテランでも使う教員はいるはず。広尾に対して初めは誰もが、皆iPadを手に文字を打ち込んでいる姿を想像するようだが、現実は違って紙を使うことも多い。試行錯誤しながら進めていけばよいのではないか」と先駆的に取り組んだ立場からの経験を語った。
また、袖ヶ浦高校の永野教諭も、「(iPad導入に)反対する人は一定層いる。導入しても活用しないと言う人もいるが、話を聞いてみると、全てiPadで授業しなくてはいけなくなるのではといった誤解があった。これまでと同様、“生徒と教員の生身の触れ合いが大切”なことを話し、理解してもらった」と学校全体に導入の意義が浸透するまでの苦労を述べた。
デジタルハリウッド大学大学院の佐藤教授は、「そもそも何のために(iPadを)入れるのか。何の問題を解決するものなのかが大切」と述べ、問いのたて方から考え直すことの必要性を示した。
最後に、主催者であるiOSコンソーシアム文教担当の野本竜哉氏は、「紙とチョークがデジタルになるだけではなく、ICTは今までできなかったことを拡張するものだと考えています。教育のICT化を推進しているが、本来教育は“人の力”あってこそで、これからもこのような場を設けていきたい」とまとめた。
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