2014年4月18日
内田洋行/「大学改革セミナー」でアクティブ・ラーニングの実情
内田洋行は17日、アクティブ・ラーニングなど主体的な学習形態について考える、大学関係者向けの「大学改革セミナー」を、東京・新川本社のユビキタス共創広場CANBASで開催した。
始めに登壇した慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科の伊藤健二准教授は、「今後の大学改革とグローバル化の展望」と題し、50以上の大学の卒業生1万人以上のHR(ヒューマンリソース)ビッグデータやアクティブ・ラーニングの実証などから、大学における人材育成のあり方を提言した。
就職5年目の社会人でモチベーションが高い人がどのような大学活動を行っていたかを調べた結果、「目的を設定して確実に行動すること」や「他人に働きかけ巻き込むこと」が「IT」や「専門知識」や「語学」に比べてモチベーションを高めることにつながる結果になると分析。
大学時代に努力したこととして「チームで働くこと」「意見の違いや立場の違いを理解すること」「目的を設定し確実に行動すること」を挙げ、こした能動的な学修が大学の学びに取り入れられることが重要だと語った。
第2部では、内田洋行からの事例紹介、プレゼンテーションのあと館内見学ツアーが行われ、「フューチャークラスルーム」や「アクティブ・コモンズ」など新しい学習環境を体感した。
第3部のパネルディスカッションは「成果から考えるアクティブ・ラーニング」をテーマに、甲南大学マネジメント創造学部の井上明教授、小樽商科大学商学部の大津晶准教授、共愛学園前橋国際大学の大森昭生副学長の三名が、成果を上げているそれぞれの大学のアクティブ・ラーニングの実情を報告した。
ファシリテーターは、パワープレイスの濱村道治常務取締役が務めた。
甲南大学マネジメント創造学部(CUBE)では、開設当初から「壁一面のホワイトボード」や「プロジェクト・スペース」、「スタディー・コーナー」等の空間利用から学生全員が所有するノートPCを有効活用するための「無線プレゼンテーションシステム(Wivia)」などアクティブ・ラーニングを意識した環境を整えた。
あわせて、カリキュラムではプロジェクト型学習(PBL)を中心に構成し、基礎リテラシーから徹底的に、少人数グループで学ばせることで自ら学ぶ姿勢を身につける。
プロジェクト科目では、実社会とリンクした様々なテーマに対して少人数グループで調査、研究、発表することで実践力を磨く。1期生(2013年3月卒)では就職率98.7%(大企業が約50%)を達成したという。
小樽商科大学の大津准教授は、歴史ある国立大学で建物が古いこと、予算が限られていることなどの制約を乗り越えて「大学の個性と特徴を生かす」「学生を徹底的に鍛える」「社会からのアウトカム評価」をコンセプトに、アクティブ・ラーニング環境の整備を進めた。
多用途稼働テーブルやフリーアクセスフロア、パーテーションやスケルトン・インフィルの導入、タブレット端末やWiFi、ビデオ会議システムやビデオカメラなどICT機器の充実など、普通教室をアクティブ・ラーニング対応教室へ。
アクティブ・ラーニングの実践では、学習管理システム(LMS)を活用した反転授業やウェブ・クリッカーを使った双方向コミュニケーション型の講義、地域と連携し地域資源を活用したPBLなど、与えられた課題に取り組む活動の過程で、社会人基礎力の獲得と育成を目指しているという。
共愛学園前橋国際大学の大森副学長は、アクティブ・ラーニングを導入しようと計画してできたのではなく、教育重視の大学像を求めた授業対策として「少人数教育の実現」や「グループワークの活性化」、「プレゼンテーション力向上」などを実践するうちに、ほとんどの教員が自然にアクティブ・ラーニングを取り入れ今では科目の75%がアクティブ・ラーニング関連科目になっているという。
アクティブ・ラーニングをはじめとした学生中心主義の授業運営が推進できるのは、大切なことはみんなで決める、全教職員がフラットに参画することができる大学運営が成されているからだと、基本理念を明らかにした。
パネルディスカッションでは、アクティブ・ラーニングの実践について、ICT機器の導入に金がかかる、機器の陳腐化が早い、評価基準・方法が定まらない、補助要員が必要などのデメリットも示された。
最後は、企業は採用で学生に「何を学んだかでは無く、どう学んだかを問うて欲しい」という意見でまとめられた。
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