2014年12月24日
国際医療福祉専門/ICT×iPad公開授業で救急現場の実習
国際医療福祉専門学校救急救命学科は20日、第2回ICT×iPad公開授業&教室設備使用体験を開催した。
救急救命士の養成機関として17年間の歴史がある同校では、2014年度入学の1年生51人を対象にiPad Air16GBを配布、2年生にもBYODによるiPadを導入したほか、教室のインタラクティブ設備と学内Wi-Fi環境など、ICTによる学習環境の整備を推進してきた。
今回は、5月の第1回公開授業に引き続き、インタラクティブな環境を活用した授業の公開を、医療・消防機関、研究機関や企業、入学希望者などへ対象を広げて行った。
1年生を対象にした実技授業「救急救命処置Ⅱ」は、髙島専任教員がウエアラブルカメラを使用した想定訓練。
事故や急病などの緊急事態に現場で救急救命処置を行う「救急救命士」の資格を取得するためには、専門的な医療知識を身につけるほかに解剖学実習、消防署や救急救命センター等での臨床実習などの実習を受ける必要がある。「救急救命処置Ⅱ」はそうした実習の一環。自動車による交通事故が発生し救急隊の出動要請があったという想定で行うもので、救急救命士を含む救急隊役の学生たちは、運転手らが車内にいるという通報を受けて活動をスタートする。
実技授業で行うことは、負傷者の救出と処置、搬送だ。隊長の指示のもと、2〜3名の救命士が、負傷者の脈拍や心拍数などバイタル確認のほか負傷の程度を確認し、適切な処置を施しながら救出を行い、救命救急センター等への収容依頼の手続きを進める。特に隊長は、混乱しがちな状況の中で適切かつ迅速な判断が求められる。
救急隊の学生らは事故車のある現場で負傷者の救出活動を行う。別室にいる学生たちがその様子を確認することができるよう、iPad背面カメによる中継映像が教室のモニターに映し出される。さらにウエアラブルカメラが救命士のヘルメットに取り付けてあるので、そこからの映像によって作業者の視点で現場の様子を確認することができるようになっている。
こうした活用は、これまでのアナログな手法に比べ、見学する学生たちへポイントを明確に提示できる様になっただけでなく、実習を行った学生にとっても再生映像で動きを見返すことができるなどの利点があるという。また、救急現場でのICT活用の事例も増えてきており、佐賀県では県内全ての救急車にiPadを配備し、救急搬送情報の共有化を図る取り組みを進めている。教育の場でもそうした流れを受けて、今後、実習等でのICT活用はさらに広がりをみせるようだ。
小澤貴裕専任教員が担当する座学授業「救急症候学Ⅲ」では、国家試験の演習問題を学生が作成し、残りの学生がiPadを使用して解答するという授業を行った。
解答に使用するコミュニケーションツール「PingPong(ピンポン)」は、その場で瞬時に解答の集計・表示ができるほか、アンケートにも活用できる。授業では、学生が作った演習問題を評価するなどインタラクティブな活用が行われ、活発な発言がみられる授業となった。この授業の狙いとして、小澤専任教員は「自ら作成することで、試験問題となりやすいポイントなど出題者の意図が理解できる」と説明した。
授業が行われたインタラクティブ教室には、壁面に備え付けられたディスプレイが6台あり、Apple TVがそれぞれに付属され、Wi-Fiネットワークを経由して授業に必要なコンテンツを学生たちに提示することができる。正面の全面壁ホワイトボードは、映写したデジタル画像の上から、デジタルペンはもちろん通常のマジックペンでも書き込みができるようになっている。こうしたアナログとデジタル混在のユニバーサルなインターフェイスは、同校が導入当初から目指していたことだという。
公開授業後には、「1人1台iPadインタラクティブ教室設備導入とその後」として、参加した教育関係者との情報共有の場を設け、導入当初は思いつかなかったメリットや予想通りに動かなかったシステムなど様々なトラブルや経験について、小澤専任教員が司会となり学生3名も加わって質疑応答を行った。
同校のICT環境を進めるうえでの方針は、基幹ソフトや学内サーバーを持たず、基本としてクラウド利用によって授業を運営、学習の内容や性質に応じて到達目標に適したアプリケーションやデジタル機材を選択、導入するということだったという。
現在では学生や教員間での情報共有のツールとして「ednitiy」を活用している。これは、iPad・スマホなどで教員と生徒間のコミュニケーションを円滑に行えるSNS。ednitiyの使い勝手について、学生は「iPadさえあれば教材を見たいときに見られるので便利」「連絡事項を確認でき、こちら(学生)からの書き込みもできる」と語るなど評判も上々だ。また、学校では枚数制限を設けたうえで資料のプリントも認めており、デジタルにこだわらない柔軟な対応も行っている。
小澤専任教員は、同校のICT化による狙いとして「国家試験の合格率維持」「就職活動にインターネット活用」「資料配布をスマートに」「自宅学習環境の充実」といった点を挙げた。また、ネットリテラシーを身につけさせるための取り組みも大切だと述べ、さらに高校教育の単位として遠隔授業が認められたことを受け、ネットワークカメラなどのICT機器を活用して校内だけではなく高等学校などとの連携を進めることもできる、と今後の展望について語った。
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