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2015年6月19日

iOSコンソーシアム文教WG /教員向け iPadアプリでロボットプログラミング体験会

iOSコンソ―シアム文教WGは16日、教育関係者を対象にしたプログラミング学習の体験会を、今夏販売予定の日本語版iPadアプリ「教育版レゴ マインドストームEV3」を使ってレゴジャパンで開催した。学校関係者はじめ、教育関連企業や行政機関の担当者が多数参加した。

プログラミング学習体験会の様子

体験会はまず、レゴエデュケーションが販売する物語作成教材「StoryStarter」の紹介から始まった。StoryStarterとは、レゴブロックを動かしながらストーリー制作ができる教材。専用アプリ「StoryVisualizer」を使い、いくつかの構成場面をレゴで作り、それらを写真に撮って、デジタル作品として仕上げることができる。4コマ漫画、物語、吹き出しなど、いろいろなパターンが用意されおり、子どもたちがレゴを動かすことで、より具体的に考えながらストーリー制作ができるメリットがある。

レゴで作ったものをStoryVisualizerで取り込み作品に仕上げる。

プログラミング学習体験は、iPadを使って今夏販売の日本語版iPadアプリ「教育版レゴ マインドストームEV3」で行った。マインドストームのプログラミングは、これまでPCのみ可能だったが、今年1月には、EV3用タブレットアプリの英語版は既に発売されている。日本語版も発売が間近となり、iPadで操作可能になれば普通教室でもプログラミング学習が実施しやすいのではないかと学校関係者の興味を引いている。

iPadとマインドストームEV3は、Bluetoothで接続。初心者でも扱えるように、操作はブロックをつなげていくだけでプログラムが組めるのが特徴。カラーセンサー、タッチセンサー、超音波センサーなどを使い、中学生の技術・家庭科で必修化されている「プログラムによる計測・制御」の授業で簡単に扱える。小学校においては、総合的な学習の時間、理科や算数などで使えるように学習指導案も用意されている。

体験会で参加者は、「ロボットを動かそう」「ぶつからない車をつくろう」「災害救助」という3つのお題に取り組んだ。iPadでプログラムをして、実際にEV3の動きを試すという繰り返しだが、思い通りにEV3が動いた瞬間などは参加者からも歓声があがっていた。

参加した教員のひとりは、「iPadでマインドストームを用いたプログラミング学習は、普通教室で扱いやすいのがメリットだ」と話した。わざわざPC教室に行く必要はなく、教室内の好きな場所でプログラミング学習ができることが良いという。ほかの参加者からは「ロボットを組み立てることから始められるのが良い」という意見や、「グループ学習の教材に適している」などの感想も聞かれた。

レゴエデュケーション アフタースクールビジネスマネージャーの北川佳代氏は、「今までマインドストームを採用する教育機関は大学や高校などが多かったが、iPadでも操作が可能になったことで中学校、小学校へ広げていきたい」と今後の展望を話す。

プログラミング教育の普及や取り組みについては、学校現場の努力だけで進めていくことは難しい。指導者不足、コスト面など様々な課題があり、それらを解決していくためには企業と教員、関係者らのつながりが欠かせない。iOSコンソ―シアム文教WGリーダーの野本竜哉氏は、「今回のプログラミング学習体験会ように、実際に手を動かしながら体験できる機会を作ることで関係者らが意見交換しながらつながり、学校現場でのプログラミング学習の充実に生かしてほしい」と語る。

iOSコンソ―シアム文教WGは、今回のプログラミング学習体験会に関して参加希望者が予想以上に多くいたことから、第2回目の体験会も企画中だという。(取材:神谷加代)

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