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2017年1月1日
2017年 年頭にあたり
2017年、ICT教育業界は大きな変革の年を迎えます。2020年を目指した「学習指導要領改訂」が本年度中に明らかになり、いよいよ動き始めます。センター試験の廃止を前提とした高大接続、大学受験改革も本格的に始まります。
教育に変革が求められるのは、社会や産業構造が変革するからです。日本の教育界では100年以上に亘り、人に言われたことを間違いなく忠実に行うことが求められてきました。しかし、21世紀の今、教育にはまったく新しい能力の育成が求められています。
「人工知能(AI)」「IoT」「ビッグデータ」「ロボット」などに代表される第4次産業革命がもたらせる急激で急速な変化。その変化に対応できる能力。人間ならではの感性を働かせてより豊かなものにしたり、現在では思いもつかない新しい未来の姿を構想し実現したりしていくことができる力。具体的には、自分で課題を発見し、仲間と協力して解決方法を見いだす能力です。
「アクティブ・ラーニング」や「プログラミング的思考」が、そうした能力を高めるのに有効とされ、「学習指導要領改訂」でも取り上げられています。
「アクティブ・ラーニング」も「プログラミング的思考」も、ICTを使わなくても出来ると仰る方がいます。もちろんその通りです。紙や鉛筆や体を使ってできるでしょう。でも、それでは駄目なのです。ICTを活用して行わなければ、これからの時代を生き抜くための力は身につかないのです。
20世紀の教育成果に縛りつけられて、ICTを活用した教育に踏み出せない教師や校長、教育委員会の下で学ばされる子どもたちは不幸です。もちろん孤軍奮闘でICT活用を実践する教師たちも、本当に悲惨です。石頭な人たちには一刻も早く現実を受け入れて転換するか、退場してほしいものです。
現在の速度でICT教育が進行したとき、例えばICTにおける中1ギャップは「ICTを使える子どもが少数派で邪魔」になってしまう恐れがあります。2020年にもし、そのような状況であったとしたら日本の未来は・・・
大学で教職課程を学ぼうとする学生さんにお願いです。大学は、ICT活用に前向きな学校を選んでください。担当教員はICT活用に理解のある先生を選んでください。新任の先生たちが、ICTを使えないなんて、未来が絶望的です。教職課程で、学生にICT活用を指導できない大学は今後、教員育成の資格はなくなるでしょう。
第4次産業革命を突き進む産業界も、未来の戦力確保に真剣さがみられません。未来の産業界を支える人材は、誰かがどこかで育ててくれるのではありません。国や地方自治体、教育現場はもちろんですが、その成果を享受する産業界こそ積極的にICT活用教育に参画する必要があります。
少し言い過ぎたかもしれませんが、日本のICT活用教育の現状は崖っぷちです。特に今年は正念場です。私たちも情報を右から左に流すだけのメディアではなく、「物言うメディア」として、ICT活用教育普及のお役に立てるよう粉骨砕身努めて参ります。ご助力頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。(2017年 元旦 ICT教育ニュース 編集長 山口時雄)
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