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2017年3月29日
シャープ、辞書や参考書など搭載の学校向けソリューション「Brain+」
シャープは29日、辞書や参考書などを搭載したタブレット向けの統合型学習アプリケーション「Brain+(ブレーンプラス)」の提供開始を発表した。学校向けに、iPad版は3月末から、Windows版は7月から提供する。
「Brain+」は、同社がカラー電子辞書「Brain」で培った検索機能や電子書籍での自動レイアウト技術をベースに開発。中学・高校生向けの学習に、タブレット採用校でのICT教育をサポートする。すでに、中学・高校の8校で導入が予定されている。
注目は検索機能。複数の辞書を横断して一度で検索できる「一括検索」や、教材の中の気になる言葉をなぞることで簡単に辞書を引ける「辞書連携」。「全文検索」は、見出し語にない言葉でも、解説文など全てのコンテンツの中に書かれている文字を検索できる。たとえば、「武田信玄」を全文検索すると、「善光寺」に書かれた「武田信玄」も閲覧でき、付加情報なども知ることができる。収録辞書では足りない時は、そのままWebでも検索できる。いずれも指先で簡単に操作が可能だ。
その他、英語では、見出し語だけでなく文章全体をネイティブ音声で聞ける「音声読み上げ」など学習サポート機能も搭載。
さらに注目は、各校で教員が作成したワードやパワーポイントなどのデータ教材をPDFとして同アプリケーションに取り込むことができ、収録コンテンツと同じように検索機能や学習サポート機能を使えること。収録コンテンツのみならず、独自の教材を学習コンテンツとして増やせて活用できるソリューションなのだ。
「Brain+」は、基本辞書だけを収録した「10冊版(ON-PB1A、ON-PB1W)」と、英語・数学・化学・物理・地学・日本史・世界史事典などの学習教材を追加した「31冊版(ON-PA1A、ON-PA1W)」の2タイプ。どちらも基本辞書部分は共通で、学習に役立つ辞書を厳選収録しているという。
この日、導入予定校から2校の教員が登壇した。
自身では2年前から教育のICT化に興味を持ったという千葉明徳中学校・高等学校の梅澤俊秀教頭。同校は2017年4月から本格的なICT活用の実践を行う。中学生は全学年、高校生は1年生から順次、iPadを導入する。当初、教員の間では、タブレットでは共同的な学習をし、電子辞書は別に使用するといった意見が多くあったという。しかし、「Brain+」の辞書だけではない機能や、英語の「音声読み上げ」も中学・高校生ともに有効であること、教員がこだわりをもって作成した教材をPDFとして取り込んで活用できる点などが教員に高評価であり、「Brain+」の導入に至ったと説明した。
一方、2017年度は1600台のiPadが稼働するという日本大学三島高等学校・中学校の大川幸祐教諭は、「Brain+」導入の経緯を「Research」のキーワードで語った。子どもたちに身につけてほしい21世紀型スキル。「発信」するには知識の習得が大切であり、そのために子どもたちの探究心をうまく引き出せるものを探していたという。「Brain+」は、「疑問に思ったことをiPadを手にとってすぐに調べられる」、「熱くなった探究心を冷まさないうちに調べられる」、「調べることで付加情報が広がっていく」などが魅力的であり、導入の決め手になったと説明した。
主体的な学習に効果的なツールといわれるタブレット。採用校も増えている中、タブレットならではのアプリや教材、ソリューションの開発などもさらに加速の流れにある。
シャープでは今後も、学校現場や関係機関とともに、他OSへの展開やコンテンツ機能の拡充などに取り組んでいく構えだ。
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