2018年1月9日
視覚障がいだってプログラミングは出来る!科学へジャンプが中高生WS
科学へジャンプ・全国ネットワークは7日、視覚障がいのある中学生・高校生を対象としたワークショップ「コンピュータに強い人間になろう!“超入門、プログラミング体験会”」を、つくば市の筑波技術大学で開催した。
このワークショップは、総務省の「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業の「障害のある児童生徒を対象としたプログラミング教育実証事業」の一環として行われたもの。
参加者は、福島、栃木、長野、神奈川、東京、茨城などから集まった中学生と高校生10名。サポートするメンターは、大学や高専の教師、塾の講師、学生、プログラマー、科学へジャンプを支援する日本マイクロソフトの社員など7名。中には、自らも視覚障がいを持つ人もいる。
冒頭挨拶した科学へジャンプの鈴木昌和会長は、「視覚障がい者にとって、ITはとても重要なツールです。ITを使えば、点字に書き換えなくてもコミュニケーションできるようになる。そのITの中心にあるのがプログラミングです。プログラミングとは何か知るために、楽しんでプログラミングにチャレンジして下さい」と激励した。
参加した子どもたちからは、「プログラミングを学んで、学校に帰ったら発表したい」、「自分でアプリを作ってみたい」、「毎日パソコンを使っているので、学んだものを役立てたい」、「趣味がラジコンなので、プログラミングで動くラジコンが作ってみたい」など、意欲的な参加動機が発表された。
この日のワークショップでは、筑波技術大学 保健科学部 情報システム学科の小林 真 准教授による「コンピュータシステムを作っちゃおう!」と「プログラミングで図形を動かしてみよう!」と、同じく筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 障害者支援研究部の金堀 利洋 准教授による「Windowsソフトを作ってみよう!」が行われた。
今回の取材に当たり、視覚障がいの子どもたちにプログラミングが学べるのか心配があったが、科学へジャンプの永年の取組の成果や講師を務めた筑波技術大学の2人の先生、メンターなどの創意工夫やノウハウ、そして何より子どもたちの「学ぶんだ」という強い意欲が障がいを乗り越える最大の原動力になっているように感じられた。
そして、子どもたちの意欲をサポートするツールやノウハウが沢山あることも知ることが出来た。
「コンピュータシステムを作っちゃおう!」のワークショップで、人感・温度・音量・明るさなどのセンサーを使ってプログラミング体験しているとき、小林先生が「世の中の至る所でこうしした仕組みが使われているんだ。センサーからの信号でいろいろなものが動いている。例えばエアコンが、人や室温を感じて温度調整するのはこういうプログラミングなんだ」と説明すると、ひとりの生徒が「な~るほど、そういうことだったのか」と大きな声を上げ、他の生徒もうなずいていた。
視覚障がいがあっても、しっかりした準備と教えるノウハウがあれば、プログラミング体験が出来るし、プログラミングを活用していくことも出来るのだ。
「科学へジャンプ」は、2008年のサマーキャンプからスタートした。「視覚障害がある生徒のための科学へジャンプ・サマーキャンプ」として、全国の盲学校や視覚特別支援学校、あるいは普通校に通っている視覚障がいのある中学生と高校生に参加を呼びかけて実施され、現在は全国展開している。五感を使う感動体験を通して視覚に障がいがある子供たちに、科学にチャレンジする機会づくりをすることを目指している。
筑波技術大学は、聴覚・視覚障がい者のための高等教育機関として、社会に貢献できる先駆的な人材を育成することを教育的使命として、その使命を果たすために幅広い教養と高い専門性を授ける教育を行うことを目的としている。
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