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2018年2月16日

「ETロボコン2018」優勝者をCESに招待 地区説明会3月開始

ETロボコン実行委員会は14日、組込みシステム技術協会が主催する「ETロボコン2018」の開催発表会を行った。

coase「ETロボコン」は、日本の産業競争力に欠くことのできない組込みシステム分野における産業教育をテーマに、ソフトウェアの設計内容とスキルを競い合うETソフトウェアデザインロボットコンテストで、今年17年目を迎える。今年のテーマは、「『パッション』と『技術』が交差するロボコン」。

参加資格は高校生から社会人までと幅広く、全国12カ所で地区大会を勝ち抜いたチームが、11月のチャンピオンシップ大会へと進む。参加者は、学生と企業の若手エンジニアがほぼ半数。同じ土俵、同じ技術で競い合える場として、学生相互、企業相互に加え、学生と企業の活発な交流を可能にしているのが同コンテストの特長だ。

コンテストは、ロボット(レゴ マインドストーム)の走行体を使用して決められたコースを自律走行する競技で、初級者向けのプライマリー・クラスと応用学習者向けのアドバンスト・クラスからなる「デベロッパー部門」と、自由なテーマで製品・サービスを開発し披露する「ガレッジニア部門」の2部門・3カテゴリーがある。

プライマリー・クラス用のEV3Way-ET

プライマリー・クラス用のEV3Way-ET

「デベロッパー部門」は、モデリング開発を実践し、規定の競技内容を攻略していくもの。走行体やバッテリーは同一規格であり、ソフトウェアの違いのみで競い合う。2017年まで使用していた走行体のタイヤが生産終了となったことで、今年は直径10cmの新タイヤに切り替わる。従来のタイヤより大きくなり、新タイヤに対応した倒立振子ライブラリを提供するという。

新たに導入された「シーソー」

新たに導入された「シーソー」

プライマリー・クラスの競技内容は昨年と同様の難易度としつつ、競技コースでこれまで「階段」だった部分が「シーソー」に変更になった。本部技術委員長の江口 亨氏はその理由を「階段はみんな慣れてきたから」と説明。

アドバンスト・クラスでは、時代のトレンドに合わせ新たに「AIアンサー」というゲームが導入される。「そんなに難しいものではなく、機械学習・深層学習などAIの要素を使えばうまく解けるゲーム。チームの工夫次第です」と江口氏。「ただ詳細は今は秘密。あまり言ってしまうと面白みが薄れてしまうので」としながら、参加者には新しい技術を持ち込んで学んでほしいとした。

アドバンスト・クラス用のHackEV

アドバンスト・クラス用のHackEV

また、カメラ活用も新たに追加され「ブロック並べ」ではブロックの位置をカメラで見ながらのゲーム展開となる。画像技術処理を磨いてもらう思惑があると解説した。

さらに、アドバンストで使用する走行体の「HackEV(ハッケブイ)」には、伸びる尻尾を取り付けているのが昨年と異なるところ。「意味はあるがこれも今は秘密。やってみると役立つ何かがわかってくる」という。これまでにはなかった要素が随所に見られる。

一方、昨年新設された「ガレッジニア部門」には、「技術も重要ですが同様に重要なもの、それは“パッション”」とETロボコン実行委員会 共同企画委員長の小林靖英氏が力説。昨年の傾向は、技術の裏付けは良いけれどパッションが少なかったと振り返った。2年目のガレッジニア部門は、見た人が「スゴい!」「どうなっているの?」と思える作品を求めたいとし、例として挙げたのが「ProPILOT Park RYOKAN」。日産の技術によりプロデュースされた特別な旅館で、散らかりがちなスリッパなどを、ボタン1つで簡単に片付けて整頓することができるというもの。自動駐車機能を利用したユニークな発想で遊び心のあるアイディアだ。

積極的にチャレンジしてほしいと語る小林氏

積極的にチャレンジしてほしいと語る小林氏

しかし、言葉ではなかなか伝わらないだろうと、今回はETロボコン実行委員会自らガレッジニア部門に参戦予定だという。参加者には「人のココロを鷲掴みにする」パフォーマンスを期待。小林氏は「場所は用意します、どんどんやってほしい!」とメッセージを送った。

さらに今年のETロボコンは、チャンピオンシップ大会優勝者に副賞がある。米国ラスベガスで1月に開催される大規模展示会、CES2019(Consumer Electronics Show)への招待を用意した。本部実行委員長の星 光行氏は「ネットで見ればわかるという若手に、本当にワクワクする現場で世界を直接体感してほしい。クリエイティブに、ものづくりに、もっとパッションを感じ取ってほしい。だから企画しました」とその意図を説明した。

ETロボコンは単なる競技大会ではなく、参加のプロセスをとおして、技術教育、試走会、交流会・相談会など様々な手厚い支援を用意している。つまり参加者は、たくさん学べて、たくさん失敗できるのだ。また、全出場チームのモデル図を全チームで共有できるという特典もある。技術を切磋琢磨しながら、お互いの知識などにフィードバックを得られる仕組みになっている。

企業に所属する若手エンジニアにとっては、ここで体験したものが仕事や現場に生かされていることがあるという。若手だけが参加するコンテストのため、企画力、コミュニケーション力の向上など、仕事ではトレーニンングできないことがここでできるといったメリットもある。また、企業と学生の出会いの場にもなり、採用・就職へとつながるケースも多くあるという。

「若手の情熱を高めたい」。ETロボコン実行委員会はその一心だ。人材育成への熱い意気込みを感じた開催発表会。学生、社会人を問わず、思いきりチャレンジできる場としてこの機会を存分に活用してみてほしい。

地区実施説明会は3月から開始。9月と10月に地区大会が開催される。申込受付は3月1日~4月5日17:00まで。また、学生のみ仮登録制度がある。ETロボコン2018ホームページの大会参加申込ページから登録できる。

関連URL

ETロボコン2018

 

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