2019年12月27日
有田川町×富士通マーケティング、スマート図書館の実現に向けた取り組み
和歌山県有田川町と富士通マーケティングは、スマート図書館の実現に向け、ICタグを活用した「ウォークスルー型図書自動貸出システム」を構築し、1月7日から運用を開始する。
同システムでは、利用者が利用者カードと図書を持って、施設に設置されたICタグ読取ゲートを通過するだけで貸出手続きが完了する。読取ゲートは高い認識率を実現させるため、実証実験を重ねて独自に製作された。自動返却ポストと組み合わせることで、利用者の利便性向上と図書施設運営の効率化を目指す。
有田川町は、地域住民の交流の場として「有田川町地域交流センター(ALEC)」を2009年に開館した。ALECは「本と絵本のまちづくり」をコンセプトにした明るくて開放的な図書施設で、絵本作家の講演会や絵本に関するワークショップなど、多くのイベントを開催している。
富士通マーケティングは、2009年に図書館情報システム「FUJITSU文教ソリューションiLiswing(アイリスウィン)21/We」を導入したことを契機に、ALECへのさまざまなICT導入を支援してきた。
同システムの導入により、利用者はバッグに利用者カードを入れたまま、借りたい本を持って読取ゲートを通過するだけで、簡単に貸出手続きが完了し、登録されたメールアドレスにお知らせが届く。また、返却時は自動返却ポストを利用することで、貸出と返却手続きの両方でカウンターに立ち寄る必要がないため、プライバシー保護にも効果があるという。同時に、従来はカウンターで行っていた貸出と返却手続きをセルフ化することで、職員の窓口業務を大幅に削減する。
歩行速度や冊数、持ち方などさまざまな利用シーンを想定し、確実にICタグを認識させるため、2018年から実証実験を重ねてきた。アンテナの配置や構成を検討した結果、通路を通過するだけのウォークスルー形式により、誤読を防ぎ、100%近い認識率を実現できたという。
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