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2020年9月17日

町全体でICT化を推進 「すらら」の導入によりすべての子どもに「学びの保障」を/西会津中学校

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福島県西会津中学校

新型コロナウイルスによる学校休校で、子どもたちの学びの機会が脅かされたのは記憶に新しい。ほどなく学校は再開されたものの、今後また、いつ同様の事態が起こるかわからない。子どもたちの学びを保障するための対策をしておくことは、学校や教育委員会の責務と言えるだろう。

町ぐるみでインターネット整備とICT教育に力を入れている福島県の西会津町教育委員会では、統廃合により1校になった小学校で、昨年の10月から4~6年生全員にiPadを配布してオンライン授業を行った。同様に統廃合で1校になった中学校でも、その後の2020年の6月から全学年に『すらら』を導入した。

ケーブルテレビですべての家庭にインターネット環境を整備

江添信城 教育長

西会津町教育委員会で教育長を務めるのは、2年前まで埼玉県戸田市で教育委員会の学校経営アドバイザーを担っていた江添信城氏。「西会津町はもともとICTが進んでいた」と言うように、ケーブルテレビが普及しており、すべての家庭からインターネット接続ができるようになっていた。ICT教育を進める上で、家庭のインターネット環境がハードルになることが多い中、早くから基盤が整っていたといっていいだろう。

「人口が6500人程の町で少子高齢化が進む中、教育が非常に大事であることは間違いありません。コロナ禍で授業ができず、生徒たちに学びを提供できないことは大きな課題でした。インターネット環境があるので、教師が授業を撮影し、配信するといった試みもしていました。ただ、それでは負担が大きすぎると、学習アプリを検討したんです」と江添教育長。

さまざまなオンライン学習サービスを検討したが、決め手となったのは不登校の生徒が試してみた感触だった。「不登校支援の中で、生徒の学習の助けになるようなサービスをいくつか試してもらいました。不登校のお子さんも続けられたというのが大きなポイントとなり、『すらら』に決めました」と語るのは、西会津中学校のICT化をリードする穴澤嘉寛教諭だ。

夏休みの課題を2回に分け、生徒の進捗をモニタリング

穴澤嘉寛教諭と髙橋清彦教諭

穴澤教諭は、理科の担当として、数学担当の髙橋清彦教諭とともにすららの活用法を模索していた。最近アップデートされた管理画面で改善されたものの、導入当初は「すららは一目で中身がわからず、教科書や参考書のようにパラパラと中身を見ながら計画を立てられないところに苦労した」と髙橋教諭。

夏休みの課題にすららを活用するために、まずは1学期の小テストで5教科を試すことにした。「良い点や悪い点、ヒューマンエラーが出やすいところなどを確認するために、先生方に試してもらい、慣れてもらいました」という髙橋教諭。そのねらい通り、夏休みの課題はすららを使ってスムーズに配信することができた。

すららを使った生徒の学習風景

夏休みの課題は、五十嵐正彦校長の発案で、前半と後半に分けた。「初めての試みで分量がつかみにくい中、一度に課題を出すと調整が利きません。前半で様子を見て、生徒たちの状況を見ながら後半を調整していくようにしました。また、例年、課題が終わらず苦労する生徒が多く、不登校の入り口になることもわかっています。そのため、期間を区切って短い目標を持たせた方が取り組みやすいと考えました」(五十嵐校長)。さらに、校長自ら、夜の時間に勉強をしている生徒に向けて、すららのメッセージ機能で応援メッセージを送り、生徒のモチベーションアップにも尽力した。

課題を前後編に分けたことにより、遅れている生徒に声をかけることもできた。部活で学校へ来ている生徒には学校で、そうでない生徒には家庭への個別連絡もしていった。途中の進捗を測ることは紙の教材ではできないため、すららの功績は大きい。「そのおかげか、2学期の授業の始まりは例年よりスムーズでした」と髙橋教諭は語る。

すららのドリル画面

また、紙との違いとして「数学の場合、わからない生徒はずっと終わらせられない」という状況があった。「解答付きの問題集の場合は、解答を見ればわからないままでも進められます。でも、すららはレクチャー動画を見てドリルに取り組むため、理解しないと解けない。進んでいない生徒が多いとわかったので、夏休み中に質問の時間を設けたところ、これまでより多くの質問が来るようになりました」(髙橋教諭)。

学習の本来の目的を考えると、わからないまま課題を終わらせるより、質問をして理解を深めるほうが本質的だ。すららにより、本来の学習に近づいていると言えそうだ。

夏休み明けのテストにすららを活用。すぐに復習できるのが強み

夏休み明けに5教科のテストをすららで実施した。紙のテストの場合、回収した後に教師が採点をする時間が必要だが、すららなら即座に自動採点される。テストの直後に復習の時間を設ければ、弱点を克服することができるのだ。

「今後も小テストなどにすららを取り入れていきたいです。また、冬休みの課題もペーパーレスにしたい。課題を溜めてしまうことのないように声掛けをして、学習の習慣づけをしていきたいです」(穴澤教諭)。

インタビューにこたえた生徒たち

生徒からの反応も上々だ。「塾だと時間が決まっていて夜遅くなってしまうけど、すららになってから自分のペースでできるようになりました。何度も繰り返せるので覚えやすく、成績も上がったと思います。いろいろメニューを見ていたら英検対策があったので、それも取り組んでいます」(2年生女子)や、「テキストやドリルだと何度もできないけど、すららだと何度もできるのがいいです。ランダムに問題が出てくるので、『次はどんなものが出てくるんだろう』とワクワク感もあります。勉強の終わりにやった量がわかるので、達成感があるし、明日は今日よりも頑張ろう、とやる気が出ます」(1年生女子)と、自ら進んで学習ができているようだ。

ただし、「ひとりで学習ができる生徒はいいが、学習習慣のない生徒には引き続きサポートしていく必要がある」と穴澤教諭が言うように、生徒によっては任せきりにするのではなく、個別対応が必要になってくる。

五十嵐正彦校長

「まだ使いこなせていない部分も多いが、『やってみよう』『挑戦してみよう』という気持ちで取り組んでいます。ICTに苦手意識のある先生もいるので、穴澤先生を中心にして講習会を開くことも考えているようです。リーディングスキルテストを軸とした読解力向上にも取り組んでいるので、すららの導入による読解力向上にも期待しています」(五十嵐校長)。

生徒はWindowsのタブレットを毎日持ち運んでおり、荷物の負担が大きいため、デジタル教科書の導入も検討中だ。「さまざまな工夫をしながら、生徒によりよい環境を与え、学校だけでなく、家庭でも、どこにいても学びが保障されるようにしていきたい」と江添教育長は語る。ICT化だけでなく「不易と流行」のどちらも大切にしながら、西会津町全体で新しい学習スタイルへの取り組みを進めていく。

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