2021年5月31日
教員コミュニティMIEE Talks@Admin.による『ICT活用教育実践』日常の学習への手軽なICT利用
日常の学習への手軽なICT利用!先生の明日からの教材づくりを助けるコンテンツ紹介
新城市立鳳来寺小学校 鈴木 英之
1 はじめに
GIGA School時代が到来し,ICTを利用した様々な教育実践が報告されています。私は,これまで子どもたちの学習の基礎・基本の定着を助ける教材作りを行ってきました。作った教材は,できるだけ多くの先生や子どもたちに使ってもらいたいと思っています。
そうした点で,教材作りのプラットフォームとなるアプリは何かと考えると,やはりMicrosoft社のWord,Excel,PowerPointとなるでしょう。
ICTの活用が苦手と言っている先生でも,ワードで学習用ワークシートを作成されているでしょう。Excelで成績処理をされているでしょう。プレゼンテーションでPowerPointを利用されていることでしょう。
家庭でも,Word,Excel,PowerPointの入ったWindowsパソコンを利用されていることが多いのではないでしょうか。
私も同様です。中でもExcelは,私の教材作りには欠かせません。定型の書式を作ることで,手軽な教材作りが可能になるからです。
MIE Expertの中でも,Excelで教材作りをしているメンバーは少数派です。そんな実践の一部をここで紹介させていただきます。Excelをあまり利用されていない先生や子どもたちにとってICT活用の幅を広げる機会となれば幸いです。
2 小学2年生「かけ算」の学習
「かけ算」の学習では,はじめにかけ算作りを行います。おはじきや数図ブロックを使って数えたしの手法を使ったり,百玉そろばんを使ったり,アレイ図を使うこともあるでしょう。慣れてくると,かける数が1ふえると答えがかけられる数だけ増えていくことに気づきます。
算数的な活動には,具体物を使った活動もあれば,思考的な活動もあります。
具体物を使った試行から思考的な試行に移る段階において,ICTの利用は有効です。私は,Excelで作った自作教材「デジタルアレイ図」にWindows10 の標準機能である「Windows Ink ワークスペース」を利用しました。これにより,子どもたちは「デジタルアレイ図」を操作し,分かったことを「Windows Ink ワークスペース」で書き込んでいきました。
また,できた「かけ算九九」を覚える活動には自作教材「かけ算フラッシュカード」を利用しました。大型ディスプレイに表示しみんなで答えたり,2人でどちらが早く答えるか競ったり,1人でくり返し練習したりしました。家庭学習でも利用したいという子には,ダウンロード先を紹介しました。学校と家庭で同じ教材が使えることは,子どもたちの学びの助けになります。
また,宿題でかけ算練習プリントを出しました。プリント作りには,自作教材「Microsoft Excel で 算数ドリルを作ろう」を利用しました。これはダウンロードサイトVectorにて公開しています。
この内容について,もっと知りたい方は,Swayで作成した「小学2年生 算数 かけ算の学習」をご覧ください。
3 小学4年生「わり算の筆算」の学習
「わり算」は既習事項ですが,十分定着していない子もいます。そこで,わり算の習熟のために利用したのが自作教材「Microsoft Excel で 100問ドリルをしよう」です。これもVectorにて公開しています。
授業開始時の1分間を使って取り組ませました。簡単な操作で,取り組んだ問題数,正答数,正答率を記録することができ,毎日継続することで,計算が正確に速くできるようになっていくことを実感できます。
これについては,「Empowered JAPAN Edu Days 2021」サイトの動画「計算力を高める1分間の計算ドリル ~日常の学習への手軽なICT利用~」でも紹介しています。
また,筆算の手順を確認する自作Excel教材を用意しました。「わられる数」「わる数」を入力し,「ヒント」ボタンを押すことで計算手順が確認できるものです。もちろん,計算手順が定着してくれば必要ありません。子どもたち同士で手順の確認ができるようになります。
この内容について,もっと知りたい方は,Swayで作成した「小学4年生 算数「2けたでわるわり算の筆算」の学習」をご覧ください。
4 おわりに
どうでしょうか。Excelで教材作りを始めてみようかなと思っていただけたでしょうか。そんな方のために,私のホームページを紹介しておきます。
「算数ドリル・中学数学ドリル」ホームページ
ダウンロード先や使い方,ドリルを作る白紙シートを紹介しています。
「Microsoft Excel で フラッシュカードを作ろう」のページ
フラッシュカードの作り方や作成例を紹介しています。
「Excel納戸」
書写や漢字練習でなぞり書き用ワークシートを作りたい思ったことはありませんか。学習帳形式のなぞり書き作成用ワークシートを始め,あったらいいなと思って自作したものを集めてあります。
「MIEE活動録」
MIE Expertとして活動するようになってからの主な活動を紹介しています。また,私がこれまでに自作してきた教材をダウンロードするための窓口となっています。
教材については,実践利用したものもあれば,授業後こんな教材があったらと思って作ったものの使っていないものもあります。多くの先生や子どもたちの助けになれば幸いです。
イラスト:Atelier Funipo
《プロフィール》
鈴木 英之 (新城市立鳳来寺小学校 教諭)
2016年よりマイクロソフト認定教育イノベーター(MIE Expert)。
Excelを活用した教材作り・活用を進めている。
主な教材に
・Microsoft Excel で 算数ドリルを作ろう
・Microsoft Excel で 中学数学ドリルを作ろう
・Microsoft Excel で 100問ドリルをしよう
・Microsoft Excel で フラッシュカードを作ろう
があり,ダウンロードサイトVectorで公開,雑誌などでも紹介されている。
第35回 学習デジタル教材コンクール〔東京書籍賞〕などを受賞。
2020年にMicrosoftよりMIE Fellowの認定を受ける。
MIEE Talks@Admin.メンバー
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教員コミュニティMIEE Talks@Admin.による『ICT活用教育実践』始まる | ICT教育ニュース (ict-enews.net)
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